秋唄
青空に広がる灰雲を裂く光の柱
あまりにも綺麗で 綺麗すぎて 涙が溢れてきた
やらなくちゃいけないことはたくさんあったよ
予定は詰まってた 模様替えとか
朝から計画は立ててたんだ
だから早起きもした
食べたくない朝食も食べた
窓を開けたら短くした髪が重く揺れる
買ったばかりのブラシやクリップが行き場をなくしてる
ゴミ箱に投げればスッキリするさ
目に付くから思い出すんだ
だからゴミの日はあるンだ
ゴミ捨て場の透明袋を見て誰かはきっと思うだろう「衣替えの断捨離だな」って
丸めた服の中に隠して捨てた写真を思って泣いたことは知らずに
青空に広がる灰雲を裂く光の柱
あまりにも綺麗で 綺麗すぎて 人恋しさが溢れてきた
忙しい時とかなんだかイラついてる時
独りの方が良いって思ってた
何気ない会話もムカつくし
身勝手だってわかってたさ
けど単純じゃないんだよ気分なんて
こんな私でもわかってくれて好きでいてくれる
キミに感情を背負わせて得た自由は何一つ誇れるモノを残さなかった
いつか忘れて次に進めるさ
それまでちょっと辛いけど
傷を癒やす時間はある
……傷って何? 自分で自分を傷付けて キミまで傷付けて 癒やしはあるの?
部屋中にある面影がガラスの欠片みたいに足に刺さって動けない
認めたくないさよならにしがみついてみたけれど
結局そこにキミはいなくて独りよがってるだけで
今になってわかったよ
目を合わせずに告げた言葉は私じゃなくてキミ自身を辛くさせてたんだって
さよならは私のため
諦めはキミのため
優しさが最後の最後で膨らんだ 二人の間に そして弾けた──
ゴミ箱に捨てればスッキリするさ
それまでちょっと辛いけど
集めた欠片は思っていたより重い
ゴミ捨て場まで運ぶ一歩一歩は別れのための道のりだって悲劇のヒロイン気取って
そうじゃないと立ち直れそうもない これは生きている間に起こり得るドラマの一部なんだって
いつか忘れて次に進めるさ
目に付くから思い出すんだ
だから今日は掃除の日
そう決めたのにキミの面影を見つける度に思い出して微笑んで泣いて道草を食う心
この想いもゴミ箱に捨てようって思ったのに捨てられないまま時間が過ぎていく
青空に広がる灰雲を裂く光の柱
あまりにも綺麗で 綺麗すぎて ワケがわからない
あまりにも綺麗で キミとの思い出みたい
あまりにも綺麗で 私が汚れてるみたい
あまりにも綺麗で 綺麗すぎて 涙が止まらない