65 軽音バトル!⑤(動転のQ章編)
【恋】
「忍。ありがと。」
「い、いえ!」
忍が手渡してくれるシールドを受け取る。エフェクターボードの運搬からセッティングまで、手際がいいとは言えないけど、精一杯ローディーをやってくれている。
「その、場違いかもしれませんが、演奏の前ってなんだかドキドキします・・・」
気持ちはわかる。自分の出番じゃなくても、演奏前は私もワクワクする。どんな音を出すんだろう、あのエフェクター見たことない、あれくらいストラップが短いとテクニカル系なのかな。
どんな音楽が聴けるのかわからなくて、でも、わからないからこそワクワクする。
「おいおい、メンバーがいないから先生に頼むとか面白すぎるだろ!」
「マジだよウケる!遠足でお友達のいない子か?体育のペア組みで余ったから先生とやるあれか?」
よく言う。自分たちが怪我をさせておいて。弾き手にとっての指をなんだと思っているんだ。秋津は冷静だけど、私は腑煮えくりかえっている。
だいたい、音楽なんてやりたいやつがやるだけだ。誰とバンドやろうがどんな演奏をしようがその人の自由だ。横から口を出すものじゃない。
(うるさい。集中しきれない・・・)
サポートで入っている箱はもっとうるさいはずだ。酔っ払いに絡まれることもあるし、カップが飛んできたこともあった。
いつもなら歯牙にも掛けない野次も、今日はなんだか大きく聞こえる。いちいちがモヤモヤする。どうしても胸の奥が騒ついてしまう。
(違う・・・)
確かにジャガイモボーイズはうるさい。ついでに目障りでもある。でも、そうじゃない。
騒いでいるのは私の内面だ。私の中で何かがさざめき立っている。
(しぃに当たっちゃった・・・)
沸々と湧き立ち、波のように押し寄せてくるのは、きっとしぃへの気持ちだ。
しぃならわかってくれると、どこかでそう思っていた。手放しで肯定してくれると。でも、実際は。
(だめだ・・・そんなことを考えている場合じゃない。)
バクバクと脈打つ心臓が立てる波紋は身体に広がる。心の平静は遠く、凪は訪れる気配がない。
「てか、あいつドラマーだろ?ベースボーカルなんでできるのかよ。ザッピなめんなよなー。」
うるさい。全部うるさい。雑音が多すぎる。何もかも投げ出して音の海に潜りたい。共鳴する音の波に身を任せたい。
(ああ・・・こんなとき、宗次郎ならどうするだろうか。)
「ち、ちょっと!恋ちゃん先輩!中指立てちゃダメですよ!」
「でもうるさいし。宗次郎ならそうするかなって。」
「ソウジロウさんファンキーすぎません!?」
忍に止められてしまった。冷静だ。
「邪魔するようなおしゃべりはよくないと思いますけど・・・」
いや、違うかもしれない。
ジャガイモボーイズを見る忍が、今にも突っかかっていきそうに見えるのは気のせいだろうか。
忍にもう一度お礼を言って準備が終わったことを伝える。「頑張ってください!」と胸の前でふたつの握り拳を作る忍は相変わらず可愛い。
そうこうしているうちに全体のバランスをみるための音出しが終わった。あとはドラムのカウントを待つだけだ。しかし、未だおしゃべりならぬヤジは続いている。
(あるいは・・・茜だったら。)
茜だったら、きっと音楽で黙らせるだろう。
有無を言わさぬ演奏で、観客を黙らせるためにソロをかますだろう。
猛り狂ったようにベースを鳴らし、地を這う弩級の音で身体の内側から揺らしてくれるだろう。そうして音楽という底のない沼に引き摺り込む。
奇しくも選曲はmasses。茜がこの曲の前に必ずやるあのソロが懐かしい。
いや、恋しい。私は求めている。
ベースソロにドラム、ギターと加わって成るひとつのセッション。キーだけが決まっている、他には何も決まっていない、その場のノリと勢い。バンド音楽の真髄。
苛烈で情熱に溢れ、扇情的。あの有無を言わさぬ音の奔流を私は求めている。
けれど願いは届かない。茜はもういない。
しかし。
「うるせえ。」
呟かれた声は確かに聞こえた。そして続く畝る音。無秩序に歪んだギザギザの波形。とりとめのない音はベースの開放弦を4本同時に鳴らしただけの混沌とした音像。
身の丈もあるAmpegのキャビから放たれる音の壁は強烈なハウリングに姿を変え、身体を内側から抉ってくる。
空気に実体はない。けれど、その音に押し流されたように聴衆から音が消えた。
空気が、変わった。
【怜】
(まったく、あいつは何考えてるんだ・・・)
朱と一花、山城先生がステージにあがった。何を考えている、と自分で言っておいてなんだが、やることは明白だ。
もはや何を言っても聞くまい。ため息と共に、今日のために組んだエフェクターボードを朱に渡した。
ついでにセッティングしていけと言われたから、あいつがマイクをセッティングしているのを横目にシールドをひいて音出し、ついでに一花と山城先生の手伝いをしてきたところだ。
「先輩、手際いいですね。恋ちゃん先輩のお手伝いしているつもりで、私まで助けてもらっちゃいました。」
一通りのセッティングを終え、聴衆の前方にいた指宿と合流。「慣れてるって感じです。すごいです!」と褒めてくれる指宿は笑みを貼り付けている。
こんなにまっすぐ褒められることなんてそうはない。どことなく気恥ずかしくて顔を逸らしてしまった。
暗に、あいつにこき使われるのが様になっていると考えるのはへそ曲がり過ぎだろうか。
「まあ、こういうのは慣れだからなそのうち・・・」
「なにあのボロボロの楽器。」
「ほんとだ。塗装が剥がれて木が丸見えじゃん。」
バンド全体のバランス調整で音出し、そして音が止んだ。準備も完了だろう。
そして同じタイミング、機を見計らっていたように声が聞こえた。
顔を逸らした先、目の前で話している女子生徒ふたりは朱が抱えるベースを指さして薄寒い笑みを浮かべている。
「エフェクターもきたなーい。ちゃんと手入れしなきゃね?」
「ねー?バンドは見た目も大事なんだってのー。」
先ほどから見た目の話ばかりだ。
演奏していないのだから曲の感想が出ないのは当然だが、どうにもこのふたりが見た目にしか目がいっていないと考えてしまうのは、きっと俺の心根が曲がっているからだろう。うん。きっとそうに違いない。
ただ、見た目を語る割に朱の外見、立ち姿に触れないのは、非の打ち所がないからだと考えてしまうのは、俺の考えすぎだろうか。
(なんだあいつ・・・めちゃくちゃ似合うじゃねーか。)
なんで俺があいつの見た目の話に気を取られてしまったのか、その理由はベースにある。
朱が俺からひったくっていったのはGibson The Ripper L9-Sというベース。茜が昔使っていたベースだ。
The Peaceの解散前には別のベースを使うようになったが、少なくともmassesがリリースされた時にはリッパーを使っていたはずだ。
リッパーは珍しい形をしている。だからといって構えるのにコツがいるとかそんな大層なこともないが、普段ジャズベやプレベを弾いているやつからすれば違和感を感じるかもしれない。
だが朱がベースを構える姿は、有体に言えば似合っている。様になっているというやつだ。
あいつがリッパーを使ったことがあるとは思えないが、ずっと連れ添ってきた楽器であるかのように馴染んで見えた。
「あ、あの・・・いまから演奏ですし、おしゃべりはやめたほうが・・・」
口さがない陰口悪口。止むことのないその言葉の応酬を止めたのは、はたして、指宿だった。
「何この子?」
「あれでしょ?コッキーの。」
「ああー。私のカッコいい先輩が演奏するから静かにしてーってこと?」
「ウケる。健気ちゃんじゃん。あざといんですけどー。」
「わ、私は・・・っ!」
「指宿。やめとけ。行くぞ。」
意図的に口を挟む。指宿は何か言いたげな表情だが、ああいうやつらには何を言っても無駄だ。
それにヤジはライブの常だ。喧嘩を買うだけ無駄な労力というやつだ。
「なにあれ。」
「彼氏じゃん?」
「うわー男に守ってもらうとか。あざとい上にぶりっ子かー。」
「やめなよー。かわいそうだよー。いい?ぶりっ子は男に頼るしか能がないんだよ?」
「ウケる。私よりひどいこと言ってんじゃん。」
指宿を連れ、聴衆の後列、ステージがギリギリ見える位置まで下がった。去り際、ヒソヒソ話が聞こえたが、あえてこちらに聞こえるように言っているのだろうか。
(ぜんぜん密々(ひそひそ)になってないんだよな・・・)
ともあれ、やられっぱなしも癪だ。The Peaceの演奏前、見えるともわからないが、ここは宗次郎流に応えるとしよう。
「先輩!?中指立てちゃダメですよ!」
「いやでもうるさいし。宗次郎ならそうするかなって。」
「デジャブ!?恋ちゃん先輩といい、ソウジロウさんっていったい何者ですか!?」
「誰って、そりゃThe Peaceのぎ・・・」
何か、きっかけがあったわけではない。
突如として鳴り響いた轟音が音楽室を満たした。
Ampegの八発キャビから放たれる禍々(まがまが)しいハウリングは空気を揺らし、鼓膜を揺らし、胃の腑を揺らした。
朱だ。間違いなく意図的だ。
ベースアンプが引き起こすハウリングはギターアンプの比ではない。それは、ギターアンプの倍以上の出力ワットを持つベースアンプだからこそのもの。まさに地響きだった。
限界まで振動したコーン紙が切れる前に止めさせなければ。そんな冷静な思考ができる一方で、俺の心は高ぶっていた。
先ほどまで散漫だった聴衆の視線が、関心が、心が朱に向いている。空気が変わっている。
極悪なグリッサンドで下る音程。それは締めくくりに向かう一走りのように思えた。
しかし、違った。
朱の足の動きとともに歪みの質が変わった。無秩序に飽和していただけの音がハリと芯を取り戻し、あのベース本来の音が返ってきた。
そして、そのままベースソロが始まった。
ピック弾きかと間違うような力強い指弾き。ただ、それは力まかせに弾いているものではない。弦を鳴らしきる、歪みの中に芯を感じる弾き方だった。
(これは・・・4/4拍子なのか?)
始めは間違いなく4/4拍子だった。しかし今は違う。
最初はシンコペーションの効いた4/4拍子かと思った。ベースでありながら軽快なリリックだと思った。
しかし、違和感は徐々に大きくなった。小さな感覚のズレを少しずつ感じるようなり、そして、4/4と3/4拍子が交互にきていると気づいた。
これはおそらく変拍子。7/8拍子だ。
通常、変拍子はノリに欠けると言われている。
しかし、ここに確かに軽快な縦ノリを感じる。
それは、要所にあるゴーストノートが小気味よくリズムを生み出しているからだろうか。
ベースだけにも関わらず単調に聴こえないのは、ルートとメロディを弾きこなしているからだろう。変拍子にあって、ドラムがいないで明確なアタマを感じるのはメリハリがある弾き方だからだろう。
違和感の正体に気づいたにも関わらず、いつしか、変拍子であることの違和感を感じなくなっていた。
ふと、あるところを境に朱がドラムに振り返った。
(ドラムに入れって言うのか・・・?)
考えられない。事前の打ち合わせはしていないはずだ。定番のブルースや打ち合わせしている進行があるなら別だが、ことは変拍子、それもぶっつけ本番だ。
これが長年連れ添ったバンドメンバーであれば可能かもしれないが、今日即席で集まったようなメンバーでまとまる訳がない。破綻する。
しかし。
(嘘だろ・・・山城先生・・・?)
困惑どころかニヒルな笑みを浮かべて叩きだす山城先生に迷いは感じなかった。
駆け出すリズム。その演奏は端的で真っ直ぐで、普段の先生の端々から感じる少年のような純粋さがあった。
同じリズム隊にあって、圧倒的な演奏のベースの影に隠れない存在感があった。
いや、こんなにも明瞭に聞こえるものだろうか。
確かにドラムは力強い。絶対的な筋肉量が少ない女性であるにも関わらずパワフルで、それでいて勢い任せではないダイナミクスを感じる。
しかし、これほどまでにグルーヴを感じるのは、たぶん、リズム隊であるドラムとベースの棲み分けができているからだ。
互いが同時に主張することはない。片方が出張れば片方は身を引く。
ノリが悪ければプルアップでゴーストノートを刻む。展開に欠ければタムを回してフィルイン。
このセッションは互いが互いを補っていた。
(あいつは・・・できるのか?)
ここまでくると残された道は多くない。
ベースとドラムのソロをぶつけ合ってキリよく終わらせるか、あるいは。
エントリーは絶妙なタイミング。カッティングのリズミカルなフレーズでクランチしたレスポールが加わった。
その音は速かった。音が速いとはバンドをやっていない人からすれば馴染みないかもしれない。しかし、その音は鋭く俺の耳に届いた。ハムバッカー特有のモタモタとした甘さを感じないのは、機材か弾き手の技量によるものなのか。
おそらくその両方だろう。自分のギターがどの音色を得意としているのか、アンプはどこのメーカーでどのモデルか、手持ちのエフェクターとの相性はどうか。
機材を最大限活かすセッティングを見出すのは並大抵の努力では成らない。しかし、それを超えて自分が思い描いた音を表現する。
技術もそうだ。左手のミュートの正確さ、右手は撫でるだけのナヨナヨした弾き方ではない、弦を弾くようにピックをあてる正確さ迷いのなさを感じる。
なぜ弾けるのか不思議だった。この複雑怪奇な状態に飛び込んでいけるとは、正気を疑った。その度胸はどこからくるものなのか、不思議でならなかった。
だが、すぐに不思議ではないことに気づく。
一花はサポートギターとして数多くのバンドに参加している。部室にいる時も本を読んでいるかギターを弾いているかだ。おそらく家でも同じように過ごしているのだろう。
ギターに触れている時間イコール上手さではないが、上手いやつは長時間ギターに触れている。だからある意味、一花がこのセッションに加わることができるのは必然なのだと思う。
呼吸と演奏を合わせるように向かい合う3人。ここらからは見上げる一段上のステージ。それは文字どおり、別世界になっていた。
そうして何小節が過ぎただろうか。正直、演奏に惹き込まれていてよくわからない。覚えていない。
タイミングを合わせ演奏がフェードアウトし、セッションが終わった。ちらと見えた朱の表情が笑みに形取られていたように見えたが、次の瞬間には髪に隠れて消えてしまった。
すでに俺の胸はいっぱいだった。あるいは周りにいる言葉をなくした連中も似たようなものなのかもしれない。
さっきまであれほど音に溢れていた音楽室は一切の音をなくしていた。
だが、忘れてはいけない。今日は、あくまで軽音バトルだ。massesを演奏しなくては評価しようもない。
しかし、朱は微動だにしない。ここからドラムのカウントなり、メンバーとの目配せなりして始めるだけだ。しかし、動かない。
セッションが終わってほんの数秒だ。未だその不自然さは小さい。俯いているその姿は集中しているのか、何かを確認しているようにも見える。
しかしどれも違う。朱のその姿は、時間の経過を以って確かな異質さを音楽室に存在を示した。
はたして、観衆の隅々にまでその波が広がる頃には、全員の視線は朱に固定されていた。
カウントもない。目配せもない。朱の小さいブレスがマイクのグリスを撫でた。
刹那、すべての空気が止まった。
一瞬の停滞、その錯覚を切り裂くのは朱の歌声とギターのアルペジオ。
位相をずらして輝くギターの音に乗って響くアルトは、最後に音階を下げその音をベースにつなげる。
サチュレーションが掛かったベースのグリッサンドが他の楽器を引っ張って曲が走り出す。
クラッシュシンバルの残響、ハイからロータムへの流れ、スネアを打つ疾走感のあるドラムが弾みをつける。ルートに対して完全5度と9度を足したギターの和音が音場を広げる。
たった3人とは思えない音圧が波となって鼓膜を、いや、細胞を震えさせた。
そうして広がった音は一点に収束し、その熱量を朱に渡す。
Aメロから紡がれる音、どこまでも伸びていくような声音に、厚みさえ感じる声の深度。突っ走っていくイントロに対して低く響く歌声は緩やかな浮遊感を漂わせている。それは群衆を惹きつけ焚きつける怪しい色を帯びていた。
徐々に増える音数、ギアを上げていくバンド。Bメロはサビ前のオマケではない。曲の緩急を生み出すための準備。トップスピードで駆け出すための助走。
そして、ブレイク。
一瞬の静寂、大音声で放たれる歌声。縦に横に広がる音の波。
massesで伝えたいことが詰まった曲の主役。扇状的で叙述的な歌詞が心に刺さる。
目の前には3人しかいないはずだ。しかし、この場を満たす音が、それ以上の音を錯覚させる。
一瞬たりとも目が離せなかった。
(これはまるで・・・)
それは、一度だけ見たことがある、いつしか夢にまで見るようになったThe Peaceの音楽だった。
【注釈コーナー】Special Thanks
「悲しい。」
「流石にこれは一花に同感だ。悲しいな。」
「先輩が恋ちゃん先輩と共感している・・・?」
「悲しいといえば、秋津。ガールズバ◯ドクライは面白かったね。」
「ああ。ガルクラは神ってるな。続編が待ち遠しい。」
「先輩?なんのお話ですか?」
「アニメの話だ。」
「あ、先輩と恋ちゃん先輩って音楽の話以外するんですね。意外です。」
「ガルクラはアニメだけど広義では音楽の話。」
「バンドを舞台としたアニメだからな。」
「先輩、アニメ好きなんですか?」
「人並みです。」
「えっと・・・?」
「ま、アニメを見ないやつにはあまり関係のない話だな。」
「わ、私もこの前アニメ見ました!アニメ好きですよ。オタクってやつです。面白すぎて前作もまとめて見ちゃいましたし!」
「ほう。アニメ好きと申すか。」
「はい!」
「秋津・・・」
「ああ。わかっている。これは、あれだ。」
「先輩?」
「いや、なんでもない。指宿。アニメ好きというが、なんのアニメを見たんだ?」
「遅ればせながらで恥ずかしいんですが・・・すずめ◯戸締りです!」
「そうか。」
「天気◯子も面白かったです!2作続けて見ました。止まりませんでした!」
「よかったな。」
「はい!」
「秋津。」
「なんだ?」
「最近見て面白かったアニメは?」
「GANGSTA.。今はErgo Proxyを見ている。」
「オタクとはこういうもの。むらせむらせ。」
「このふたつの共通点に気がつくとか、おまえも相当だな・・・」
「えっと、なんのお話でしょうか・・・?」
「そうだった。あまりの悲しさに現実逃避して話の本筋から外れてしまった。」
「うん。悲しい。」
「一体、何が悲しいんですか?」
「ガルクラの作中、ダイダスのヒナが使っていた楽器メーカーの話だ。」
「私が使っているBurnyのレスポールの親メーカーでもある。」
「国産老舗メーカーFernandesが破産。業務停止。」
「日本のバンド界を支えた会社がなくなった。」
「ああ・・・倒産のお話ですか・・・」
「この会社の功績は著しい。1980年代〜90年代にかけて日本の若者にギターを広めた功績、安価で質の良いギターを作り続けた功績、ギブソンからレスポールの質の良いパクリだと言われて訴訟を起こされた功績。」
「なるほど・・・すごいメーカーだったんですね・・・あれ、最後のはなんだか違いませんか?」
「世界の音楽事情にバンドブーム、アニメの影響、バンド楽器業界は流行りに左右される。浮き沈みが激しいからこそ仕方のないことでもあるんだがな。」
「ロック復活の狼煙を上げるMANESKINやガルクラが流行っている今だからこそ惜しくは感じるよね。」
「ああ。今まで日本のバンド界を支えてくれたことに敬意を称しつつ、最後にFernandesのマニュアルから引用してこの言葉を送ろう。」
最後に
このマニュアルをお読みになり、今後もエレキギターに対する飽くなき努力と限りない研究を惜しまないフェルナンデスの姿勢をご理解いただけたでしょうか。
楽器は高価であれば良いというものではありません。オーナーの方が引き込んでこそ良い楽器になるものです。




