究極の腕時計の宣伝に注意! GPS腕時計で本当に究極と言っていいのはG-SHOCKのGPW-2000シリーズだけ!
GPS腕時計。
究極の腕時計と称してセイコーから発売され、順次、他の国産メーカーも追随してそのような腕時計を出した。
安倍首相が東京オリンピック誘致の際に見につけていて自慢していたアレだ。
記憶が間違っていなかったらオバマにプレゼントしてたかな。
きっと大半のなろう読者は「いやスマホで十分だろ?」とか思うかもしれないのだが、GPSソーラー腕時計の最大の魅力は「人工衛星さえ空に存在し、電波が送れる状況なら携帯電話が使えないような海のど真ん中でも時間補正が可能」という魅力だ。
携帯電話が使えない場所で時間補正ができる、つまりは「地球上どこでも空が拝める場所なら正確な時刻を刻むことが出来る」ということで「究極の腕時計」として宣伝される。
正直言うと「カーナビ」や座標を表示するポケットGPSの標準機能であるが、ソーラー電波時計という事を考えたら充電などが不要であるため確かに時計としては究極かもしれない。
だが実は題名で記したカシオのG-shockこと「GPW-2000」以外にはとてつもない弱点があった。
正直言って、「カシオだけが筆者の願いを聞いてくれた」レベルの酷い弱点があるのだ。
今回はそれについて語ろうと思う。
時計といったらG-SHOCKというのは90年代を生きた者なら少なくないと思う。
G-SHOCKは背伸びしたい男子の憧れの的であり、GTOでも手に入れるために修学旅行の金を横領するというようなエピソードがあるぐらいだ。
それはこち亀でも取り扱われるぐらい流行した。
そんなG-SHOCKは、斜陽といわれるデジタル時計市場においては唯一今でも息が続いているシリーズの1つだ。
スマートフォンや携帯電話がある現在、時刻はそれらを用いれば十分であり、腕時計はこち亀で両さんが嘆いていたように「2000年代に10年後は携帯電話と融合するかとおもったらアナログ時計がファッション用として重陽されるようになった」
スウォッチグループを代表に、様々なアナログ時計がちょっとした会社員のステータスになってたりして、やれ「手巻きだ!」「自動巻だ!」と騒がれている。
しかし実用性一辺倒で生きる筆者のような人間にそんなモノは必要なかった。
筆者が求めたのは文字通りセイコーのアレのような存在だ。
その腕時計を購入してすぐさまその弱点を知って売り払い、7万という信じられないぐらいの勉強代をセイコーエプソンに支払うことになったことは別の話。
一体GPS腕時計に何の弱点があったのか。
それは「その地域の標準時刻が更新されると時刻の自動修正が不可能」という「は?」という言葉しか浮かばないような弱点だった。
標準時刻。
日本はそれが定められてから今日まで一切変わっていない。
だが地域によっては1年に数回変わってしまうような国が存在する。
ロシアなどが有名だ。
これはいわゆるサマータイムなどではなく「標準時刻」が更新されるのである。
中東やアフリカ諸国などでは紛争などで国境の位置が変わったりするために同様のことが起こったりする。
そのため、標準時刻をアップデートできないというのは日本では困らなくても世界では困るのだ。
それが20万近くする腕時計に搭載されていない。
おまけに「アップデートサービス」というのもない。
まさに「まやかしの究極」であった。
実は私は仕事の関係でセイコーやシチズン、そしてカシオの社員と話す機会があった。
その時私は上記問題から「これは大問題でしょ」と言って改善を求めたのだが、セイコーやシチズンの者たちは耳を傾けることすらせず、「あーそうですねー」と私の言葉を横から横へと流して言った。
一方カシオは「実は海外のお客様から同様の希望があり、それに対応するよう誠意努力中」と聞いたのはGPW-2000が発表される半年前のこと。
日本メーカーではカシオだけが真の意味で「究極とは何か」を理解していた。
実はカシオはGPS腕時計の前段階の時点でこの問題をある意味で解消させていたりする。
それはモバイルリンクだ。
モバイルリンクはあくまでスマートフォンを用いなければならないのだが、これによって時刻修正が可能だ。
モバイルリンク搭載G-SHOCKは腕時計用の電波が届かなくともこれによって時刻補正が可能である。
ただしこれは「スマホが通じる」場所でなければ意味がなく、スマホありきの腕時計になっていた。
また、時計のアップデート機能というのはその時点のモバイルリンク搭載腕時計にはない。
なぜなら「アップデート」する部分が存在しないからだ。
これらは通常の電波ソーラー時計にBluetoothを搭載した代物。
電波時計は電波によって時刻補正をするだけなので、上記アップデートは必要ない。
紛争のあるような地域で時刻が入れ替わっても、電波を飛ばす地域を入れ替えればいいだけだからであるし、そもそもそんな場所に電波は飛んできていない。
この時点で次の進化を予想していた筆者は。
「これを間違いなく有効利用してくる」と思っていた。
そしてGPW-2000の発表。
こいつが究極たるゆえんはまさに予想通りであり、「モバイルリンクを用いて内部データをアップデート、座標データと標準時刻データを順次更新、さらにデータ管理も可能」という時計とスマホの独立性は確保しつつ、スマホで時計をアップデートすることで「時刻の自動補正が働かなくなる」という弱点を
見事克服。
その話を聞いた瞬間、頭の中では「あ、これは早く買わないと」と思ったのだが、最初のロットが即効売り切れるレベルに売れてしまい未だに手に入っていない。
定価10万以上もするこの腕時計はまさしくG-SHOCKの1つの完成系であり、カシオが自信をもって「現時点での到達点の1つ」と言うだけある。
G-SHOCKらしい頑丈性はきちんと備えており、クオリティも国産メーカーらしいものに仕上がっている。
問題点を挙げるとすれば、筆者にとってG-SHOCKとは「液晶」の「デジタル時計」なので、「アナログ時計」なのが気に入らないのだが、これには理由があった。
それは電池消費の激しいこの腕時計で「ソーラーGPS電波通信時計」にするためには、ソーラーバッテリー部分の面積をとにかく稼がねばならず、液晶画面では供給不足に陥いってしまうためだった。
一見すると「アナログの方がバッテリー消費が激しい」ものの、「時計板のほぼ全てがソーラーバッテリー」であるため、デジタル液晶よりも効率がよくなるわけである。
筆者としてはデジタル時計が欲しいなと思うが、その前段階でコイツを評価して買おうとは思ってる。
やたらめったら手間がかかるバイクのおかげでお金に困ってるがな!
最後に話をまとめるが、GPS電波ソーラー時計を買いたいとおもったら、現時点ではGPW-2000以外は買うなと言いたい。
シチズンの時計の精度が悪いわけでもセイコーの時計の精度が悪いわけでもない。
「その中にある仕様の1つ」が悪いのだ。
そこにいち早く気づき、それに対応したカシオが凄いのだ。
GPW-2000はGPS腕時計の中では比較的安いにも関わらず、頑丈で上記のように腕時計の機能としては本当に洗練されている。
実用性一辺倒を求める男には現時点でこれしか選択肢はない。