21 閑話休題
「ほら、一花。着ぐるみの羽型手袋。落ちてたぞ。」
「ありがとう。これ探してたんだ。演奏前に外しちゃって。」
「羽が邪魔になるくらいならニワトリじゃない別の動物にすればよかったじゃねーか。まあ、ニワトリが好きで選んでるだろうし、そこにどうこう言うつもりはないんだけど。」
「別にニワトリは好きじゃない。たぬきの方が好き。」
「はあ!?じゃあなんでニワトリにしたんだよ?」
「ニワトリの方が面白いでしょ?見た目とか。」
「たぬきも十分コメディだろ!」
「しぃ、たぬきかわいいよね?」
「もちろんです!ちなみに、くまとたぬきは本になるくらい仲良しです!」
「たぬ?たぬたぬ。」
「クマ―。よろしくだクマ!イチカ可愛いです!」
「そういうキャラ付けいいから!もう手遅れだから!一花のキャラは既に固まってるから!」
「私のキャラ?どんな?」
「イチカは天使の生まれ変わりですから、いえむしろ今も天使・・・」
「不思議ちゃん。」
「はあぁあ!?イチカをそのへんの俗物と一緒にしないでください!イチカは多角的な視野と多層的な発想を持ち、少しだけ、ほんのちょっとマイペースなだけです!」
「それを世間一般では不思議ちゃんと言うんだ!」
「ッハ!世間一般って誰ですか?そんな人いませんよね。証明できるのですか?できないですよね?」
「そんな小学生みたいな・・・」
「所詮、一般なんていうのはマジョリティーの妄想が作る虚像です。大多数が否定しないものの集合体に過ぎません!そんな曖昧な尺度でイチカを計らないでください!」
「言うねぇ・・・でも、そうだな。世間一般の意見は証明しようがないが、一花が不思議な感性を持っていることは証明できる。」
「そこまで言うならやってもらおうじゃないですか。」
「わかった。ゴホン。一花、このニワトリの羽、意外と軽かったカルカッタ半島。」
「え、秋津何言ってるの?」
「ザマありませんね!イチカはそんな単純でh・・・」
「バカな!笑わないないナイアガラだと!?」
「ふふ。ナイアガラの滝つぼに話のオチを落としたの?秋津、面白い。」
「な、不思議だろ?」
「イチカぁ!」
「なあ、おまえらギャグセン高すぎね?」
「朱、おまえどこに行ってたんだよ。」
「よくぞ聞いてくれました。これを取りに行っていたのだ!」
「スカーフ?一年生のものですね?」
「そう!そしてこれをパス!さあ汐、軽音部から入部希望者を拉致ってくるのだ!」
「おまえまだ懲りてないのか!」
「い、言い方が悪かった!軽音部を見学している人の中で、軽音部以外の音楽系クラブに興味がある子を連れてきて!」
「なんで私がそんなこと・・・」
「それは簡単さ!私と怜と一花さんは綾乃にマークされてて音楽室に入れないから!」
「・・・なるほど。」
「じゃあ!任せたよ!私たちは入部希望者が来た時のサプライズを考えよう!」
「はあ・・・わかりました。行ってきます。」




