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ありがちな物語  作者: 二十六
序章─才能開花
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プロローグ:転生

俺の名前は松井翔太で年齢は24歳で誕生日は6月、学歴は○○中学そつで…ES(エントリーシート)を書きながら、俺は面接時になにを話そうか考える。大体どんな研究を大学ではしていたか、とか自分のアピールポイントはどこか、とか話そうとか考えていたあたりでふと、ペンが止まっていることに気付いた。「そういえば俺、大学で何してたっけ…」

幼少から「いい大学に入りたい!」と、勉強しかしてこなかったため浪人してまでいざ一流大学に入るとそこで燃え尽き、結局留年するほど遊び呆けたまま卒業を迎えてしまう。

すっかりとやる気を無くしてしまった俺は席を立ち、会計に向かう。安いコーヒーしか頼んでいないので内心ビクビクしながら会計を終え、帰り道も今までの人生について考えながら歩いていた。

それが悪かったのであろう。

横断歩道を渡っている最中、横から俺に向かって走って来ているトラックに俺は気が付かなかった。気付けなかった。俺は死んでしまった。




気がつくとそこは白く、何もない空間であった。

「おーい、ここはどこなんだー!誰かいないのかー!」

大声で叫んでみても誰も返事をせず、途端に心細くなってきた。とりあえず人を探そうと思って立ち上がろうとすると、自分に足がないことに気付いた。そこで、自分は死んだことを思い出した。

「ああああぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛」

俺はそこで気が狂いそうになり大声で叫んだが、白い世界はそんな俺を受け入れるかの如く静寂を保っていた。

どれだけの時間叫び続けただろうか。ようやく冷静さを取り戻した俺がとりあえずここはどこか確かめようとあたりを見渡すと、遠くに人影のようなものがみえた。俺が必死にそっちに向かって飛ぶとその人影はこちらをむいて手を降っていた。

『はじめまして。私はここで死んでしまった人々を別の世界に送る仕事をしているものです。マツイショウタ様ですか?』

俺は思わず、「何を言っているんだ?」と言った

『ですから私はあなたがたの国の言葉で言うところの"転生"を担当しております。マツイ様は生前仏教の国にいらしたと聞いていたのですが…』

「確かに俺の名前は松井であっているが俺は宗教なぞ信じていない。」

『なるほど、仏教には輪廻転生という考えがありまして生きとし生けるものは全てこの世界で巡っているといった感じの死生観だったためでして、上にできる限り死者の信じていた死後の世界を演出するようにと言われておりまして…申し訳ございませんこちらの手違いだったようです。今死後の世界は大忙しでして余りチェックに時間をまわせなくて…本当に申し訳ございません。すぐに別の者の所にお送りしますので…「大丈夫ですよ。俺は別に転生しても。」』

彼女はとても嬉しそうな顔をして、『本当ですか?!ありがとうございます。』と言うやいなやなにかを唱えだした。

「え、ちょ、もう行くんですっ?!まだ心の準備とかもできてないですし!」

彼女はひと仕事終えたような顔で『それでは、行ってらっしゃいませ』と言うと、私の視界は黒く染まっていった。


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