加奈子は涼と手をつないで真緒のお屋敷に
加奈子は、少しビビった。
「・・・こんな高級車って乗ったことない」
「ピカピカのBMW・・・どうやって乗るの?」
「しかも、運転手付き?いったいこの人達って何?」
普通に乗ればいいと思うけれど、おっとり加奈子はオロオロ加奈子になってしまった。
車に乗っても、涼は相変わらず「ヒッソリ」だし、真緒はコクリコクリと寝てしまう。
加奈子は思った。
「私、すごく場違い」
「それにどこに行くの?」
「これって誘拐?拉致?」
こうなると、ますますオロオロ加奈子である。
さて、そんな状態で高級BMWは都心を抜け、閑静な住宅街。
涼がポツリ。
「ここ、駒場の東大に近い」
加奈子
「え?東大に行くの?」
なんともピントがはずれた質問らしく、涼はクスッと笑う。
涼
「違うよ、真緒さんのお屋敷に行くの」
加奈子はまたしても「?」
「・・・お屋敷・・・え?」
となるけれど涼は
「加奈子さん、あそこに見える」
と、細くて長い指を伸ばす。
加奈子
「え?きれいな指・・・じゃなくて、え?」
ついつい、涼の指をオロオロ加奈子は見てしまったけれど、涼の指の先を見ると、「確かにご立派なお屋敷、洋館」が建っている。
加奈子は驚いた。
「ほーーー・・・これからあそこに?」
つい身を乗り出すと、
ほぼ同時に真緒が
「ふぁーーー」と大きな背伸びと、あくび。
どうやら目を覚ましたようだ。
そして真緒は加奈子に
「ところで、加奈子ちゃん、お酒大丈夫?」
突然、聞いてきたものだから
加奈子
「あ!はい!・・・たしなむ程度で・・・」
と、答えた。
それを聞いた真緒
「よしよし、ワイン追加だ!」
「昼から飲めるなんて最高だ」
すると涼は
「え?マジ?」
頭を抱えている。
加奈子は、よくわからなかったけれど、それは「お昼から飲むことへの呆れ」と捉えた。
確かに、それは世間一般の常識みたいなものだと思った。
そんなやり取りが少々あったけれど、ついに高級BMWは、真緒の「お屋敷」の玄関前に横付けになった。
涼が先に降りて、加奈子の手を握ってきた。
加奈子
「・・・どうしよう・・・こんなお屋敷で・・・」
と思ったけれど、すぐに
「でも、涼君の手、気持ちがいい」
で、落ち着いた。
そして、車を降りたのだけど・・・
涼と手はつないだままになっている。




