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第18話 賞賛(しょうさん)
王都への凱旋。紙吹雪が舞う大通りを、僕はアレンの遺骨と共に進んだ。歓声が耳に痛い。彼らは「魔王が消えたこと」を祝っているだけで、誰が犠牲になったかなど気にも留めていない。
王城、謁見の間。
国王と神官長たちは、僕の姿を見るなり、隠しきれない安堵と狂喜の笑みを浮かべた。
「よくぞやった!勇者よ!魔王討伐、誠に見事である!」
同時に、側近たちがひそひそと囁き合う声が、強化された僕の聴覚には鮮明に届く。
「計画通りですな……」
「ああ、あの『勇者アレン』は実に、いい仕事をしてくれた。予定通り砕け散って、啓示通り、真の「勇者」を完全に目覚めさせたわけだ!」
「戦後処理も楽で済みましたな。戻ってこられたら、報酬の支払いやら領地の割譲やらで面倒が起きるところでした」
「ククク、違いない」
「聖女マリア、剣士ガイルも、時間稼ぎとしては優秀でしたな」
彼らは、アレンたちの死を悼むどころか、「正常に作動した消耗品」としか評価していなかった。この国は、最初からすべて知っていたのだ。アレンの献身も、マリアの祈りも、ガイルの犠牲も。すべては、この国の上層部が描いた醜悪なシナリオ通りだった。




