4月2日 優雅
俺たちは、教室で勉強をしていた。ちょうど先に勉強を終えた悠太は、優雅にペン回しをしていた。ペンを置き、俺に向けて話し始めた。
悠太「よかったな?」
俺 「何が?」
何を言っているのだろうか。
悠太「クラス」
俺 「どこがだよ」
そういうことか。悠太は、俺たちのクラスについて話をしていているのか。
悠太「アイツいるじゃねぇか」
俺 「アイツ?」
悠太「河野健太」
聞きたくなかった名前だ。
俺 「やめてくれよ、アイツの名前出すの」
悠太「いいじゃないか。面白いじゃんよ」
俺 「どこがだよ」
まぁ、別に河野に何かされたわけではない。ただ、一方的に俺が嫌いというそれだけ。
悠太「ハハハハ。俺は、河野好きだけどな」
俺 「どこがいいんだよ、アイツの」
河野が嫌いになったのは1年の頃だ。当時、同じクラスだった河野がリーダーみたいに俺たちを仕切り始めたのが嫌いになったのだ。同じ学年なのに、コイツにいじられて、納得いかなかった。
悠太「面白いじゃない」
俺 「面白くないだろ。お前がズレてるんだよ」
悠太は、昔からこうだ。でも、だからこそコイツのことを気に入っているのかもしれない。自分を曲げない悠太が愛おしかった。
悠太「まじ?ズレてんのかよ、俺」
俺 「当たり前だよ」
よくわからない俺は、悠太の方を見ていた。
悠太「おかしいなぁ」
俺 「誰が面白いって言ってんだよ。お前くらいだぜ?」
河野を好かない奴は多い。けど、一部の人は河野のことを好いている。
悠太「ハハハハ。そんな言ったら終わりだぜ」
俺 「だろ?あんな奴、好きなやつおかしいから」
悠太「まぁ、そう言うなって」
はぁ。アイツの話をしていたらテンションが下がるわ。
俺 「今日、練習何時から?」
悠太「11時くらいからだろ」
俺 「そうなんだ」
俺たちは、もうすぐ始まる全体練習に向けて話をしていた。
悠太「じゃあ、俺はバット振ってくるわ」
俺 「おっけ。俺はもう少しここにいるわ」
ここの教室の居心地も悪くない。
悠太「おう。じゃあ、頑張れよ」
俺 「ああ」
悠太は、昨年の夏以来、熱をいれて練習をすると言っていた。俺たちが試合に出れる確率は低い。それでも、まだ諦めるのは早いとコイツが教えてくれる気がした。




