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第17話 収束(しゅうそく)
「交渉決裂だ」
僕はアレンの亡骸へと視線を流した。あんなに生きたがっていた彼に、もう明日は来ない。
「アレンには、明日さえ来ないんだよ」
右手に力を込める。黄金のオーラが折れた剣を覆い、巨大な光の刃を形成した。アレンが必死に振るっていた力とは桁が違う。あまりに強大すぎて、制御しなければ城ごと消し飛ばしてしまいそうだ。僕は力を確かめるように、ゆっくりと剣を振り上げた。
「……ああ、アレン。君は正しかった。僕は『化け物』だ。君は最後まで、それを蓋で覆い隠そうとしてくれた」
「ひ、ヒィッ――やめろ、やめろおおおお!!」
「消えろ」
一閃。
剣を振るった感覚すらなかった。光が通り過ぎた後、魔王の身体は声も出せずに両断され――次の瞬間、その存在証明ごと分子レベルで分解され、塵となって霧散した。
ーー後に残ったのは、ただの広い空間。
僕は光を消し、再び「荷物持ち」の顔に戻って、静かに息を吐いた。




