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1話 非常識

俺は思う。

 

人は何のために頑張るのだろうか…

 

 

大切な人のため。

 

幸福を得るため。

 

自分のため。

 


といった答えがあらかただろう。

 

じゃあ逆に聞こう。

 


大切な人がいなかったら?

 

幸福がこなかったら?てか、幸福ってそもそも何?

 

自分のためじゃなく、会社のためだと気づいたら?

 

 

だから、俺は思う。

 

人は何のために頑張るのだろうか。

 

 薄っぺらい表面だけの事だけで頑張れるのだったら、どんなに単純な生き物なんだと。

 

だから、俺は思う。

 

 

もう頑張れないと。

 

 

社会は理不尽と偽りと偽善者しかいない。

 

正直言ってクソだ。


才能がありすぎたら疎まれ過ぎて除外され、自分に都合が悪い事が起きたら聞いてないと言い張る。成果を出しても手柄は持っていかれ、評価はされない。世間は休日でも、お構い無しの仕事。


そんなクソ社会を象徴する言葉がある。

          

           『社畜』

 

意味など知っていると思うが、一応言っておこう。

 

社畜とは?

 

 主に日本で、社員として勤めている会社に飼い慣らされてしまい自分の意思と良心を放棄し奴隷(家畜)と化した賃金労働者の状態を揶揄したものである。

 

 素晴らしい言葉だと思う。

 まさしく、その通りだ。

 見事なまでに会社に飼い慣らさせている。

 

 そんなにクソだったら辞めればいいじゃないか!と、思うがそう簡単にははいかないのが社会だ。

 だいたい、そんな簡単辞められたら、この社会は成り立ってないと思う。

 

 この世の中には自由に生きている人がいるが、必ずその犠牲になっている人が絶対にいる。

 

『自由を得るためには何らかの犠牲はいる』

そんな言葉があるほど、その犠牲も存在する。

 

そして、俺はその犠牲者の方だ。

 

 まだ、こうして自分の意志を放棄してないと思うから完全なる社畜になってないと思うが、もう時間の問題となっているのを自覚している。

 

結論、何故こんなクソな世界に生きるわけがわからない。

 

 

「はぁ…疲れた。…帰るか。」

 

 今日の仕事がやっと終わり、PCの電源を切って、自分のデスクから正面にある壁にかけられている時計で時間を確認する。時計の針はちょうど2時を指していた。

 なんだ、まだ25時か。昨日より1時間速いじゃねーか。

と思いつつ、テキパキと帰る準備をした。

 

ちょっとトイレをしたくなって椅子から立ち上がりトイレの方へと行った。

 

ええっと、明日は資料作成と打ち合わせと…。

 

ん…?


ちょっとまて。


俺はなに考えているんだ。

やっと仕事が終わったのにもう、仕事のことを考えいるとか、仕事に追われ過ぎるだろ。

 

 そんなことを考えながら、オフィスを出て会議室の隣にあるトイレへ行くため廊下へといった。

 もうこんな時間であって廊下の照明と今さっきまでいたオフィスの照明の光しかなく、どことなく寂しさがあった。

当たり前のことだが、今、会社にいるのは俺しかいない。

 

 もういっそのこと異世界転生とかしないかな…。

 …流石にいくらなんでもないだろ。はぁ…。

など考えながらトイレのドアノブに手をかけて、ドアノブを引いた。

一瞬とてつもない光が差し込んだが、一瞬だったため気のせいかと思って正面を見た。

 

 


「は?」

 

 

目を疑った。

 

 ついに目までもイカれてしまったのか。そうだ。そうに違いない。いや、そうしかないだろ。こんなこと絶対にあるわけないんだから。

 

だって…。



だって…。



だって…。

 

 


「こんにちは!私は、リュシル。あなたのお名前は?」

 

 


 白を基調とした可憐なるドレスを身にまとい、透き通るような声とロングの白髪がとてもお似合いな顔立ちをしている、美少女がこうして目の前に立っているのだから…。

 

ここがどこで、彼女が何者でどうしてこうなったのか。

 

偶然なのか、それとも奇跡なのか、はたまた運命のイタズラだったのか。

 


 青木郁人という人物の人生の歯車が大きく狂い始める、原因となる歯車が今、動き始めた---------------。

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