親友②
如月と一緒に帰る約束をした次の日の朝。俺は学校に向かって登校していた。
「ふぁ~あ、ねむ・・・・」
昨日は何かとあったせいで疲れていたのだが女子と一緒に帰る約束をするという行為をふろに入りながら落ち着いて考えてみたら「あれ?俺、やらかした?」と頭の中で爆笑する悠を想像しながら後悔したのち、なかなか眠ることができなかった。
「ほんと、何してんだか・・・」
自分から誘っときながら、後悔するなんていう無駄なことをしてる自分にあきれている迅。もう、お疲れモードである。学校行きたくない・・・。放課後が不安すぎる。
「・・・・ん、じ・・・・」
「ん?」
大声でなにかを叫ぶ声が聞こえたのでその場で振り返る迅。
「じーーーーーん!おーーい!」
「・・・・朝からうるさいぞ。廉太郎。」
「何言ってんだ!朝はもう終わっただろ!」
「は?何言ってんだ?今、朝だろ」
「ぶふっ、迅、お前馬鹿だな~。朝は・・・・あさ・・。あれ?朝っていつまでのこと言うんだ?あれ~?」
朝からうるさいこいつは見場 廉太郎。俺の数少ない友達の一人。親友(2)ってとこだ。悠の時とは違ってこいつは初対面で「おまえ、めっちゃこえ~な!顔!」って言いながら近ずいてきたやつだ。
こいつの特徴はたった一つ。ただただ、馬鹿だ。マジで馬鹿だ。勉強ができないとかじゃないほうのバカ
普段は何も考えていないようなやつ。よって、発言もバカ。
「相変わらず、馬鹿だな。」
「なんてこと言うんだ!俺は馬鹿じゃねぇ!この高校だって受かったじゃねーか!」
そう。いったいどんな奇跡か知らないがこいつはここら辺でもなかなか偏差値の高い俺たちが通う「調宮高校」に受かったのである。勉強はどっちかっていたらできないほうのこいつが「なんだ?迅はちょうきゅう高校ってとこに行くのか?え?悠も?じゃあ、俺もそこ行く!」と馬鹿なこと言いだしたときは止めたのに結局、俺と悠の言葉も聞かず受験してまさかの合格である。
「なぁ?廉はテストどうやって解いたんだ?簡単だったのか?」
ちなみに、廉はこいつのあだ名。廉太郎は長いからこっちで呼ぶことのほうが多いい。
「いんや、なんもわからんかった!」
「じゃあ、何で受かってんだよ?カンニングか?」
「何言ってんだ?カンニングはしたらだめって常識だろ?どうやってやるんだよ?」
「いや、カンニングはしたらだめだけど、できないことはないだろ?」
「なにいってんだ?カンニングしたら落ちるんだぜ?椅子から」
「・・・・・・・」
落ちるのは受験であって椅子ではないと言おうかと思った迅だが、馬鹿に説明するのは疲れるのでやめ
た。それに勘違いしていても困ることじゃないし、
「まあ、それはいいや。で、結局どうやって問題解いたんだ?」
「へへ。実はなここだけの話なんだが、鉛筆が答え教えてくれてよ!その通りにしたら受かった!」
要するに、運で受かったということか、神はこの馬鹿に知能の代わりに運を授けたらしい。あほみたいなステータスだな。俺はもう知らん。こいつのことは考えないようにしよう。
「まあ、そんなことはいいんだ!それより、昨日はなんで休んだんだ?」
「は?普通に学校行ったけど?」
「なんで嘘つくんだ?別に面白くねえぞ?」
今のセリフにはカチンときた。こいつのことだから変な勘違いしてるんだろうが、馬鹿すぎてたまにむかつく。
「な、なんで嘘だと思うんだ?」
怒りを我慢して聞く。落ち着け俺。馬鹿に切れても解決しないぞ。がんばれ!自分を心の中で励ます迅。
「だって、いつまで待ってもお前クラスに来なかったじゃねーか。」
「・・・・そのクラスに余った席はあったのか?」
「?あーーーーー、そういえばないな。あれ?迅と悠の席は?おまえらいじめられてんのか?」
飽きれて声も出ない。クラスが違う可能性を考えなかったのか?このアホは。
「お前何組だ?」
「一組」
「俺たちは三組だ」
「なんでクラスが違うんだ?」
「知らねーよ。クラスなんてランダムだろ」
「な、なんだよ!俺たちずっと一緒のクラスじゃねーのか!?俺ボッチじゃねーか!」
「どんまい」
崩れ落ちる廉太郎。一緒のクラスになれなかっただけで世界の終わりみたいな表情だ。こいつ、この高校落ちてたらどうなってたんだろうか?・・・・・考えないほうがよさそうだ。
「クラスが違うくらい大したことないだろ?」
「何言ってんだ!クラスが違ったら困るだろ!」
「なんで?」
「迅とか悠が困ってるときに違うクラスだったら気づけないかもしれないじゃんか!お前らの手伝いとか手助けしづらいだろ!」
「・・・・・」
一片の迷いもなくそう言い切る廉。そう、この通り、廉は馬鹿だがめっちゃいいやつだ。一緒にいると気持ちがいいし楽しい奴だ。馬鹿なのが玉に瑕だが。中学の時も、俺が怖がられていると感じたらさりげなくフォローしてくれたり、係の仕事を当たり前のように手伝ったり、ありえないくらい友達思いだ。馬鹿なのにめっちゃ空気読むのがうまいのである。
「それに、お昼どーすんだよ!ボッチ飯なんて死んでも嫌だーーーーー」
「・・・・はぁ。飯のときはうちのクラスにのときは来て一緒に食べればいいだろ?」
「ほんとか!なんだ、心配して損したぜ!」
「ほんと馬鹿だな」
「だから!俺は馬鹿じゃねぇ!」
こんな奴だがこいつとは出会えてよかったとしみじみ思う。馬鹿なくせにとても頼れる俺の親友だ。
「あっ!何か困ったりしたらちゃんと言えよ?何が何でも助けに行くからな!なんたってお前らは俺の親友だからな!」
ものすごく笑顔ででそう言う廉。悠といい廉太郎といい俺は最高の友達に恵まれたらしい。
「ああ、わかった。頼りにさせてもらう」
「おう!」
そう言ってこぶしを突き出してくる廉。それにこぶしを突き返す迅。がっちり合わさったこぶしを見て廉は満足そうに笑った。迅もそんな廉を見て自然と笑みがこぼれた。
迅の放課後への不安な気持ちはきれいに消え去っていたのだった。
馬鹿で優しい親友キャラめっちゃ好きです!リ〇ルバスターズ!見てる人はわかるかも?
まさとー!、けんごー!、きょうすけー!w
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