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ー 逃国の試練 ー

馬を走らせた密林の奥で、ティルが突然足を止めた。「待て…! あれは…聖教?」彼の杖が微かに光り、遠くの木々の間で動く影を捉えた。聖教の斥候が数人、軽装で巡回をしてくる。ティルは杖を握り、魔法の準備を始める。「くそっ、しつこいな!」

「ティル、俺が抑える!」信太は馬から降り、短剣を構えた。刻印の光が再び輝き、青白い刃が斥候の一人を切り裂いた。だが、エリスの叫びが響く。「信太、ダメ! もう誰も失いたくない!」

「エリス、隠れてろ!」信太はエリスを木の陰に押しやり、ティルと並んで斥候を奇襲する。ティルの炎と信太の短剣が斥候を次々と倒すが、奇襲を知った聖教の数は増えていく。「ティル、このままじゃ囲まれる!」

「分かってる! エリス、ここは逃げる! ルミエ村はもう近い!」ティルが叫び、エリスを振り返った。エリスは木の陰から立ち上がり、ネックレスを握りしめた。涙で顔を濡らしながら、彼女は走り出す。

三人は再び密林を駆け抜け、追手を振り切った。ルミエ村の入り口が見えたとき、ティルの杖の宝石が完全に砕け、魔力が尽きていることが分かるぐらいティルは疲弊していた。「くそっ、杖が…! もう魔術は使えねえ…。」彼は杖を投げ捨て、短剣を手に走り続けた。

ルミエ村は静寂に包まれ、聖教の追手はまだ届いていないようだった。信太はエリスを川のほとりに下ろし、息を整えた。「エリス、ここなら安全だ…ひとまず、落ち着け。」

エリスは泉の縁に膝をつき、ネックレスを握りながら嗚咽を漏らした。「リシアさん…みんな…私のせいで…! 私がもっと強ければ、聖教を止められたのに…!」彼女の涙が川に落ち、星脈の力が微かに反応して水面が光った。

信太はエリスの隣に座り、刻印を握りしめた。「エリス、自分のせいじゃない。聖教の力…あのレオンってやつは、俺たち全員でも敵わなかった。リシアさんはそれを知ってたから、俺たちを逃がしたんだ。」彼の声は静かだが、深い決意に満ちていた。「ここで終わらせねえ。ルミエ村で力を蓄えて、聖教をぶっ潰す。」

ティルは川の反対側に腰を下ろし、疲れ切った顔で笑った。「エリス、泣くなよ。お前の光がなかったら、俺も信太もここまで来れなかった。リシア婆ちゃんの想い、灰の民の誇り…生きてる俺たちとお前が背負ってるんだぜ。」彼は短剣を地面に突き刺し、空を見上げた。「ルミエ村には灰の民の隠れ家がある。そこに武器も、逃げた仲間もいるはずだ。」

ティルは短剣を地面に突き刺したまま、星空を見上げながら小さく笑った。「リシア婆ちゃん、な…昔からああやって、俺みたいなガキを庇ってばかりだったよ。」彼の声には、疲れと懐かしさが混ざっていた。

エリスは涙を拭い、ティルの言葉に耳を傾けた。信太も黙って彼の話に目を向けた。ティルは普段、軽口を叩いてばかりで自分の過去を語ることは滅多になかった。だが今、密林の静寂の中で、彼の口からぽつぽつと記憶がこぼれ落ちた。

「俺がまだガキの頃…アッシュヴェイルで、リシア婆ちゃんは親みたいな存在だった。聖教の目をかいくぐって、俺たちみたいな孤児や、魔術の素養があるやつを隠して育ててた。俺、昔はよぉ、ただのチンピラだったんだ。魔術なんて知らねえし、盗みやケンカで食いつないでた。ある日、聖教の追っ手に追われて、ボロボロで森に逃げ込んだらさ…リシア婆ちゃんに拾われた。」

ティルは短剣を手に取り、刃に映る星明かりをじっと見つめた。「あの婆ちゃん、すげえ目をしてたよ。『お前、ただのゴロツキで終わる気か? 灰の民の力は、聖教なんかに負けねえんだ』ってな。そんで、俺に魔術を叩き込んだ。杖の扱い方、星脈の力の引き出し方…全部、リシア婆ちゃんから教わったんだ。」

彼の声に微かな震えが混じる。「でもよ、俺、最初は全然ダメでさ。魔術なんて才能ねえって思ってた。リシア婆ちゃんの杖から放たれる光見て、『こんなの俺にゃ無理だ』って投げ出したこともあった。そん時、婆ちゃんが言ったんだ。『ティル、力は才能じゃねえ。生きる覚悟だ。灰の民は、聖教に踏み潰されても這い上がる。それがお前に脈々と命のバトンを繋げて来た先祖の意思だって、お前がここにいる意味だって』って。」

ティルはそこで口をつぐみ、地面に刺した短剣をゆっくり引き抜いた。「リシア婆ちゃん、俺を信じて杖を託してくれた。…けど、俺の杖、砕けちまった。」彼は苦笑し、砕けた宝石の欠片を思い出すように拳を握った。「リシア婆ちゃんは、いつも言ってたよ。『ティル、お前は光を導く役目だ。エリスみたいな子を守れ。灰の民の未来は、そいつらの希望にかかってる一人生き残ればまた一からやり直すことができる』ってな。」

エリスはネックレスを握る手に力を込めた。「リシアさんが…ティルにそんなことを…。」

「ああ。」ティルは立ち上がり、短剣を腰に差し直した。「だからよ、エリス。リシア婆ちゃんの想いは、お前の涙なんかで終わりじゃねえ。ルミエ村の隠れ家で、灰の民の仲間と合流する。そこで新しい杖、武器、なんでも揃えてやる。聖教のレオンってやつ…俺たちの手で、絶対にぶっ潰してやろうぜ。」

信太が頷き、エリスの肩に手を置いた。「ティルの言う通りだ。リシアは俺たちに未来を託した。ルミエ村で力を蓄えて、必ず聖教に借りを返す。」

エリスは涙を拭い、星脈の光が揺れる川面を見ながら決意を固めた。「リシアさんのためにも…私、強くなる。ティル、信太、ありがとう。」

ティルは照れくさそうに頭をかき、夜空に目を戻した。「リシア婆ちゃん、ちゃんと見てろよ。俺たち、灰の民の誇りを絶対に取り戻すからな

エリスはネックレスを見つめ、涙を拭った。「信太…ティル…ありがとう。私、リシアさんのために…アッシュヴェイルの人たちのために、絶対に諦めない。」彼女のネックレスが再び光を取り戻し、泉の水面に星のような輝きを映した。信太はエリスの肩に手を置き、刻印の熱を感じながら頷いた。「エリス、俺たちも一緒だ。」彼の声は静かだが、確かな決意に満ちていた。

ティルは疲れた顔に笑みを浮かべた。「よし、エリス、泣き顔は終わりだな! ルミエ村で聖教をぶっ飛ばす準備を始めようぜ!」彼は短剣を地面から引き抜き、立ち上がった。「さあ、ルミエ村に行くぞ!」


三人は川沿いの小道を進み、ルミエ村の中心へと向かった。だが、村に足を踏み入れる前から不穏な空気が漂っていた。いや、漂っていたのではなく三人は理解したくなかった。集落からは黒い煙が複数立ち上がっていた。それはアッシュヴィルで見た煙と何ら変わらない煙だった。ルミエ村の異様な静けさが三人を包んだ。鳥のさえずりも、風の音も、まるで時間が止まったかのように途絶えている。

信太が短剣を構え、警戒しながら周囲を見回した。「おかしい…静かすぎる。村に人の気配がほとんどねえ。」彼の刻印が微かに熱を帯び、危険を予感させるように脈打った。

エリスはネックレスを握り、胸に不安が広がるのを感じた。「まさか…聖教がもうここまで!?」彼女の声は震え、星脈の光が不安定に揺れた。リシアの犠牲、灰の民の隠れ街アッシュヴェイルの崩壊が脳裏をよぎり、恐怖が心を締め付ける。

ティルが短剣を握り、眉を寄せた。「くそっ、聖教の追手がこんな早く来るはずねえ…でも、この気配、絶対ただじゃねえぞ!」彼は短剣を手に持ち、村の中心にある泉の広場へと急いだ。

広場にたどり着いた瞬間、三人の足が止まった。ルミエ村はすでに壊滅していた。木造の家々は炎に包まれた後の黒ずんでおり、屋根が崩れ落ち、黒煙が空を覆っている。泉の周囲には灰の民の民たちの遺体が散乱し、血と煤が地面を染めていた。聖教の赤と金の旗が広場の中心に突き刺さり、まるで勝利の証のように風に揺れている。

エリスは息を呑み、ネックレスを強く握った。「こんな…! ルミエ村まで…!?」彼女の瞳に涙が滲み、星脈の光が一瞬強く輝いたが、すぐに弱々しく揺れた。「リシアさんが…みんなが犠牲になって逃げてきたのに…!」

信太はエリスの肩を掴み、冷静に状況を見極めた。「エリス、落ち着け! 聖教の襲撃はついさっきだ。まだ生存者がいるかもしれない!」彼の刻印が熱く脈打ち、短剣に青白い光が宿る。「ティル、隠れ家の位置は分かるか?」

ティルは広場の惨状を睨み、歯を食いしばった。「隠れ家は集会所の地下に続く階段があるはずだ! だが、この状況…アッシュヴィルよりは多くは無いと思うが聖教の多くが動いた可能性が高い!」彼は短剣を構え、集会の裏手へと走った。「急ぐぞ、生存者を探す!」

三人は集会の裏に急ぎ、隠れ家の入り口を探した。だが、階段の入り口は崩され、石と木材で塞がれていた。ティルが短剣で瓦礫を掘り起こそうとしたが、すぐに異変に気付いた。「待て…この瓦礫、血の跡がある! 聖教のやつら、隠れ家を先に叩いたんだ!」

エリスは瓦礫の血痕を見て、膝をついた。「そんな…! ルミエ村の人たちまで…!」彼女のネックレスが弱々しく光り、星脈の力が彼女の絶望に呼応するように揺れた。リシアの笑顔、灰の民の民たちの声が脳裏に響き、涙が止まらない。

信太はエリスの隣に跪き、彼女の手を握った。「エリス、諦めるな! まだ生存者がいるかもしれない。セレナさんの家…あの家に行こう!」信太の声は力強く、エリスの心を奮い立たせようとしていた。

信太の言葉に、エリスは一瞬だけ希望の光を見た。セレナの家。ルミエ村の外れにある小さな家。エリスの唯一の思い出の場所。「セレナさん…! セレナは生きてるかもしれない!」エリスは涙を拭い、ネックレスを握りしめて立ち上がった。彼女の声には、わずかながらも決意が宿っていた。


ティルは瓦礫の前で短剣を握り、険しい表情で周囲を見回した。「セレナさんの家は知ってる。だが、聖教の斥候がまだ近くにいる可能性がある。急ぐぞ、だが慎重にだ!」彼の声は疲れ切っていたが、仲間を守る意志がその言葉を支えていた。

三人はルミエ村の壊滅した広場を後にし、黒煙と血の匂いが漂う村の外縁を抜けた。密林の木々は高くそびえ、月光を遮り、薄暗い影を地面に落としていた。鳥のさえずりはなく、風すら止まったかのような静寂が三人を包む。エリスのネックレスは時折微かに光るが、その輝きは不安定で、彼女の心の動揺を映しているようだった。

信太はエリスの手を握り、彼女を励ますように小さく頷いた。「エリス、セレナさんの家まであと少しだ。リシアさんの想い、灰の民の希望…お前が背負ってるんだ。絶対に諦めるな。」彼の刻印が熱を帯び、青白い光が短剣に宿る。その光は、聖教の脅威に立ち向かう彼の決意を象徴していた。

エリスは信太の手の温もりを感じながら、涙を堪えて頷いた。「うん…私、諦めない。セレナを…、絶対に救う!」彼女の声は震えていたが、ネックレスの光が一瞬強く輝き、星脈の力が彼女の心に応えるように脈打った。

ティルが先頭で密林を進み、川の支流が見える地点で足を止めた。「あそこ…セレナさんの小屋はあの木々の向こう。」エリスは短剣を構え、慎重に周囲を窺った。だが、その瞬間、風向きが変わり、鼻をつく異臭が漂ってきた。血と焦げた肉の匂い――アッシュヴェイルで嗅いだ、あの忌まわしい匂いだった。

エリスの顔が青ざめ、ネックレスを握る手が震えた。「この匂い…まさか…!」彼女の声は途切れ、恐怖が心を締め付けた。信太も異変に気付き、短剣を握り直した。「ティル、急ぐぞ! !!!」彼はエリスの手を引き、ティルの後を追って小屋へと急いだ。

密林の木々を抜けると、セレナの小屋が姿を現した。木造の小さな家は、かつては温かみのある佇まいだったはずだ。だが、今はその屋根が半壊し、壁には黒い焦げ跡が広がっていた。ドアは壊され、地面には血の跡が点々と続いている。エリスの心臓が激しく鼓動し、ネックレスの光が不安定に揺れた。「セレナ…! セレナ!!!いる!?どこ!!」明らかな焦燥と不安の感情が分かるほどエリスの声が小屋に響き渡る。

ティルが小屋の入り口に飛び込み、短剣を構えて中を覗いた。「くそっ…! エリス!!来るな!」彼の声は鋭く、普段の軽口とは異なる緊迫感に満ちていた。だが、エリスはティルの制止を無視し、信太の手を振りほどいて小屋の中へ駆け込んだ。「セレナさん! セレナ、答えて!帰ってきたよ!!エリスだよ!!!ねぇ!答えて!!!!」

小屋の内部は、まるで嵐が吹き荒れた後のようだった。木製のテーブルはひっくり返り、棚に並んでいた本や道具は床に散乱している。壁には剣や魔法の痕跡が刻まれ、血の飛沫が赤黒く染みついていた。そして、部屋の中央――エリスは凍りついた。

そこには、セレナの姿があった。だが、それはかつてエリスが知っていた優しい女性の姿ではなかった。セレナの体は床に横たわり、剣によって胸を貫かれていた痕が残っていた。彼女の白いローブは血で真っ赤に染まり、長い銀髪は血と煤で汚れている。彼女の目は見開かれたまま、空虚に天井を見つめていた。両腕は不自然に折れ曲がり、まるで抵抗の末に力尽きたことを物語っている。彼女の周囲には、灰の民の仲間たちの遺体が数体、聖教の兵士のものと思われる死体と混ざり合って転がっていた。

「セ…レナ……?」エリスの声はか細く、まるで現実を拒絶するように震えた。彼女のネックレスが一瞬強く光ったが、すぐにその輝きは消え、星脈の力が彼女の絶望に押しつぶされたかのようだった。エリスはよろめきながらセレナに近づき、膝をついた。「セレナさん…! 起きて!…お願い!起きてよ…!エリスだよ!帰ってきたよ!!!!」

信太がエリスの背後に駆け寄り、彼女の肩を掴んだ。「エリス、やめろ! 見るな!」彼の声は必死だったが、エリスの耳には届かなかった。彼女の手はセレナの冷たくなった手を握り、血で汚れた指を震えながら撫でた。「セレナ…私が…私が遅かったから…! ごめんなさい…ごめんなさい…!あぁ…あぁああ…あああああああああああああああああああああああ!!!!!!いやだ!セレナ!!!起きて!!起きてよ!お母さん!!!!!ねぇってば!!!お母さん!!!!!」

エリスの幸せだったころの記憶が走馬灯のように走り出す。悲鳴、とは違う過去の過ちを断罪する懺悔の叫び声、感情のまま泣き叫ぶがそれでも現実が変わることがない事実が目の前の光景に広がっている。

エリスが告げる否定の言葉も、何もかも事実とは違い身体中の血液が何処か行くような感覚に襲われると同時に後悔の念が心を蝕まれ大きな穴を作る。

ティルは小屋の入り口で短剣を握り、歯を食いしばった。「くそっ…聖教のやつら、こんなことまで…!」彼の瞳には怒りと無力感が宿り、短剣の刃が震えていた。「信太!エリス、立て! ここにいると追手に見つかるぞ!」

だが、エリスは動かなかった。彼女の視線はセレナの亡魂に縛られたように離れず、涙が頬を伝い、床に落ちて血と混ざった。「お母さん…リシアさん…みんな…私のせいだ…! 私がもっと強ければ…私がもっと早くここに帰ってきていたら!ちゃんとお母さんのいうことを聞いてたら…!」彼女の声は次第に叫びへと変わり、ネックレスが激しく光り、星脈の力が彼女の感情に呼応して異常な光を発し始めた。小屋の床が震え、散乱した本や道具が浮き上がり、青い光が部屋を満たした。

「エリス、落ち着け!」信太はエリスの両腕を掴み、彼女を強く抱き寄せた。刻印の熱が彼の全身を駆け巡り、青白い光がエリスの感情にのった力を抑えようと脈打った。「セレナさんの死は…リシアさんの死は、お前のせいじゃねえ! 聖教が…あのレオンとセルティアがやったんだ! お前が自分を責めても、誰も救われねえ!」

エリスの叫びが小屋に響き、星脈の光が一瞬爆発的に輝いた。「嫌だ! 嫌だ! セレナを…みんなを返して! 私が…私が守れなかったから…!あぁ…!ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」彼女のネックレスから放たれた光が小屋の壁を突き破り、密林の木々を揺らしている。だが、その光はすぐに弱まり、エリスは信太の腕の中で崩れ落ち、嗚咽を漏らした。

「すまねぇ、エリス…!セレナさんとの別れの時間も作ってやれねぇ…!」

ティルがエリスの首筋に剣の根元で首筋に一撃を入れていた。

「セ…レナ…お…かあ….さ」

小さく声を漏らしながらエリスは信太の腕の中で眠っている。顔が涙で赤く腫れている。信太も傷ついたエリスとセレナ見て心臓が掴まれているほど締め付けられた感覚に陥る。

ティルは入り口で周囲を警戒しながら、エリスの慟哭を聞いた。「エリス…!、?! くそっ、こんな時に…!」彼は短剣を握り、密林の奥で動く影に気付いた。「信太、追手だ! 聖教の斥候が近づいてきてる! エリスを連れて逃げるぞ!」

信太はエリスを抱き上げ、彼女の涙で濡れた顔を見つめた。「エリス、セレナさんの想い、リシアさんの想い…お前が生きてこそ、灰の民の希望は続くんだ。俺もティルも、お前を守る。ルミエ村はもうダメかもしれない…でも、別の道があるはずだ!」彼の声は力強く、しかし、眠ってしまったエリスには届かない、届くはずがない。

エリスは信太の腕の中で眠りながら、ネックレスを握りしめていた。

ティルが小屋の外へ飛び出し、短剣を構えた。「信太、こっちだ! 川沿いの獣道を抜けて、エルドリアを目指す!あそこには伝手がある!取りあえず馬に乗って逃げるぞ!」彼は密林の奥へと走り、信太はエリスを抱えてその後を追った。背後では、聖教の斥候の足音と金属の擦れる音が近づいてくる。エリスのネックレスは弱々しく光り、彼女の心の痛みを映すように揺れていた。


この文章はGrokで生成した文章を含んでいます。


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