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愛する我が子へ

作者: 紅葉

この国に未来はない、逃げるのだ。理不尽にも君臨するお上のため、弱き者は虐げられ、時に殺される。人々が困窮し活力を失えば、余所から労働者を買い付け、劣悪な環境で働かせる。人は代替できると見誤り、片道切符を与えた時代と何ら変わっていない。人間の尊厳を忘れた国で生きる道理はないのだよ。グローバル社会で生まれた君達にソクラテスほどの忠義溢れる国家観は要らない。名だたる企業を見てごらん。既に、一つの国家を形成してるはずだ。世界に乗り出すための技術は、情報社会が教えてくれる。君が熱心に学んでいる人口動態理論が正しければ、各世代の1/9の移住で、約90年後に我が国は滅ぶと言って良いはずだ。数理通りに社会を変革できるか、試そうではないか。彼らが殺戮してきた科学が、君と同じように、どんなに大切に育てるべきかを教えてやろう。祖国との離別を嘆き、咽び泣く日もあるだろう。でも、大丈夫。君は一人じゃない。共に奮い立つ仲間達と繋がることは、君を強く鋭利にしてくれる。有史以来、この地域で市民革命は起きていない。時は満ちた。我々の名を歴史に刻もう。私達の手で世界を変えよう。


今は亡き父より

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