5月11日 鍵Ⅵ
俺は、スコアを見ながら今日の試合を頭の中で振り返っていた。奏太が率いる河南ボーイズは、6対3で勝利となった。結局、終わってみれば昨日は、4打数3安打。今日が、4打数2安打。2試合で7打点と圧倒的な結果を見せチームを勝利に導いたのだった。さすがとしか、言いようがない。これで、後2回勝てば全国大会に出場というところまできたのだ。次は、5月末。どんなバッティングをしてくれるのか。今日がGW最終日。俺は、宿題が終わりなんとなくボーッとしていた。人によっては、明日までGWという奴もいる。なんとも言えない気分だった。
ー5月6日ー
俺 「あれ誰だ?」
悠太「あれって他校の奴じゃね?」
俺 「他校?」
とてもヤンチャそうな生徒が宝来の横にいた。
悠太「ああ。お前、『fours』って知らねぇか?」
俺 「あぁ、、、、、」
そういや、この前聞いたことがあるな。
悠太「知ってる?」
俺 「何度か」
悠太「そこにいる誰かだろ」
俺たちは、息を潜めながら話をしていた。『fours』とは、八代総合高校の三上龍志、海美高校の東藤蒼、淮南高校の山下達也。最後が四人目の聖徳高校の工藤明弥のことらしい。横から、小さな声で悠太が説明してきた。
俺 「揉めたらめんどくせぇな」
悠太「揉めないようにしろよ」
俺 「まぁ、それはそうだな」
部室を通り過ぎた宝来たちは、ゆっくりと歩いていく。
悠太「ふぅー。危なかったな」
俺 「別に見つかってもよかっただろ?」
悠太「いや、アイツらは万が一のことがあるからな」
俺 「そんなにヤバいのか?」
ゆっくり頷く悠太を見た。何がヤバいのか俺にはわからなかったけど、まともに相手せずによかったと思った。
悠太「さっさと鍵を取りに行こうぜ」
俺 「そうだな」
宝来たちは、もう既にいなくなったみたいだ。
悠太「どうやって取りに行くんだ?」
俺 「正面突破しかないだろ」
悠太「見つかったらめんどくさいぞ?」
俺 「まぁ、監督がいる確率がわかんないからな」
5割程度の確率で監督はいる。でも半分の確率で監督はいないとも思える。どう考えるべきだろうか?
悠太「じゃあ、俺が鍵を取りに行くからお前はここで見張っとけよ」
俺 「何を見張るんだよ?」
悠太「そりゃあ、誰か来ないかだよ」
俺 「来たらどうするんだよ?」
その答えを用意していなかったようだ。




