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学園サバイブ高校英雄伝記〈Ⅰ〉 ~最初の任務~①

その日秀治はパソコンを開いていた。明後日の放課後に、友人と集まって、サバイバルゲームをやる約束をしていたため、銃とワッペンを通販で買おうと思っていたからである。彼の名は、桜崎 秀治 漣波高校二年生である。勉学はそれほどできないが、銃の知識については専門的であった。もともと中学生のときに友人の持っていたエアガンがうらやましくてはじめたのだが、まさかここまで発展するとまでは思わなかったのである。その代わり、サバゲー友達ができたといういいこともあった。彼はパソコンで必死に検索ワードを打っていた。「ワッペン」「在庫あり ワッペン」「ワッペン格安」いい物を見つけ次第友達にメールを送って同時に買うことにしていたのだが、たくさん在庫が残っているのはどこを探してもなかった。それを一時間ほど続けていたのである。                                                       「あ~見つからない・・・目が疲れる・・・。」                                                      時間はもう午前一時すぎ、秀治は眠くなっていきうとうとし始めた、そのときいきなりメールがなったので秀治は飛び跳ねたかのように起き上がった。そしてケータイを見る。修也からだ。                                                  「オルフィレウスって言うサイトに、よさそうなワッペンが7こ売ってあったよ。8700円だって。」                                             そのメールに、すぐに了解と入れて送信した後、急いでそのサイトを検索してみた。確かにそのサイトがあり、キーワードにワッペンと書いてあった。これだと思った秀治は、サイトを開き、個人情報をいれ、注文し、そのままパソコンの電源を切って、ベットに入ってしまった。 次の日の朝、秀治は朝早くから登校の準備をしていた。ただ、彼のバッグの中身は、教科書が六冊、ノートが三冊、ガスハンドガンが二丁、側面には電動スコーピオンを一丁、マガジンを五本、ライト一本、腕にはトランシーバ付きの腕時計をつけていた。無論、先生に見つかった場合、即没収だが、見つからないように校内を回るときのスリルを味わいたくて、密かに毎日もってきていた。そしてついに今日ついに大規模な作戦が開始されることになっていたのである。その名も 古原奪還作戦。バレー部一年の古原がよくミスをすることにより、二年の先輩たちがよく体育館倉庫二階の奥でボコボコにしているという噂を聞いていたからである。しかしその二年の先輩たちは、二年の中でも地位が高いようで、裏で先生などにバラされない仕組みになっており、しかも自分たちが一年の時にも同じようなことを受けていたので、ある意味伝統のような感じになっており、誰も口出ししないのである。                                                        「よう秀治、例のやつ持ってきたか?」                                                            教室に入った瞬間に修也が駆けつけてきた。                                                                       「ああ持ってきたさ。今日は特別な日だからな。」                                                              秀治はすかさず言った。                                                                                  「修也は持ってきたのか?」                                                                   「あれを見ろよ。」                                                                                                修也はそう言うと、自身げな顔を伺わせながら教室の奥にあるテニスラケットケースを指差した。                                              「あの中にM4が四丁も入っているんだぜ。」見ると、 確かにケースはパンパンに膨らんでいた。あれじゃバレるよと心の中で思いながらも、秀治はバックの中から、ハンドガンを取り出した。                                                      「こいつはソーコム、フラッシュライトをレーザーに変えておいたんだ。」                                                            修也がそれをじっと見つめていると、横から織田が入ってきて言った。                                                               「そのソーコムは質がいいね、だけどレーザーサイトとは相性が悪いよ。」                                                           織田はクラスで二番目にテスト平均点数が高いのに、授業態度が悪いという変わり者で、しょっちゅ う遊んでいるように見えるが、家では猛勉強をしているという努力家で知能派である。今回の作戦の指揮も担当してくれることになった。                                                                「レーザーサイトは命中度の高いM4につけるとして、これをつけてみて欲しいんだけど・・・・。」                                                そう言ってバックの中に手を突っ込んだ織田の目の色が変わった。そして硬直していた。そして後ろから、大きな気配を感じた。すっと振り向く時に、ブレザーのふところにソーコムを滑り込ませ、後ろに目線を向けると、予想していたとうり、花咲先生がこちらを覗き込むようにして見ていた。                                                          「ちょっとモチケンさせてもらうか。」すると、織田がはいどうぞと言わんばかりに、バックの中身を見せた。バッグの口は一箇所だけしかない。すると先生は少し笑みを浮かべて、                                                          「全く、怪しまれるようなことするなよ。」                                                  とだけ言い、教卓に自分のバッグを起き、生徒に座るよう指示した。                                                              「早く座れ、チャイムがなっちまうぞ。」                                                          織田が席に向かって歩いて行く時に、ちらっとバッグの中身を見た、そこには確かに、銃が入っていた。おそらくウージーだろう。しかしどうやって先生を欺いたのか不思議だった。瞬時的に、ふところに隠した?もしくは布をかぶせた?まさか魔術でも使ったか?そのような妄想をしながらも席に着くと、長い長い眠りに着いた。                                                                                 全ての授業を寝ては起き寝ては起きを繰り返し、六時間目が終わる頃、秀治はいきなり目が覚める。というよりは毎日そうしているうちにそう体に身に付いてしまっただけであるが、なぜかテンションが異常に高くなるのだ。                                                                                                                                「キッリッツ!」                                       花咲先生のいつもの甲高い声で今日の授業は終わる。そして例の作戦が始まるのだが、その前に秀治は織田にバッグの仕組みを知りたくて、誰もいなくなった教室で織田が部活に行っているうちにのバッグを覗いた。しかし中を覗いてみると何も入っていない。                                                            「さ、さっきこん中に入れてたはずなのに、まさか部活に持ってったわけじゃ。」                                                           「織田のバッグはそう簡単に見破ることはできない、少なくともお前のその卵みたいな脳みそなら到底無理だろうな。」                                                                               後ろにいたのは光であった。光は織田の彼女であり、織田と同じダンス部であった。その瞬間、振り向く時まであった卵みたいな脳みそにたいしてのイラつきが驚きのせいで消えていった。                                                             「おっお前いたのかよ、織田と一緒にダンス部に行ったんじゃ。」                                                               秀治はいきなり話しかけられたのでバッグを背中に回した。                                                  「織田は来てない、用事があるって言って体育館の裏の準備室に行って、二年に見つかって捕まった。」                                                                                 「は!?マジそれ?」                                                   秀治の心の中では驚きとともに恐怖心が湧いていた。体育館倉庫と準備室は真反対に有り、しかも織田のことを何も知らない二年が織田をなぜ捕まえたのだろうか。そう思いながらも真っ先にこういった。                                                                       「助けに行かなないと、俺は準備室に行く。お前はここで待ってろ。」                                                    「行かせないわ。」                                                                             そう言いながら光は織田のバッグを無理やり秀治から剥ぎ取るように奪い取るとバッグの中に手を入れた。そしてバッグの中身を見せるようにこちらに向けながらこう言った。                                                              「鏡よ。」                                                                                         「?」                                                             そう言われたとき、やっと気づいた。バッグに鏡を入れることにより、中身だけを反射させ、いかにも入っていないように見せたのだ。いかにも織田らしい考えであった。そう思っているうちに、光は中の鏡を横にスライドさせ、中からウージーを取り出した、そしてポケットからロングマガジンを取り出して、うーじーに装着した。光はウージーの使い方など知っているのだろうか。                                    「おい待てよ、なんで俺は行っちゃダメなんだよ、ていうかおまえがなんでロングマガジンなんか。」                                                          秀治がそう言うと光は少し大きな声を出した。                                                               「昔、私を助けてくれたことがあったから、そのお返しをするため、これはその時お守りて言って渡されたの。私だけで助けないと意味がない!」                                                       そう言うと、光はウージーをバックに入れなおし、一目散に体育館方向に走っていった。なぜ一人じゃないと意味がないのか秀治にはよくわからなかった。作戦は部活が終わったあとに開始するはずだったのに、なぜ織田は部活に行かずに、しかも俺たちに何も言わずに行ってしまったのだろう。その前にまさか光がこの作戦のことを知っていたとが予想外であった。とりあえず救出する人が二人になったことを他のメンバーにも伝えなくてはならなくなった。部活が終わるまであと40分だったので、とりあえずバッグの見張りを続け、ここで待つことにした。                                                                        しばらく経つと、腕時計から高いモスキート音が聞こえた。モスキート音にすれば年齢の高い先生たちにはバレないからである。秀治は腕時計の赤いボタンを押し耳を近づけた。                                                     「部活終わったぜ、今からそっちに行くから待ってろ。」                                                     修也からであった。                                                             「わかった。なるべく早く来て。」                                                       秀治はそう返事をして無線を切るとすぐに周りを見渡した。これを見られると作戦は失敗に終わるからだ。まだ5時半だが、周りは薄暗かった。秋は日暮れが早いのは知っていたが、少し早く感じていた。                                                                              「済まない、少し遅れた。いろいろあったんだ。」                                               急に声が聞こえたので秀治は一瞬寒気がした、しかし顔を見るなり安心することができた。                                                                「この靴見て、昨日通販でゲットしたんだ。気づかなかったっしょ。」                                                               メガネをかけたその人は、広田という金持ちの息子だ。広田は一ヶ月八万円、週に二万円という恐ろしいおこずかいで装備や兵器を買いあさっており、チームに銃や弾薬を提供してくれるいいやつだ。戦闘能力もよく、自慢のスニーキングブーツで音もなく忍び寄ることが得意だ。                                                              「確かにいい靴だね、って言ってる場合じゃねーよ!」                                                                   「なんだか賑やかみたいだけどどうした秀治、お、もう来てたの?さすがはスパイ広田、早いな。」                                                  話しているうちに、修也達が教室に入ってきた。                                                   「なあ聴いてくれ、重大な事が起こった。」                                               秀治は少し偉そうに言った。                                                                           「今回指揮を行ってくれるはずの織田が二年に捕まった。」                                                                  「は?なんで!そういえば確かに織田がいない。」                                                                     修也は辺りを見渡した。今回の組んだチームは、秀治と広田と修也、そして臨時で入った修也の部活仲間の小川、小沢、佐々木と指揮官の織田の七人のはずであった。                                                                  「あと、クラスメートの光さんが単身で救助に行った・・・」                                                                  「おいおいそれ本当かよ。」                                                                               広田が叫ぶように言った。                                                                     「ああ、さっき俺の前に来て無理やり織田のバッグを取り上げて、中の銃持って行っちゃった。」                                                             「ターゲットが三つに増えたな。」                                                                 小川がつぶやくように言った。                                                                             「とりあえず急ごう。奴らが動いてるならこっちも急がないと。」                                                               秀治はそう言うとバッグの中からソーコムを取り出した。それを合図にみんなそれぞれの席に行き、広田はMP5を、修也はテニスラケットからM4を取り出し、小川、小沢、佐々木に配った。そして広田、秀治、修也、小川、小沢、佐々木の順に縦に並んで体育館に向かったのである。                            廊下の端まで行き、二階の廊下に差し掛かったとき広田が手で合図を送った。とまれの合図だ。全員壁に背中をつけると広田は向こう側を覗いた。よく見るとライトを持った巡回のおじさんが三人集まっている。そして会話が終わると二人は下の階に、もうひとりがこちらに向かってきた。まずい、そう思った秀治は小声で戻れ戻れ!と合図を送った。全員に合図を送り、自分も三階に行こうとしたとき、体の後ろから白びかりするエネルギーを受けた。                                                      「何してんだ。」                                                                       教室と同じように振り向く瞬間にソーコムをふところにすべり込ませる、がなんとうまく入らず、下に落ちてしまった。                                                                             {まずい!!}                                                                         そう思ったがもう遅かった。                                                                        「部活は終わったぞ、さっさと早く帰れ。」                                                                                                       心臓の鼓動が大きく聞こえた。体温が下がったのが身にしみるように伝わってきた。                                                                         「おいそれはなんだよ。」                                                          黙るしかなかった。だがそこに救世主が現れる。                                                                                 「佐川先生、至急事務室までお願いします。」                                                                     「仕方ないな、さっさと帰れよ。」                               そう言うと、おじさんは、早足で一回に戻っていった。秀治は素早く後ろを振り向く。偶然陰に落ちて目立たなくなっていた。そして後ろの方に赤く光る球体があった。おそらくおじさんが気を配ったのはこの球体であろう。それを手に取ると上から修也達が降りてきた。                                            「おい大丈夫か?」                                                                                    「ああなんとかな、電話が来なかったら終わってたな。」                                                                                      「 それは俺がかけたんだ。」                                                            明らかに生徒の声だったので皆が銃口を向ける。                                                                    「オレだよ俺だ。敵じゃない。」                                                          そこにいたのは霧島だった。背中にはスナイパーライフルのPsG1がかかっていた。                                                         「お前が見つかったところを見て、すぐさま学校の電話に携帯でかけ、佐川にすぐ来てほしいって言ったんだ。」                                                                       全員が銃口を下げた。霧島は自分達とは全く無関係のクラスメートの一人であった。手に持っているリモコンのようなものの電源を切ると、秀治の手にあった球体の赤い光が消えた。すると修也が驚くように言った。                                                         「お前どっからそんな銃を。」                                                               「織田に頼まれたんだ。裏でサポートして欲しいってね。」                                                                    霧島がまさか銃を持っているとは知らなかった。霧島はポケットからマガジンを取り 出して言った。                                                 「お前らのは4ミリ針だろ、俺のは六ミリ針だ。」                                                                         秀治達が使っている銃は、ただのエアガンではない、玉は楕円形をしており、先に4ミリの針が付いていた。サバゲーとは別に用意した非殺傷武器である。ホップアップはしないが、たくさん刺されば刺さるほど痛みは増幅してひるませることができる。だが六ミリとなると、そうはいかない、当たりどころが悪いと血が止まらなくなってしまう。                                                                     「おい霧島、そいつを打つときは注意しろよ、病院送りにはさせるなよ。」                                                          広田がそう言った。すると、霧島はマガジンをポケットにしまい、もう一個のマガジンを取り出した。                                                                 「大丈夫だ、扱いには慣れてる。四ミリも持ってる。体育館倉庫に行くんだろ。後ろからサポートしてやるから先に行けよ。」                                                                     「間違っても俺らのこと撃つなよな。」                                                      秀治が付け足す様に言うと霧島は一つ小さくため息つくと階段を上がっていってしまった。                                                         「急ぐぞ、もうすぐ日が暮れる。」                                                           広田がそう言うと秀治達は納得した有に頷いて、隊列を組んで体育館の入り口に向かった。ここから先はバレー部の神域でコーチはもう帰っているので生徒だけとなる。やっと銃を振り回すこと ができるようになるのである。                                                           「開けるぞ。」                                                                   広田がそう言って扉を開けた。中は思っていたとうり真っ暗であった。秀治達は、体育館二階から側面の階段を下り倉庫に向かった。そして倉庫につくと、中に続く扉を覗いた。やはり中は明かりが灯っていた。ただ声が聞こえてこない。                                                                        「おかしいな、何も聞こえない。」                                                           秀治がそう言うと、広田が静かな声で答えた。                                                 「罠かもしれない、気をつけろ。」                                                       そして広田が叫んだ。                                                        「いくぞ、突撃!」                                                                             そう言うと、小沢が扉を開け、秀治達が武器を構えて突入し、階段を上り広田を先頭に並んだ。                                                    「おい織田。」                                                                   そこにいたのは、縄に縛り付けられた織田がいた。気絶しているようだ。                                                                 「おい織田今外してやるからな。」                                                          秀治が縄に手を変えたその時、急に織田が目覚め、縄がほどけたかと思うと懐に隠していたグロックを取り出して、秀治の眉間に銃口を向けた。                                                        「動くな!」                                                              秀治は驚きを隠せなかった。                                     

続く。

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