1 新歓ステージ①
「もうすぐ出番ですね。あれ、ベースのあの方・・・あき・・・秋山さん?はどこでしょうか?出演者の待機場所はここですよね?」
「秋津ね。名前覚えてあげよう?上手はベースアンプが遠いから下手で待機するって。」
「そうですか・・・黒江さんもいませんね・・・まったく、本番直前にどうなっているのでしょうか・・・」
「しぃ、落ち着いて。黒江さんはおなか空いたからって購買にパン買いに行った。」
「みなさん自由人すぎませんか!?練習だって通しで1回合わせたきり・・・こんなことで演奏は大丈夫でしょうか・・・」
「心配ない。しぃは上手。いつも通りやれば問題ない。」
「イチカがそう言うのでしたら・・・」
「やあやあ諸君!皆々(みなみな)、各々(おのおの)、銘々(めいめい)ご苦労!」
「遅かったですね黒江さん!何をしていたのですか?購買部はさほど離れていないでしょう?」
「なーにカリカリしてんだー?もしや、緊張しているなジャリガール?」
「ふふ。カスミソウと橘をかけたの?黒江さん、センスあって草。いや、この場合は花かな?」
「いや言ってる意味が・・・もしかしてジャリガール→カスミ→カスミソウってこと!?一花さんギャグセン高すぎでしょ・・・というかキミ、初代アニポケ世代じゃないよね?歳ごまかしてる?」
「そうなの?まあいいけど。確かに遅かったよね。トラブルでもあった?」
「まートラブルといえばそうだけど・・・パン買ってから戻る道すがら、トンビにホットドッグの中身だけ掻っ攫われた子がいたから、代わりにあんパンあげてきたんだよ。」
「何パンマンですか!いえ、そのままですが・・・っ!」
「いやー4個入りでよかったよー。あ、橘さん最後の1個食べる?」
「結構です・・・」
「そう?よっし、じゃー本番前の団結やりますか!みんなピースして指先をくっつけて?お前が来れば星になるっ!」
「ん・・・秋津がいないけど。こういうのってメンバー全員でやるんじゃないの?」
「怜は・・・いいのいいの!こういうのは雰囲気だけあればそれでおっけーよ!ほら、橘さんも!」
「なんだかベースの方が不憫です・・・って、3人でピースしても星にはならないですよね!?」
「いやいや!ダブルピースが二人にピースが一人であら不思議。星の完成!」
「姑息です・・・っ!」
「あーあ。怜ともう一人いれば真の星になるんだけどなー。」
「ふふ。最後のピースが欠けているってこと?ピースだけに。黒江さんセンスあってk・・・」
「いやそんなこと言ってないからね!?」
「まったく騒がしい人ですね・・・ほら、軽音部の演奏が終わりました。行きますよ!」
「まあいいや!いっちょかましますかー!コッキーポップ同好会ファイト!オー!」