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お店は10時に開ける。
ただし、当店は大変悲しいことに本土から20kmほど離れた離島。
小中あわせて今は数名。最盛期の10分の1以下である。
そんな中私がお店を引き継いですぐやったのが規模の大幅縮小だった。
10時に開けておきながら今日は平日なので3時間は暇確定。なのでカウンターで作業したり、突っ伏して寝てたりする。
「…」
「……」
「………」
暖房が聞き出した。暖かい…。今年は本当に寒すぎr――
「こんにちはー!」
女の子の声に反応して「うぐっ…」と変な声を出しながら飛び起きる。
時計を見ると13時を回っていた。あーもうそんな時間か。よく寝たー!
いつも学校終わりにやってくる女の子。そして100円握りしめていつも決まったものを買っていく。お気に入りなんだろう。
「おねーちゃんこれください!」
「はい。えーと、これとこれとこれで88円です。」
トレーに100円置いた少女にお釣りを渡す。
「おねーちゃんいつもありがとう!」と言って帰っていった。
この女の子が帰ったということは学校が終わったという合図だ。
「さて、」と一言放って一回中へ行って緑茶のティーパックを新しいのに取り替えて指からお湯を出す。
半分入れたところで3分待ってその後手から氷を6個ほど出して熱いマグカップに入れる。
……非常に便利な能力を持ったな。私よ。産まれたことに感謝するそ。
ポットのお湯もちょうど沸いたらしい。
なおポットの水は私の魔法で出した水。やや軟水。なぜ私の魔法から飲める水が出てくるのかは謎だがとても便利に使わせていただいている。