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この世界の成り立ち

ここから本に基づく描写が入ります。次がすぐ気になる人は一番上の行を読んで、一番下までスクロール。

チリンチリンと甲高い音のベルが部屋に小さく響いている。


「リタさーん、起きていますか?」


扉の外から声が上がった。声の主はアイザックだ。


「アイザックさん!!お願い!助けて!誰か入ってきてたかもしれないの!!」


事態はアイザックが来る1時間半ぐらい前に遡る。


昨夜は何も考えずにベッドに潜り込んでしまったが、勝手に8時過ぎに目が覚めた。

まだアイザックが訪れる時間まで猶予があったが、二度寝するとまた起きれる自信がなかったので、起き上がることにした。


大きく伸びをすると、ベッドの横にサイドテーブルがあり、分厚い一冊の本が置かれていることに気がついた。

興味を惹かれてパラパラとめくってみる。


なになに?コロンバス連合世界の歩き方?どこかで聞いたことのあるガイドブックの名前と似た本を手に取り、お風呂に浸かりながら読もう、と思い立つ。


コロンバス連合世界とは、この国の名前だろうか?


この部屋に入った時とは別の扉が1つ室内にあったので、本を片手にここが洗面所だろうと予想をつけ、開けてみる。


「当たりー」


ビジネスホテルのようなユニットバスにお湯を溜める。その間に顔を洗い、用意されていた歯ブラシを使わせてもらう。

お湯が溜まりきるのを待つのも暇なので、先に体をつけて本でも読んでいよう。


下着とワンピースを脱ぎ、置くとこがないな、困ったな、と一瞬思ったが、とりあえず濡れないようタオル掛けにかけることにした。

昨夜いつの間にか履いていた銀色に輝く履き心地の良い靴も角に寄せると、シャワーカーテンをシャッと閉めた。


本が濡れないように注意しながら、バスタブに体を埋めると、足首まで溜まったお湯の温かさが強張った体を僅かにほぐしてくれた。


「コロンバス連合世界の歩き方」


芸術や音楽、ギャンブルや観光、食、美容とファッションなど、魅力に溢れる多種族が住むコロンバス連合世界。

この連合世界に住まうのは、人族、妖精族、獣人族と魔族である。


コロンバス連合世界は広く、4つの国に分割され、各国が同盟を結んでいる。それぞれの国は各種族の王が治めている。

各種族が治める国は全て5つの領土で1国となる。5つの領土は25州から構成される。


挿絵(By みてみん)


種族毎に州を管理する公爵家が存在しており、州の管理を任されているのは合計15家ある内の5家のみと決められている。

5つの公爵家は初代の王の子供達で、その血は途絶えることなく、今では第20代目となっている。

各公爵家は5箇所ずつ州を管理している。


各州は侯爵家の管轄だ。1つの州は5つの「地」から成り県は伯爵が運営している。地には街がいくつかあり、その街の大きさに応じて子爵や男爵が取り仕切っている。


「つまり、1つの国には125の地があるのか。125地は25州に分類され、25州は5つの領土に属し、その領土を公爵家が治めている。その5つの公爵家の上には王様がいる、ということか。」

声に出したら理解度が深まった気がする。


次は各国について説明がされている。


北方にあるのは魔族の領土で、名前をソレロシン王国。極寒の地であるが故に地底都市が築き上げられた。


ギャンブルや色街などの娯楽が主な産業である。見た目は妖艶な美女に見えて、300歳なんてこともあるが、そこはご愛敬。派手に遊びたかったらここに行けば間違いない。


でも不敬は働いてはいけない。魔族は攻撃に最も特化した種族だ。ギャンブルで借金を作って逃げようとしたが最後、攻撃魔法を右手に地獄の果てまで回収しに来るだろう。


身体的な特徴として、目は皆一様に赤黒く、髪色は緑や赤や青など様々だが、全体的にやはり黒っぽい色をしている。

鋭い牙や爪を持ち、耳が尖がっている。一部ツノが生えている者もいる。

羽はコウモリ寄りの形状をしており、鋭く機敏な動きで空を舞う。獣人よりは劣るが、身体能力にも優れ、強い攻撃魔法を自在に操る。


南方は妖精族の領土、オセアキョク王国。音楽や芸術、青い海や温泉、夜でも滝に虹がかかっているのが見れる、美しい自然に囲まれた国である。ストレス社会で働くあなたにはぜひここでリラックスの限りを尽くして欲しい!


妖精族は慈愛溢れる心優しく美しい種族だ。強い魔力を持つ者が多いが、攻撃よりは防御や回復に特化している。


しかし侮るなかれ。


魔族と同様長命なため、退屈凌ぎに悪戯を仕掛けてくる事があるが、本人達に悪気は全くないのが憎めないところ。


目と髪の色は連動している傾向にあり、魔族とは異なる色合いを持っている。髪色は白っぽく、薄い緑やピンク、青、ブロンドなどが見られる。

一方瞳の色は宝石のように透き通る、髪と連動した色を持っている。魔族とは違う、虫のような羽を持つが、耳は魔族のように尖がっている。


西方には獣人族の領土、ヨアフパロ王国。食の革命家と言えば誰もが獣人族を挙げるだろう。食を貪欲に追求している種族は獣人族以外にはいない。

あらゆる種族が美味しく食べられる味覚を研究している、美食家達が住む国である。


心ゆくまで食べに食べたいあなたはここで頬を溶かすが良い!


獣人族の魔法は他の種族のように放つことが出来ない。その代わり、自身に身体強化の魔法を付与することができ、身体能力の高さだけはどの種族よりも優れている。

気がついたら後ろにいた、というのはザラで、山を軽いパンチ一回で粉砕してしまうことも可能だ。


性格はカラッとした面倒見の良い親分気質な傾向にある。一方で不味い物を食わせると物凄く機嫌を損ねてしまうので注意されたし。


髪色や瞳の色は人族に似ており、魔族や妖精族のような翼や羽、ツノはないが、鋭い爪や牙を持つ。他の種族にある耳の位置に魔獣と同じ形の耳が生えている。そのため、嗅覚や聴覚にも優れている。鼻の形状は人族と変わらない。


全く異なる点は、尻尾を持っていること。このしっぽがあることによって不安定な足場も難なく歩み進むことができる。


最後は東方の人族の領土、ニチアメリ王国。ニチアメリ王国の最も栄えている街として、アメリゴ都市がある。この都市では全種族の物が揃っている。

最先端のファッションや多種族料理、妖精の奏でる美しい音楽など、あなたが欲しいものは人族の領土、ニチアメリ王国でほとんど揃うだろう。


手軽に種族間の文化を楽しみたければここがおすすめ。


人族も魔力を持ち、魔法も放つが、その威力はどの種族にも劣る。身体能力も獣人族や他の種族とは比べ物にならないほど弱いが、その分繁殖力に優れている。

その非力さを補うべく、魔法とは異なる、魔法陣を使用した魔術が発展している。攻撃型魔術は魔族並みの威力がある。


狡猾な者が多く、時折群を抜いて知能が高い個体が現れ、その者が人間社会に大きな変革を与えることがある。


髪と瞳の色の連動性は特に見られない。特筆すべき身体的特徴はなく、髪や瞳が白っぽかったり、黒っぽかったりすることもない。


コロンバス連合世界って、私が今いるこの国の事かと思いきや、文字通りこの世界の説明だったのか!


「特徴からしてアイザックは人族っぽかったし、おそらく私は東方にある人族の領土、ニチアメリ王国にいるのかな?」


30分ぐらいは読んでいただろうか?本を読んでいる間に溜まっていたお風呂にゆっくりと浸かっていたせいで少しのぼせ気味になってきた。

まだまだ続きがあるが、一旦本は中断して、全身を洗って上がろう。続きを読む機会はまだあるだろう。


バスタブの水を流しながら体と髪を洗うことにした。


シャンプーやボディソープもあり、文化的に困る要素は無さそうで安心した。

バスタブの水があらかた流れたのを確認するとタオルに手を伸ばした。体を軽く拭いたあとは、下着、下着っと……



この時に事態が発生したのだ。



「あれ?ない!!!下着もワンピースもない!!靴までもなくなっている!」


なんと衣類がなくなっていたのだ。


な・に・が起こった……!


本を読んでいる間はシャワーカーテンを閉めていたが、静かに読んでいたのでもし侵入者がいたのであれば気がついたはず。

であれば、体を洗っている時に誰か侵入したのか?


人の下着を盗む奴なんて変態だな!!

いったい私の下着とワンピースと靴で何をする気だよ!


「……ナニをする気だよ!!」


あまりの混乱に一瞬邪な考えがよぎってしまったが、今はそれどころではない。そうこうしている間にアイザックがやってきてしまう。


残りの30分間、部屋に無意識で服を置いたのかと思い、体に巻いたタオル一枚でひたすら探したのだった……。


自分でも読み返していて誤字脱字に気がついたら最後直していきますが、報告も貰えると嬉しいです・・・ありがとうございます!

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