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連絡一つ出来ず眠れぬ夜を過ごす加奈子
さて、加奈子はどうしても涼とコンタクトを取らないといけない。
その方法を、自分のアパートに帰って、様々考えはじめる。
「ライン・・・でもつないでいない」
「次の練習は、一週間後だ」
「待ちきれない、音大で見かけたら声をかけよう」
「でも、練習日でもないのに?って言われたら次の言葉がない」
「おっとりの私とヒッソリの涼君かあ」
「難しいかなあ」
「でも、彼のピアノでフルートを吹く時が一番幸せを感じる」
「教授のピアノだと、固くて、嫌」
「すぐに音程とかリズムがどうのこうのだし、ニュアンスが出せなくなる」
「でも、涼君のテンポ設定が絶妙なんだ」
「だから自由に吹ける」
そこまで考えて、またはじめにもどる。
「そうかあ、連絡方法か」
「住所と電話番号か」
「ピアノ科の誰か知らないかな」
本当は、自分がピアノ科まで出向いて、直接本人に聞けばいいのに、なかなかおっとり加奈子は、それができない。
ベッドで横になっても枕を抱えて、いろいろ考える。
「連絡ができるようになったら」
「それは一緒に練習をする」
「おたがいをよく知り合う」
「それは音楽だけかな」
「・・・音楽以外?」
「え?それ何?」
「変なこと考えちゃうって・・・」
加奈子は、その夜は一睡もできなかった。




