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憂鬱会長のタイムリープ 〜 未来予知って怖くね?

目覚ましがなった

あぁ...またいつもの日が始まるのか...

私は峰岸 文、生徒会長をやっているのだが...

「おい、生徒会長、マジメ(笑)なんだから掃除やれよ。」

「マジメ(笑)なんだから俺らの宿題もやれよな。」

マジメな奴をうまく利用する奴らが増えた。

もちろん私も...いや、ほとんど"私が"標的だ。

役員会では、何かいい案は無いかという議題で持ち切りだった。

そして今日も何も浮かばず、一日が終わる

...今日は2月26日、もうすぐ卒業。

卒業すればもう生徒会長なんてやらずに済む。

そう思っていた。

しかし...

ーーー

「...さん!文さん!」

...!....こ...ここは...?

「大丈夫?文さん、体育で頭を打ったみたいだけど...」

「...そう...なの...?」

「とにかく今は安静にしていて、ね」

ここは中学校の保健室のようだ。

...ん?待てよ?さっきまで下校途中だったはずなのに...

時計はAM8:42を指している。

...!?ま、まさか...!

カレンダー!!

2014/2/26...

....2年も...前....?

「先生、今って何年ですか!?」

「何言ってるの、2014年でしょ?頭打って記憶が飛んだのね。もう少し寝ていなさい。」

.....本当に...2014年...なのか...?

いやいや...きっとちょっと大規模なイタズラに違いない...!

それから2時間ほど寝ていたようだ。

「文さん、もうすぐ3校時よ、起きて」

...周りの様子は特に変わってないし...もうすぐ夕方だけど外はまだ明るい...

...これは本当の...タイムリープ.....?

「...先生」

「ん?」

「もし私が...タイムリープした、って言ったら笑いますか?」

「.......もう少し寝たほうが...」

「本当なんです!」

私は信じてもらえないと思ったが、事情を話した。

「...実はその未来だと思ってたのが夢だったとか。」

「いや...物凄くリアルで...」

「じゃあ今見ているこれが夢。」

「いえ、さっき寝て起きたし、更にこっちもリアルなんです...」

.........

1分ばかりの沈黙が続いた。

「とりあえず今日は授業に戻ろうか。みんな心配してるよ。」

「......はい...」

ーーー

1-3の教室へ連れていかれた。

二年前の教室、"私が過去に戻った"ということ以外は、何も変わっていない。

そうだ...2/26...たしかこのあと...!

「おい、そこのチビ!」

「.......」

「おい、何とか言えよ!!」

不良は生徒を蹴り飛ばした!

そう、いじめだ...!

ここで私も友達も、何も言うことも出来ず、黙っていた。

それどころか、「私が一番近くにいたのに助けなかった」といじめの対象に。

そしてこのいじめられっ子は一週間後に自殺をしたんだ...

...ここで不良を止めなきゃ。

自分がいじめられるからじゃない、いじめられっ子の命を守る為でも...!

何かあればもう一度戻れるかも...いや、戻れる!

「ちょっと、そこのアンタ。」

「アァ!?何か用でもあんのか?」

「その子、離しなさいよ。」

「....ブッ.....ハハハハハ!!!」

「....何がおかしい...!!」

「この俺に説教なんて...百億光年はえぇんだよ!!」

バシッ!

「文!!」

「...助けるべきはあの子よ」

「おうおう、いい子ぶっちゃって」

「虐めてる本人に言われたくねぇよ」

私は思いっきり腹に蹴りを入れた。

「ぐはぁっ!!」

「骨は折れない程度にしといたわ。多分ね。あと、「光年」は時間の単位じゃないから。ちゃんと勉強しなさい。」

教室からは歓声が起こった。

そして私と不良と生徒は一緒に校長室へ向かった...

...それから何の問題も起こることなく、1年生の生活は終わった...ようだ。

ーーー

二年生になってからちょっと。生徒会選挙の時期だ。

もちろん私は会長をやる気はない。

と言うかもう役員すらやる気はない。

「文ちゃん、生徒会長やりなよ。」

「やらないよ、私なんかよりずっと向いてる人がいるもん。」

と言うと、小さな舌打ちが聞こえた。

「生徒会長」という理由を付けて利用しようとしていたのだ。これが本心。

私は飛鳥を睨んだ。

「あ、あれ?さっきの舌打ち?何か鳴っちゃってさ」

「あ、そ。」

敵を増やすのは良くないが、敵と分かっている者を近くに置いておく訳にはいかない。

....

元はといえばあの「吉井先生」が強要するからこんな酷い私が生徒会長になったんだ。

選挙が少しずつ近づく。しかし、まだ募集は締め切ってはいなかった。

そんな時、吉井先生に個人で呼び出された。

無論、断るつもりだ。

「...何でしょうか。」

「君が一番向いていると思うんだ。ぜひ、生徒会長に...」

「なりません。」

「即答...か。」

タイムリープの事を話した。

信じてもらう気はなかったが。

「はっはっは、それは楽しい夢を見たね」

「夢じゃないんです!本当なんです!」

やはり、信じてもらえない。分かっていても少し頭に来るものだ。

「嫌な事を無理やりしてほしいとは言わない。」

「無理に、とは言わない。もし心変わりするなら、自分でやるかどうか決めてくれ。」

...昔.......確かに、そう言われた...!

あの時、吉井先生に...!

『本当に...私がやらなきゃいけないんですか...?』

『無理に、とは言わない。他人の人生に口出しはできないからね。やるかどうか、それは自分自身で決めてくれ。』

...自分で......この道を選んだんだ...

私は、選挙室へ向かった。

..............

「何だろう、この小説。だいぶ古いみたいだけど...1985/2/26...?日にち今日じゃん。」

まぁいいや。早く行かないと遅刻だぁ...

私は峰岸 文、生徒会長。

今日も憂鬱な気持ちで学校へ行く。

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