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私の名前は鈴谷紗奈。大学卒業後に3祖母が営む駄菓子屋を引き継いだ。
引き継いだとはいえど今も祖母は健在。なので時々祖母に店番を任せることも。
現在朝9時過ぎ。
私は自室で現在進行形でテレビ会議中。
テレビ会議の理由としては単純に国外の人々と会議してるから。
一般人から見ると行政のお偉いさんとか外資系企業との会議とか色々考えることができる。
まあ私が所属してるのは外資系かというと首を縦にも横にでも振ることができる。
ただ、研究者などには絶対に見つかってはならないという一生付きまとうような使命がある。
「鈴谷さんはどう思いますか?」
お茶を湯飲みに注いでる中急に振られ少しドキッとする。
「このままでいいんじゃないでしょうか。別に国際的にも大した動きないですし。」
「じゃあ決議しまーす。タブレットに送るので票を入れて送信お願いします。」
毎回の会議は緩い。来年度予算の会議の方が会議らしい会議してると思う。
「賛成多数で可決いたします。それでは魔法協会会議本日は閉会いたします。」
その言葉を合図に一斉に退出が確認されて私も退出した。
気が抜ける。大きな伸びをする。
「さて、あける準備しますか。」
私は杖を持ち、戸棚を開けてそこからマグカップを取る。
そしてティーパックの包装を破り、手持ちの紙ごとマグカップの中に入れて、そのまま杖の先から熱々のお湯を注ぐ。持ち運ぶのは自分のお仕事。
ここまでくると一般人は『不思議だ。』だの『手品』と思われるが。
――私は世間から見れば正真正銘本物の不思議ちゃんだ。
私は魔法が使える。簡単に言うと魔法使い。他の人にはない国内では私にしか使えない珍しい能力の持ち主なのだ。