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六時間目・・・体育

一時間目の数学が終わった後は特に何事もなく進み、残すは六時間目の体育だけとなった。

この学校は珍しくも体育の授業が男女合同だ。

しかも、迅のクラスの男女は同じ数でどちらも奇数。よって、今、迅が体験してるような事態にも当然なりうる。


「どうしてこうなった・・・・」

「知らないわよ・・・」


迅と雛の困惑するような声が響く。時はさかのぼること数分前・・・・



「じゃ、身長が近い者同士でペアになってくれ」


体育教師の指示がグラウンドに響く。


「なろうぜ~」

「おっけ~」


そんな生徒同士のやり取りが聞こえる中


「悠は誰と組むんだ?」

「う~ん、僕は多分、菜奈と組むかな。特に男子同士とかの指示ないし、さっきからすごい笑顔でこっちに圧力かけてくるからね。僕から誘わないと菜奈のお怒りにふれちゃうよ」

「お前も大変だな」

「まあ、かわいいもんだよ。そんなことより迅は大丈夫なの?見た感じ余ってるけど」

「・・・・・やっべ」

「ふふっ、身長が高すぎるっていうのも考え物だね」

「笑いごとかよ」

「ごめんごめん、でも、約一名キミと同じ理由で余ってる女子がいるよ?」


そう言って指をさすほうを見るとペアがいなくて困ってるのかあたりをきょろきょろ見わたす如月がいた


「いや、無理あるだろ。ほぼ一まわり違うんだぞ?」

「僕は見てて楽しいから全然問題ないよ?」

「・・・・」


前からちょくちょく思ってたがこんなさわやかな感じなのに俺に対してはドSだよな。こいつ


「ほかに人もいないし仕方ないか・・・」

「そうそう、諦めて誘ってきなよ」



そして現在、余った俺と如月はペアとなってしまった。


「よし!大体のペアは問題なく決まったな!・・・・・・よし、授業を進めるぞ!」


((進めるなよ…))迅と雛の考えが一致する。

そんな迅と雛の思いは届かず、授業が進んでいく。


「おまえ、めっちゃ体やわらかいんだな・・・」

「でしょ?べた~って床につくのもよゆうよ?」


今は開脚した雛の背中を迅が押している。


「はい、次はあんたの番」

「優しく頼む」


雛ほどではないが足を開脚する迅。


「押してくれ」

「分かったわ」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・ッ」

「もう少し強く頼む」

「や、やってるわよ!」


迅の身長が高いうえに体格ががっしりしているため雛の力ではうまく力が加わっておらず、全然、迅は前に倒れない。


「・・・・・こうなったら!」

「・・・・うおっ」


急に背中が重くなって驚く迅。


「・・・・おい、それはありか?」

「あ、ありよ!仕方ないじゃない!」


自分の力じゃどうしようもないと思ったのか雛は迅の大きな背中に飛び乗った。


「踏まれると痛いんだが・・」

「靴ではふんでないわよ?ちゃんと膝で踏んでる。」


謎の理論をかまされる迅。


「よし、じゃあ、次いくぞ」

「分かった」


今度は背中合わせになって腕を組み相手の背筋を伸ばす


「ねぇ・・・・」

「なんだ?」

「・・・浮いてる」

「・・・・・仕方ない」

「足がぷらぷらできる」

「・・・・・よかったな?」

「よくないわよ!おろして!」


雛の足を地につけるためにしゃがむ。


「今度は私がやったげる」

「絶対無理だからあきらめませんか?」

「・・・・・・やるもん」

「・・・はあ」


しぶしぶ雛に従う迅。


「ん~~~~~ッ」

「ほらな?」


体格が違いすぎるためまったく迅の背中は伸びない。


「絶対、身長伸ばしてやる・・・・」

「まあ、がんばれ」

「あんたは縮め」

「無理ゆうなよ・・・・」


体育の時間はこいつの相手で苦労しそうだなやさぐれてしまった雛の相手をしながらこれからの体育の時間に覚悟を決める迅だった。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 雛ちゃん成分が...足りな...い...
[一言] ふと思い出したことが...小学校のとき、背の低い人と高い人が背中合わせるやつやってて高い人がのし掛かってて「潰れる!!縮め!巨人!!」って叫んでたのをなぜか思い出した... いつになったら…
[良い点] 確かに珍しい... というか背中合わせ浮くとそこそこ痛いですよね... 僕は体固すぎて痛いです... [気になる点] いや圧をかけられる前に行けよ...羨ましい...仲がいい証拠やん...…
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