表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼくは勇者の荷物持ち  作者: 九条 綾乃


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/19

第6話 供物(くもつ)

「客か。……いや、掃除の時間か」


 魔王が指先を軽く弾いた。ただそれだけの動作で、空気が圧縮され、見えない砲弾となって飛来した。狙いはアレンではない。一番後ろにいる、無防備な僕だ。


「――させねぇよ!!」


 ドゴォォォォォン!!


 爆音が鼓膜を揺らす。僕の目の前で、土煙が舞い上がった。


「ガ、ガイル……?」


 煙が晴れると、そこには巨漢の戦士が立ちふさがっていた。

 残っていた右腕で巨大な斧を構え、衝撃を受け止めたのだ。

 だが、その代償はあまりにも大きすぎた。斧は飴細工のように捻じ曲がり、ガイルの全身からは夥しい血が噴き出している。


「ガハッ……!へ、へへ……。かすり傷、ひとつ……つけさせやしねぇぞ!……」


 ガイルが膝をつく。彼は振り返り、僕をちらっと見た。そして、血まみれの顔で笑った。


「よぉ、相棒……。今日の飯、まだ作ってもらってねぇな……。お前の作るシチュー、食べてえな」


「ガイル!喋るな、今ポーションを!」


「いいんだ。……俺はここまでだ」


 鉄の巨塔が崩れるように、ガイルが倒れた。

 動かない。

 ガイルの体が、急速に冷たくなっていくのがわかった。

 鉄壁の戦士は、ただの一撃を防いだだけで、その命を燃やし尽くしてしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ