5月10日 鍵Ⅴ
奏太は、どんなバッティングをするのだろうか?ゆっくり打席に入った奏太はピッチャーの方を見つめていた。1番、2番が連続三振した中での打席。とても注目の打席だった。向こうのピッチャーの球は、相当キレている。予想では、140km近くのスピードガンが出ているのではないかと思っていた。俺は、両親とかとは離れた場所であるバックネット近くで見ていたのだ。見ている感じだと、ストレートとカーブとスライダーの3つの球種をもっている。奏太は、どのボールを打つのか?俺なら、ストレート1本に絞るけど。すると、次の瞬間、大きな金属音が聞こえたのだった。
ー5月6日ー
俺 「空いてたか?」
悠太「全く」
俺 「じゃあ、職員室行くか?」
悠太「んー」
ためらう悠太は何かあるのだろうか?すると、向こうから足跡が聞こえてくる。
俺 「おい、こっち誰か来るんじゃないか?」
悠太「まじかよ」
俺 「めんどくせぇな」
俺たちは、足音が聞こえる方を向きながらじっと見つめる。
悠太「おい、向こう行くぞ」
俺 「えっ、、、」
悠太が走っていく方向に俺も向かう。何するんだ?コイツは。
悠太「ここなら、大丈夫だろ」
俺 「なんで書かれたんだよ」
悠太「さっき見えたんだよ」
俺 「何が?」
何を言っているのかサッパリ理解できなかった。
悠太「さっきの奴ら、サッカー部だよ」
俺 「サッカー部?」
悠太「ああ」
俺 「でも、誰もいないんじゃないのか?」
悠太「ほら、あそこ」
悠太の指差した先には、自転車が停められていた。あれって、、、、、、。
俺 「宝来のチャリ?」
悠太「おそらく、そうだろうな」
俺 「それだったら、会わずに正解だな」
説明で納得がいった。
悠太「でも、もう一人いそうだな」
俺 「誰がいるんだ?」
悠太「宝来と仲いいってなると、サッカー部か同じクラスの奴らかだろうな」
アイツらは、本当にヤンチャしてるからまともに相手をしたら大変だ。でも、宝来は何をしているのか。アイツは、まだ怪我中じゃなかったっけな?部活動をしていいレベルでもないだろう。もしかしたら、それもフェイクだったりするのか?疑ってしまう自分がいた。
悠太「おい、こっち来るぞ」
冷静に見ていた悠太は呟いた。ここなら、見つかるはずはないから問題はないけど。何をしようとしているのだろうか?たしかに、宝来の横には誰かがいるみたいだ。




