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8話 この異世界は魔法は…

 勉強と学習という言葉がある。

 一見、この2つの単語は似ているようだが、意味は違う。

 勉強は「学問」だけを習うのが勉強で、学習は「様々な出来事」から習うのを学習の事を意味する。あとはWikipediaを参照してくれ。まあ、ようするに学習は犬や猿といった動物もできるが、勉強は人間にしかできない事のひとつのうちってわけだ。

 

 「ちょっと聞いてるの?」

 

 姉様は机を叩き、聞いていた。張り切っているのか伊達メガネを掛けているが、とても似合っているため触れないでいる。

 えっと、なんだったっけ?やべーな。正直姉様の話聞いていなかったな。うっすらとこの国についてのどうとか、言ってたっけ?わかんねぇ…。

 「あ…。えっと…。なんでしたっけ?」

 「はあ…。これだから、厄介者なのよ。」

 まさしくぐうの音も出ないってのはこのことか。

 

「今はこの世界の事について話していたのよ。まったく。」

 「いい?この世界は5つの国で別れているの。まずアインス王国。そして、エルティ王国。トゥーワナ王国、エーカム王国、シネブ王国。この5つよ。ここまでわかるかしら?」

 「まあ…だいたい。」

 なんかバカにされている感が半端じゃないが、この世界は5つの国だけしかないのか。狭い世界だな。そんなに狭かったら小競り合いとかはないのだろうか。

 「戦争とかなかったのです?争いとか。」

 「昔は酷かったと聞いているわ。だけど今は協定が結ばれているから、今のところはないわ。」

 そうなのか。まあ今は平和って事を確認をとれただけでも十分か。

 

 「さて、世界の話はこのくらいにして次は魔法について話しましょうか。」

魔法!?魔法だって!?

 世界の話があまりなかったような気がするけどもどうでもいい。ついに異世界らしくなってきたな。テンションが上がってきた。

「まず魔法は火、水、風の3種類が存在するわ。」

ほう。いたって普通のオーソドックスの3つだな。

 「一般的な主流は火で、戦闘はもちろん日常生活にも使用される、幅広い魔法よ。上級者になってくると水が使えるようになるわ。水は戦闘向きね。日常生活ではあまり使われないわ。水が無くなった時ぐらいしか活用方法しかないもの。けど水を極めると氷も扱えるようになる。特典付きよ。そして、風はごく一部の人しか使えない魔法よ。私もあまり風の魔法は見たことないのだけれど、間違えなく火や水の魔法より遥かに強力なのは確かよ。最も風の魔法が知りたければ、後からリュシル様に聞いたら良いわ。リュシル様は扱えるからね。」

 リュシルすげえな。ごく一部の者しか使えないという風の魔法を使えるのか。後で見せてもらうとしよう。

 ちなみに姉様はどの魔法をお使いなさるのだろうか。

 「ちなみに私は火専門よ。」

 うん。そんな、カッコよくおっしゃてもね遠回しに火しか使えないって言っているようなもんですよ。姉様。…そっとしておこう。

 「ちなみにユユちゃんは?」

 「ユユは氷まで使えるのよ。凄いでしょ。」

  へー。確かに凄いな。けど、さっきから妹のユユのスペック高くないか?多分今ごろは1人で夕食を作っていると思う。それはさっきの厨房にいった際に気づいたことだ。なんせあの時、ユユ1人だけがエプロン姿だったからな。

 「取り敢えず、ちょっとした火の魔法を見せるわ。そこの棚のなかにある蝋でできたクーロを持ってきなさい。」

 えっ。マジ?見れるの?けどクーロってなんだ?取り敢えず棚のなかを見るか。

 ……。蝋でできているんだろ。これか。ロウソクか。

 「これですか?姉様。」

 「そうそれよ。よくわかったわね。クトイのクセに。」

 最後の一言さえなければいいのにな。ホントに。まあいっか。さて、このクーロを立ててっと。姉様のほうを見た。姉様はクーロの先の部分を指を差している。

 そして、ふっ。と力を込めるように息を吐き出すと、指を指している部分から、小さい火の玉が出現し、クーロの先端にある綿糸へと火の玉が移動し見事にクーロに火がついた。

 凄い。さすが魔法。ファンタジーだな。そう感心した。

「これくらいの事は誰でも出来る事よ。できて当たり前。基本かつ基礎なる魔法よ。やってみて。」

 いや、やってみて。と言われましてもですね、無理ありません?やり方もわかんないし、だいたい俺は異世界人のわけだし。

 「イメージするのよ。自分の手の先に小さい火の玉がある。そんなイメージを。」

 なんだ、そんな思い込みをすればいいのか。簡単じゃないか。いつもやっている事だな。よし。

 「………。」 

 「………。あの、イメージしていますが、なにも出ませんけど。」

 しっかりイメージはできている。なのに何故だ?

 「…。おかしいわね。…そうだわ。試しにこの石を持ちなさい。」

 姉様が持っている石。凄いな。結構明るく光っているぞ。さすが異世界。

 「この石はリガに反応して光る石で、リガっていうのは魔法の元となる力のことで、生命力にも関係してくるのよ。」

 と、いうことは光れば光ほど生命力があり、強力な魔法が使えるってことがわかるのか。なるほどね。

 さて、持ってみるか。

 「…………。なにも光らない。」

 あれ…………。おかしいな。光らないのですけど。

 「あ、あのこれ一体どうゆう…」

 「死人ね。」

 …でしょうね。言うと思っていましたよ。

しかもその目止めて。そんな哀れな目で見ないでください。

 「…私。始めて見たわ。石が光らない人を見るなんて。はあ。ホントにどうしようもないわ。流石ね。クトイ。」

 誉められてもまったく嬉しくない。

 「この世界で魔法が使えないと正直者言って死んでるのも当然よ。」

 ダメ押しの一言を貰い、もう俺はこの異世界生活が終わってしまったと確信したのであったーーーーーーーー。

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