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魔法師の日常生活  作者: 時雨
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「あ、起床。早上よー。」

 気がつくとリーちゃんが私の顔を上から眺めるように覗いていた。

 声は聞き慣れているのだが中国語と聞き慣れてる日本語がごちゃごちゃに混ざり合って聞こえてきた。タブレットの成分切れてきたか。

 テレビがついていてニュースが流れていた。気づいたらソファーの上でゴロッとなった状態で寝てしまったらしい。

「可可、飲む?」

 こ…いや、『く』が近いか。ただ…何を意味するんだろうか?

「あーごめん。翻訳の効果切れてるかも。」

 そう日本語で答えるとリーちゃんは一瞬フリーズしたあと「ココア…イル?」とつたない日本語で聞いてきた。

「お願いします。」

「可以!」

 うん。なんて言ってるが分からないか多分『いいよ!』とかの意味なんだろう。

 私のバックの中からタブレットを手探りで探しながら時計を見たら短針が10時を指そうとしてい…10!?

 寝すぎだ私!

 とりあえずまずはタブレットを1錠口に入れて噛み砕く。

「リーちゃんごめん。なんか寝すぎたみたい。」

「いいよー。全然全然。それよりも可愛い寝顔見れて最高でした。」

 もし可能ならリーちゃんに一部の記憶を抹消する魔法をかけたい…。

 コトっと薄いオレンジのマグカップを前に差し出され、中には見慣れたココアの色が香りと共に視覚と嗅覚をくすぐってきた。

 ゆっくりと甘い香りを出してくれてるあたたかなココアを口に運ぶ。

 ああ…おいし。ホッとする。

 リーちゃんは『私が入れる一杯は格別だろ!』と言わんばかりにドヤ顔をしていた。

 全て飲み終わるころには体の芯からあったまってきていた。このままもうひと眠りお布団へ……

「さなー。空港まで送るよ。」

 そうだ。帰らなきゃいけないんだった。店番ずっとやらせてるわけにはいかない。

「ほんと?ありがとう。」

「いえいえ。鉄道よりも車の方が速いし、それに私国鉄集団全く使ってないせいで鉄道事情とか路線がどうなってるかとか全くわからないんだ。」

 魔法の行使が協会経由で制限掛けられている中よく生活できるな…。まあ島住みの私も人のこと言えないが。

「19時の便だよね。まだ少し時間あるし、もう荷物とかまとまってるんでしょ。もうちょっとここで暖まりながら話そ!」

 私は二つ返事でうなずき。二人で3時間もガールズトークに花を咲かせていた。


 

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