表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/16

ー 逃国の試練 ー

時が進みヴェリス王国、王都エテルナ。エテルテの中心にそびえる大聖堂議事堂は、星脈の光を象徴する白亜の塔である。尖塔には聖教の赤と金の紋章が掲げられ、広大な議事堂の内部は、青い光の結晶が壁に埋め込まれ、星空のような輝きを放っていた。この日は、聖教、評議会、そして王が一堂に会する異例の会議が召集されていた。議題はアッシュヴェイルでの進軍と惨状とルミエ村の襲撃、ヴェリス王国に聖教が新たな火種をもたらす可能性があった。

議事堂の中央には円形の石卓が置かれ、聖教の大聖導師、評議会の議長、そしてヴェリス王がそれぞれの席に着いていた。石卓の周囲には、聖教の高位聖職者、評議会の重鎮、そして王の側近たちが立ち、緊張した空気が漂っていた。窓から差し込む朝の光が、議事堂の床に複雑な模様を描き、まるで星脈の力がこの会議を見守っているかのようだった。


石卓の中央に座るヴェリス王アレクシスが、重々しく口を開いた。彼の声は穏やかだが、わずかに震えていた。「諸君、この緊急議会は、星脈の乱れとアッシュヴェイルでの灰の民の反乱、今回の聖教の対応について議論するために召集した。聖教の行いが…これらが王国に与える影響は計り知れない。聖教、評議会、共に率直な意見を聞きたい。」

大聖導師カリオスが、赤と金のローブを翻し、立ち上がった。彼の白髪は朝の光に輝き、鋭い灰色の瞳が議事堂を睨みつけた。「陛下、誠に不敬ながらも、率直に申し上げましょう。灰の民は異端です。彼らは星脈の力を汚し、乱しました。王国の秩序を乱す存在です。リシアは自らの愚かさで命を落とし、アッシュヴェイルはその不敬をもって滅んだのです。なによりもルミエ村はアッシュヴェイルに加担していたことを私たちは掴んでおります。聖教は正当にレオン・ヴァルティアを派遣し、聖断を下したまでです。この問題は、正当な異端審問であり、聖教の管轄下にあります。」

カリオスの言葉に、評議会議長レイオスが眉をひそめた。彼は黒いローブに身を包み、指に嵌めた金の指輪を弄びながら応じた。「大聖導師様、聖教の武力行使は確かに迅速ではないだろうか?今回のアッシュヴェイルは壊滅し、王国の下級民衆の不満が高まっておるのですぞ。灰の民が反乱を起こした背景には、聖教の過酷な徴税と弾圧を断行した背景があるのではありませんか? 王国の安定のため、聖教の行動にも説明責任が求められますぞ。」

カリオスは冷たく笑い、レイオスを一瞥した。「レイオス議長、聖教は神聖なる星脈の守護者です。灰の民が貧困を訴えるなら、それは彼らが星の導きを拒んだ結果でしょう。聖教の徴税は、王国の繁栄と秩序のためですよ?評議会が民衆の不満を煽るような発言は、かえって混乱を招きますぞ。」

アレクシス王は両者の対立に顔を曇らせ、静かに手を挙げた。「カリオス、レイオス、感情的になるのはやめろ。聖教の目的は星脈の保護、評議会の目的は民の安寧だ。双方の目標は一致するはずだ。今回の惨劇は…異端者の排除と一掃として、特別な意味を持つ。何より今回の聖壇の異変をどう扱うべきか、具体的な提案を聞きたい。」

レオン・ヴァルティアが、純銀の鎧を鳴らし、前に進み出た。彼の声は低く、無感情だった「陛下、愚かな自分であることを承知の上で具申いたします。アッシュヴェイルの反乱は灰の民の愚かさの結果です。指導者リシアは星脈の力を汚し、エリスを扇動して聖教に刃向かいました。私はリシアを討ち、秩序を回復しましたが、逃亡者がおります。名前はダストと灰の民の二名です。奴らは星の欠片を手にルミエ村に逃げ込みましたが、全英体がルミエ村を壊滅させていたために反乱は起きておりません。聖壇の異変は、奴ら三名が不安定した結果です。聖教は事前に追手を派遣し、以下三名を処刑し身柄の回収する準備を整えています。」

セルティアがレオンの隣に立ち、銀色の髪を光に輝かせ、冷たく澄んだ声で補足した。「陛下、失礼ながらですが、この件に関しては明確な星脈の乱れを生み出しておりますわ、この欠片が示していることを感じております。そして、星の乱れはこの三名を放置すれば、王国は破滅に導くことを指していることを感じていますわ」

聖教側の陣営が小さく唸りを上げる。

「陛下、聴きましたか?やはり今回の遠征はやはり星の導きだったのです。アッシュヴェイルの異端とルミエ村の危険性が王国の御子の予言が今、下されたのですぞ」

カリオスは椅子から立ち上がり、大きく声を張り上げる。その巨体を揺らし唾を飛ばし、王国のどの政治家よりも汚く醜い動きが出ていた。

アレクシス王はセルティアを見つめ、深いため息をついた。「セルティア…お前は私の娘であり、次期国王の候補だ。異端と言ってもこのヴェリスの教えで袂を分けただけで本来は源流よ、そこまで彼女たちが時代の潮流になるとは思えんのだ。聖壇の異変も、聖教の結界の不備が原因かもしれないとな。」

カリオスが鋭く割り込んだ。「陛下、たとえ陛下であろうと聞捨てなりませんぞ!主神セレスティアの加護のある聖教の結界に不備などありえるはずがございません!!!聖壇の異変は、かの三人が聖脈の流れを乱した結果です。彼女を救うことになりえる言葉など、異端に情けをかける行為そのもの。聖教は教義にはそのようなもの何処にも書いてありませんぞ!!」

円卓にいた副議長エレナ・シルヴァが立ち上がり、毅然とした声で反論した。彼女の緑の瞳には民衆への情熱が宿っていた。「大聖導師様、陛下の御前にて不敬過ぎておりませんか!!聖教の言う『秩序』は、民を抑圧する口実にしか私は聞こえません!アッシュヴェイルとルミエ村の壊滅は聖教の武力が引き起こした悲劇です。そしてルミエ村への襲撃は、民衆の不満をさらに煽ることでしょう。なにより聖教の過酷な徴税と弾圧が、農村を疲弊させ、刻々と国民を絶望に追いやっているのですよ!」

醜悪なカリオスの瞳がエレナを刺すように睨んだ。「エレナ副議長、若輩者が聖教を批判するとは大胆なことをなさいますな?国民の絶望は、星の導きを拒んだ報いです。聖教の武力は神聖なる意志の執行に過ぎん。評議会が民衆の不満を煽れば、王国の秩序が崩れるだけだ。なによりそれこそ内乱を起こすきっかけになることをお忘れか?」

両者の意見に呼応するように評議会と聖教の分派達が声を上げ始める。どれも主張と言える代物は全くなく、自身の所属している派閥と自己保身が見え隠れする意見だった。

アレクシスが右手を上げエレナを制す。同時に先ほどの喧噪も影も形も無くなったように静かになる。

アレクシスはエレナに穏やかに言った。「カリオスよ、エレナ副議長の言葉は過激だが、民衆の不満もまた事実よ。聖教の武力行使が民の支持を失えば、王国の安定が揺らぎまたしても忌まわしき10年戦争に逆戻りよ。我は幼子だった時、王国と民が対立している姿をもう見とうない。聖教が考える『秩序ある国家』とは10年戦争のときの狂乱の世界であるのかな?」

アレクシスの聡明な知見から紡がれる言葉にカリオスは何も言い返すことが出来ずにいた。

「しかし、聖教の下した聖断を処することも我はしたくはない。そして、我が娘エルティアが申してくれた彼の者たちがいたことにより、星脈が乱れたことを考えるのであれば聖教の敵どころか我が国共通の敵である。聖壇の異変も、現地にて確認をしてきたのであろう?のうエルティア?」

アレクシスの言葉にエルティアは一瞬の空白の後に頷く。

「……。であれば、この我が出来ることがあれば関係諸国と自治領に対し手配を掛けるしかないであろう。それでカリオス、良いかな?」

カリオスは顔を上げ、その醜悪な顔で笑顔を見せつける。

「…陛下!聡明なご英断。感服いたします。」

瞳を閉じていたエレナが頷き、アレクシスに問い始める。「陛下、大聖堂師様はかの者たちを異端と決めつけていますが、断罪されることがあってよろしいのかと存じますが。ルミエ村への襲撃に際し、関連諸国がヴェリス王国の弱みに付け込み、かの者たちと結託されては元も子もありません。かの者たちの生きたままの身柄を拘束し、星脈の乱れの現況を吐き出させる。それが王国のひとつの道と考えます。」

カリオスは嘲笑を浮かべ、アレクシスとエレナを交互に見た。「交渉? 異端と対話など、聖教の使命を汚す行為。この者たちは星脈の力を汚した罪人であろうに。反乱の意思は、聖教の武力で浄化するのみ。評議会が民衆の不満を盾に聖教を批判するなら、それは王国への裏切りですぞ。」

アレクシス王は石卓に手を置き、深いため息をついた。彼の心は、聖教の圧力、評議会の訴え、そしてセルティアの冷たい忠誠の間で引き裂かれていた。「カリオス、レイオス、エレナ…皆の言いたいことには理解しておる。聖教の武力は王国を守るために必要だが、アッシュヴェイルの惨劇とルミエ村の襲撃は民の心を傷つけたこともな。ただ問題の本質は星脈の乱れと原因よ、何より確定的な情報がない状況で全てをかの者に押し付けるのは、公正ではない。」

カリオスが激昂し、石卓を叩いた。「陛下、聖教の結界に不備などありません! 聖壇の異変は、こやつ等が星脈を乱した結果です!!!こやつ等の声を聞くなど、異端に耳を貸す行為。一刻も早く処刑すべきです!星脈は我ら聖教が管理する。それが星脈の意志です!」

セルティアが静かに進み出て、父を見つめた。「陛下、いえ、お父様、私の力は聖教の導きにより制御されています。かの者たちは、聖壇を乱しています。聖教に委ねることが、王国の唯一の救いだと具申いたします。」

アレクシス王はセルティアの冷たい瞳に胸を締め付けられ、声を絞り出した。「セルティア…お前は私の娘だ。聖教の武力だけで全てを解決するのは、危険ではないのか?」

レオンが無感情に言った。「陛下、聖教の使命は星脈の保護です。この者たちを捕縛し、星の欠片を浄化することが王国を守る道です。何より国家の為なら必要な犠牲を惜しんでいてはいけません。」

エレナが拳を握り、声を上げた。「陛下、聖教の武力は王国を分断するだけです!聖教の結界が聖壇の異変を引き起こした可能性を無視するのは、聖教の保身です!」

カリオスが激しく反論した。「エレナ副議長、聖教を侮辱する言葉は許されん! 聖壇の異変は、あの者たちが原因。聖教の神聖なる意志の執行だ。評議会がこれに反対するなら、聖教は独自に行動するぞ!」

カリオスの言葉に評議会側が激高する。またしても両陣営が大きな喧噪に包まれるが、アレクシスが急に立ち上がり、議事堂を見渡した。「諸君、ヴェリス王国は星脈の加護の下に栄えてきた。聖教も評議会も、その加護を守るために存在する。ヴェリス国王として勅命を出す!!かの者たちを即刻手配を行え!殺しはするな!関連諸国への話は内政官の遣いに出し説明して参れ、今回の議題に関してはこれにて閉会する!よいか!!!!!!!!!」

カリオスの瞳が危険な光を帯びた。「陛下、聖教は星脈の意志に従うのみです。王の勅命しかと理解いたしました。」

議事堂に冷たい沈黙が流れた。聖教と王国の対立は修復不可能なまでに深まった。アレクシス王は石卓に手を置き、声を絞り出した。「カリオス、…王国の忠誠は認める。レイオス、エレナもそれで良いな?」

二人は深々と頭を下げる。カリオスは冷たく笑い、議事堂を後にする、レオンとセルティアもカリオスに従い、去って行く。

レイオスが王に近づき、囁いた。「陛下、聖教の動きは危険です。かの者たちを保護し、民の支持を集める準備を急ぎましょう。聖壇の異変の調査も、評議会主導で進めます。」

エレナが頷き、決意を込めて言った。「陛下、民は国家の希望です。今こそ聖教の圧政を打破するため、準備を整えましょう。こちらもこちらで動くべきです。」

アレクシス王は天井の星脈の結晶を見上げ、呟いた。「…星の導きが、ヴェリス王国を救ってくれることを願うまでだな…。」


この小説はGrokで生成した文章を含んでいます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ