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余命宣告  作者: えぬ【えす】てぃー
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7月17日

 今日という日を大切に、とは言うが。大切にってのは一体づすれば良いのだろう。

 頑張って自分の責務を全うする事?無駄がないように過ごすこと?


 時は金なり、ともよく言うが、そんなのもっとわかんない。

 普通に生きてれば、時間は勝手過ぎて行ってしまうものでしょう?


 あくまで私の意見だけど。

 

 私は“今日”を大切にしないし、“時間”も金だとは思わない。

 だってそうでしょう?

 どっちも惰性的に消費していくものだし、どっちも勝手に進んでいくものでしょ?

 そんなのにいちいち気を回してたら、それこそ時間の無駄だし、感情の無駄なんじゃないかと思ってしまうのです。

 感情の無駄というか。

 人間そこまで特別な感情をそこかしこに振り撒いていられないのではないでしょうか?そんな軽い感情なら、人に与えても対して響きもしないでしょうし。




 私は、とある会社に勤めています。大して有名でもない小さな会社です。

 仕事内容は、簡単にいうと警備。

 

 皆さんもよく見かけたことがあるかもしれませんが、工事現場や、道路などに、ヘルメットを被って旗を振っている人達。

 私はその旗を振っている人たちの中の1人です。

 暇そうに見える仕事ですが、これがなかなかどうして大変だったりするのです。なんてったって、自分の命を守りながら、知りもしない赤の他人の命を預からなければならないのですから。

 私にとっては不釣り合いな仕事です。

 そもそも私は自分の命を投げ出している。それなのに、他人の命を背負うことなんてできるはずありませんし、何かあっても庇うなんてこともできません。

 何より対価が相応しくないのです。

 私のように警備の仕事に着いている人達は、先ほども言った通り、自分と他人を護らなければならないわけで、その一身に沢山の命を預らなければならない。それなのに、返ってくるものは、クレームか、少ない給料。

 だからとことんスゴいなと思ったりするのです。そういう仕事に長いこと就いてる人達が。

 …恐らく、余程のお人好しか、その少ない給料で満足してる方々なんでしょうね。

 きっと、心の底から、誰かを護りたいと思ってやってる人は少ないんじゃないかと思います。

 なんとなくで選ぶものじゃなないですね…仕事ってのは(苦笑)


 そんな人の方が、きっと生きて行きやすいのかもいれないですね。




 今日も私はカッターや包丁、ロープや眠剤を手にしていません。身を投げるための高いところにも行っていません。

 明日も私は息をするのでしょう。

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