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ある少年と少女の助け合い

作者: 村人A

ぱっと思いついて、ぱっと書いた作品ですがぜひぜひどうぞ。

 自分のことがわからない少女と平凡な少年。

 少女は少年に願った。「私を    」と。

 少年は少女に叫んだ。「君を    」と。

 


 彼女は孤独だった。周りに避けられているなどではない。

   『周りに姿が見えていないのだ。また、声も周りに聞こえない。』

 山奥にひっそりと建っている小さなかわいい家。そこに彼女は住んでいた。山から見える村の人たちは彼女のことを知らない。当然だ。彼女のことが見えないのだから。彼女は誰にも聞こえないとわかっていながら毎日毎日叫ぶ。

「私を見つけて。誰でもいいの。お願い。お願いだから。」

 しかし、そんな叫びはかき消されていく。誰の耳にも届かないまま。


……そのはずだった。


 少女は泣きながら家に戻る。

「ああ。また誰の耳にも私の声は届かないのね。毎日毎日叫んでもだめ。もう諦めようかしら。叫ぶのも、人生も。でも自分で死ぬのは怖い。それなら…誰かが殺してくれればいいのにね…。」

 これも、いつもの独り言のつもりだった。

「死ぬなんていっちゃいけないよ。世界はこんなにも輝いているんだから。」

 突然後ろから少年の声が聞こえた。

「誰!?…わ、私の声が聞こえるの?私の姿が見えるの?あなたは…。」

 少女が振り向き、少年を見つめると少年は微笑んだ。

「当然じゃないか。見えなかったら目が合ってないはずだし、会話もできていないはずだろ?」

 少女はうれしかった。自分の事が見える人がいるのか。自分の声が聞こえる人がいるのか。そして、人と話すということはこんなに楽しいことだったのかと。

「ありがとう。あなたは私を救ってくれた。本当に感謝しているわ。…本当に、ありがとう。」

「お礼を言われることじゃない。というか僕は謝りにきたんだ。

 僕はそこの村のやつでさ。君のつらそうな声が毎日聞こえていた。だけど、君を助けに来るのがこんなに遅くなってしまった。ごめん…ごめん。」

 そう言って少年は泣き出した。


 少女は少年を強く抱きしめた。

「大丈夫よ。私はあなたがきてくれたおかげで今までの苦しみが全部なくなったんだもの。

 …そうだ。今日の朝、私が焼いたケーキがあるの。一緒に食べましょう?一緒に食べてくれたらうれしいわ。」

「もちろん!」

 少年は笑顔で少女に答えた。


 それから少年は毎日少女に会いにきた。しかし、徐々に少年には傷ができるようになっていった。

 しかし、少年は「転んだ」と言い張るだけだった。

「傷はだいじょうぶ?本当に転んだだけなの?毎日新しい傷ができているわ。」

 少女が少年に聞いても少年はいつも同じ答えをかえす。

「大丈夫だよ!」

と。

 少女は決意した。傷の原因は何なのかを突き止めようと。

町へ出て少年を探した。少年にばれないように。

「あ。……っ!」

少年を見つけた少女はその場から動けなくなっていた。少年は町の人たちからいじめられていたのだ。

「毎日毎日森の家に行って一人でぼそぼそとしゃべって、頭がおかしいんじゃないか!?」

「お前は独りなんだよ。友達ができたみたいに独りでしゃべっていて面白いか?」

「違う!あそこには僕の友達がいるんだ!……やさしい、寂しがりやな友達が。」

「黙れ!うそつきが!森の家には誰もいないんだよ!」

 少女の目から涙が溢れた。少女はただただ泣いていた。

「私と会話しているのを聞かれてたんだ。私のせいだ。私のせいで!!」

 足取りがおぼつかないまま少女は家に帰った。



 少女は考えた。

 どうすればいい。どうすれば少年がいじめられない?

 考えて考えた結果。ひとつの考えにたどり着いた。

「私がいなくなればいいんだ。」


 しかし自分で自分を殺すことはできない。

『少年に殺してもらうしかない。少年だって自分が死ねばいじめられずに済むんだ。少年だって私のことなんか好いていない。』

 そう考えた少女は泣きながら眠りについた。


 翌日、少年がやってくる。そんな少年に剣を渡して少女は願う。

「私を、殺して。」

 少年は驚いた顔をしたが、少女に向かって叫ぶ。

「君を、君を助けるために君に会いにきたんだ!」

「え…?」

「僕は独りだった。親にも捨てられたんだ。でもそんな時君の声が聞こえた。

『私を見つけて』って。

 そのとき僕は、僕と同じなんじゃないかって。それも、君の声はほかのやつらには聞こえていないみたいだから運命なんだろう、って思ったんだ。でも、僕のせいで君が苦しんでいるなら、僕のほうがいなくなったほうがいい。」

 その言葉に少女は泣き出した。

「あなたは人を救う力を持っている。あなたはこの世界にいなくてはいけない存在だわ。」

「僕も君はこの世にいなければいけない存在だと思うんだ。」


 少年と少女は顔を見合わせていった。


「「なら、二人で一緒に生きよう。」」

「私たちなら助け合って生きていけるわ。」

「ああ。僕たちならどんな困難でも大丈夫さ。」


 それから少年と少女は暮らしている。


 二人きりで、幸せに。幸せに。


 


駄作を読んでくださりまことにありがとうございます。

結構ありきたりですかね?でも、まあまあ自信作でした。

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