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2話 夢なのか、はたまた現実なのか

 フラグという言葉がある。

 

 意味は、確かWikipediaでは小説・ドラマ・漫画・アニメ・シミュレーションゲーム等のストーリーにおいて、後に特定の展開・状況を引き出す事柄を指す用語である。伏線と同義であるものの、フラグは比較的単純で定型化された「お決まりのパターン」の含意がある。

とかが書かれていたよな。てか、ホントWikipediaは有能。うん。

 

 そして、フラグ回収という言葉もある。

 これもWikipedia先生によると……あれ?載ってたっけ?記憶がねぇな。後で調べておこう。まあ、意味はどうせ文字通りだろうけど。

 

 そんなわけでそんな2つの言葉がある。

だが、その2つの言葉が成立するのはホントに稀だ。

てか、そもそもアニメとかドラマではありがちだが、実際に成立したことは一度も俺が生きている間はそんなのなかった。

 

 それなのに。それなのに。

 

 確かに、あの時、確かにフラグは立てたよ…。うん…。

けど、そんな非現実的なことが起きるなんて思ってもいないし、はい。夢でした~。とかのオチだろ。どうせ。

 疲れすぎて寝ているのに気づかずにこうして、現実と勘違いしているだけだ。そうだ。そうに違いない。

 ……けど悪くないよな。こんなクソなところで生きているからこのような夢見たってバチは当たらないでしょ。

 

とりあえず名前聞かれたから名乗っておくか。

 

「俺の名前は青木郁人…。」

 

「へぇー!イクトっていうんだ!じゃあよろしくね。イクト。」

 

「お、おう。」

 

 やべぇ…。やべぇぞ…。

 いきなり下の名前で呼んでくるとか…。馴れてないからちょっとときめいちゃたぞ。

 てか、女の子に下の名前呼ばれたのっていつぶりだ?

 んー。軽く10年は逝ってるな。

 …そう考えるとなんか…悲しいな…。


 ま、まあそんなことより色々と疑問があるから聞いてみるか。

 

「ここは一体…?」

 

「ここはアインス王国よ。さ、こっちへ来て。」

 

 また1つ疑問を聞くのが増えたが、とりあえず今は、言われるがままに「こっちへ来て。」と言われたからそっち行こう。

 

と、1歩踏み出したと同時に後ろにあった元いた世界に繋がっているトイレのドアが消滅した。

 

 …なるほど。これはまた色々と都合いい夢だ。

 これでまた1つ疑問ができてしまった。まあ、それも後から聞けばいいか。

 今は、この美少女について行くこととしよう。

 

 なるほど…ここは書庫だったのか。

 確かに何か古本屋の臭いがするなと思っていたが、この量は凄いな。5メートルぐらいの高さのある本棚に本がずらりか。しかもいくつも。

 1冊1冊の本の分厚さと来たら、壮絶なストーリーのパラパラ漫画が書けるくらいの厚さだ。

 読んでみたいとは全く思わないのが、それなりの内容が書かれているんだろうな。

 

 それはさておき、純白の美少女。

 確か…名前はリュシルだったかな。あまり名前が合っているか自信がないけど。

 その子は一体どこへ連れていくのだろうか。

 今は書庫の通路を歩いているが。


「こっちよ。」

 

あ、書庫から出ちゃうのですね。わかりました。

ほう…。凄い廊下だな。屋敷みたいなゴージャスな廊下だな。てか、ここ屋敷じゃね?

だってめっちゃ照明や壁、床までが金色でピカピカしてるよ!

…正直無駄遣いだと思うが。

 

ん?白髪美少女のリュシルがこっちを見てる。

 

う…うん。…あ、焦っちゃう。焦っちゃうよ。

だって美少女に見つめられるとか慣れてない、いや今まで無かったからね。

う、うん。こ、この場合どうすればいいんだ。

 

 「そんなにあたふたしなくても大丈夫よ。今から、イクトをこの地に召喚させた人にいくだけよ。

…大丈夫?今度はなんかモジモジしてるけど。」

 

 あ…あのですね。俺、気づいてしまったのですよ。あの、美少女に免疫が無くてテンパってしまったのですけどね、こっちは限界が来ているわけですよ。

 確かにとても重要なことをこの子は言った。言ったけどね、もっと重要なことに気づいてしまったのですよ。

 

 それは…。

 

 「すみません。トイレどこにありますか?」

 

 そう。

 俺は今すぐに漏れそうなくらい限界が来ていて物凄くトイレに行きたいのだ。


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