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3話 異世界召喚

解放感------。

 

誰しもがあるだろう。

 

我慢してずっと我慢してのこの解放感。

快感とは別の快楽がある。また、この手の解放感は安心感も与えてくれる。

 

そして、俺は今その絶頂期にいる。

一歩でも遅かったらOUTだった、そのギリギリもいいところだった。

 

 

「は~~~~~。」

 

圧倒的解放感で思わず声が出てしまった。

やはりこの解放感は半端じゃない。超すっきり状態だ。

 

出すものは全て出しきってすっきりしたので手を洗おうと手洗い場へ向かった。


が、どうしてもさっきからずっと用を足しているときから引っかかっていることを言わせてもらおう。

 

 

 

「ただの無駄遣いじゃねーか!!」

 

 

 便器はもちろん、扉や手洗い場の蛇口までが金色に輝いている。

ここまでやるかと。トイレだぞ。

たかがトイレなんだぞ。

確実に億単位は逝っているだろ。

非常に使いづらかったぞ。

てか、こんなところに使わずに、もっとなんか別の活用法があっただろ。

絶対考えたやつバカだろ。とある監督が一から作り上げたと言っても過言ではない作品を売れたし、もういらないって切り捨てた制作会社並みにバカだぞ。まったくどうかしてる。

 

そう思いながらその金色に耀くドアノブに手をかけ、黄金のトイレを出て、また黄金に耀く廊下へと出た。

 

 そしてそこには、何故か申し訳なさそうな顔をしているリュシルが待っていた。

 何か言いたいけど言いにくそうにしているのが表情から伝わってくる。

 うん…。この場合どうすればいいんだ。

 何か言ってくるまで待つべきなのか?それとも何か言ったほうがいいのだろうか?

 

 ……。誰か、教えてくだあい。お願いしますからあ。

 

 「……その…。…言いづらいのだけど、こんな黄金ばっかりにしたのはアインス王国国王。そして私の父の見栄っ張りが理由なの…。」

 

 ………。

 …さて、そろそろ起きるか。とりあえず、顔を叩いてみるか。

 

 数回、両手で顔(正確には頬だか)を叩いてみた。

 

 …痛い。

 あれ?

 おかしいな。痛いぞ。しかも叩いた感覚もある…。

 おかしい。おかしいぞ。うん。

 今度はつねってみるか。……痛い。やっぱり痛い。

 あれー?おかしいな。色々と試してみるか。

 

 「…そんなことをしなくても貴方は覚醒状態だし、現実だよ。…それ、痛くないの?」

 

 痛いよ。そりゃ前にネットで気絶した人の起こし方を調べていた時があってちょっと今実践しているからね。

うん。


……ホントニゲンジツナノ?ホントナノ?シンジテイイノ?シンジルカラネ。

 

 俺は今こうして金色に光っている建物、そして目の前にいる白髪美少女リュシル。

 この全てが事実である、なおかつ俺がこの確か王国だっけ?にやって来た事実を受け入れて俺はこの言葉を述べよう。

 

 

「異世界召喚きたーーーーーー!!!!!」

 

 


その声は廊下中に響き渡り、ある人物が居る部屋まで響き聞こえた。そして、その人物は答えるように、

 

 


「ようこそ、アインス王国へ。……イクト君。」

 

 


ただ独り言のように呟いて、日課であるアザミの水やりを続けた------。

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