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4月25日 素振り

 俺たちは、いつものようにバットを振りながら話をしていた。めんどくさい時は、お父さんもここにやってくる。まぁ、俺には興味すらないからいいんだけど。期待が奏太にかかりすぎなければいいんだけどな。


 奏太「アウトコースが今課題なんだよな」

 俺 「ストレート?」


 おそらく今日は打てなかったんだろうな。奏太が悩んでいる時は、そういう時が多い。


 奏太「どっちもだな」

 俺 「ふーん。俺は左だから右打ちのお前のことはわかんねぇよ」

 奏太「それでもいいよ」


 いつもと変わらない奏太の話だった。


 俺 「今日は、打てたの?」

 奏太「まったく。3打席連続三振でお父さんもキレてたよ」


 今日も見に行っていたのか。相変わらず、奏太も大変だな。そりゃあ、いつも打てるわけじゃないけど、親としては打ってもらわなきゃ困るんだろうな。


 俺 「そんなのでキレるのかよ。めんどくせぇな」

 奏太「自分のように思って見てるんだろうな」


 弟のくせに俯瞰して自分を見れるなんて優秀すぎる。


 俺 「そうだろうな。向こうはいいピッチャーだったの?」

 奏太「向こうは、道和高校に進学予定のピッチャーだわ」

 俺 「そんなの打てる方がすごいだろ」

  

 今の時期に決まってるっていることは相当期待されているんだろうな。


 奏太「たしか、飯塚っていうピッチャーで1年せいからレギュラー獲れるっていう噂だったよ」

 俺 「そんなの打てなくても気にすることないだろう」

 奏太「まぁね」


 それでも期待に答えたいというのが、奏太の本音だった。


 俺 「それは江陵とかに奏太がいくと思っているからじゃねぇか?」

 奏太「だよな、、、、、、」

 俺 「えっ、お前言ってねぇの?」

 奏太「言ってない、言ってない」


 奏太は繰り返して言った。気持ちがわからないこともないけど。言わないとプレッシャーだぞ?俺ですら、中学生の時は迷ったし。


 俺 「それか名門に行くか」

 奏太「行かないよ」

 俺 「それは決めたの」


 バットを杖代わりにして質問をした。


 奏太「ああ。だから、他にいくことはおそらくない」

 俺 「もったいないな」

 奏太「そう?」


 たしかに聖徳だったら、勉強もできるし野球も確実にレギュラーにもなれる。しかし、野球での道は断たれまう。上手いなら名門校で挑戦すればいいのに。俺は、奏太に後悔してほしくなかった。

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