第二話「変わらぬ日常」
――キーンコーンカーンコーンッ
音が大きく響き渡り、
その直後殆どの生徒がが席から立ち上がりそれぞれの動き始める。
もう昼休みだから皆嬉しそうだ
私もその中の一人で、早速友達の元へと向かう。
「鈴、ちょっと…」
「惚気?」
「…何で、分かるの」
私が多少照れながら素直に言うと彼女はハァ…と溜め息を1つ。
「ひよりは?」
すると彼女は私の代わりに同じ友人のひよりを身代わりに出して来た。
「ひよりは…、話の意味が分かんないらしいから」
「…じゃあ逢坂君」
「本人に惚気けてどうするの!!?」
「爆発しろ」
その軽く殺意の乗った声は私の心臓を大きく高鳴らせる。
いやドキドキだけど違う意味のドキドキだよコレ…
「まーちゃん、りっちゃん。お昼食べよ」
そんな所に優しい笑みを浮かべ来たのはひより。
それを聞き鈴も椅子から腰を上げる
「今日は、どこで食べる??」
「中庭が良いんじゃない?」
「そだね。もうすぐ夏だから今の内に外で食べておこっか」
教室を出る際、私はつい教室で千秋の姿を探す。
「千秋ー!湊人ー!飯食おうぜ!」
「将貴君、急に抱きつかないで…。心臓に悪い」
「湊人は弱すぎなんだろ?」
教室の中、何時も通り男友達と仲良く笑い合う姿を見つけた。
坂月君と一条君、
ムードメーカーと奥手な彼らは正反対だけど意外と仲が良い
そんな事言ったら男前な鈴とおっとりしたひよりも正反対だけど仲が良いよね。
「ふふっ…」
「何、いきなり笑いだして…」
「引かないで!ただ、…二人に会えて良かったって思っただけだから!」
きっと私の頬は微かに赤くなっているだろう。だって熱いし…
「私も、二人と会えて嬉しいよ」
「ひより…」
「私も、アンタ達と馬鹿やれて楽しいよ」
「鈴も…」
その言葉に私は柄にも無くうるっと来てしまった。
「まぁ惚気は勘弁して欲しいけど?」
「あ、上げて落とすタイプでございますか…」