表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/27

だんご三兄弟⁈


清流館 PM14:00


平米(苔太郎の養父)「苔!おるか苔!」


苔太郎「はい、何ですかおとうさん」


「ひじり(養母)が緊急手術や、おまえも来てくれ」


苔太郎「子宮の腫瘍が暴れだしたんですか?」


平米「せや、何か持っていくものはあるか?

こないな時どないしたらええんや、わし不安で不安で」


苔太郎「おかあさんのことですから着替えやら

要るものは持って行ってはると思いますけど」


平米「病院ちゅうのはわし好かん落ち着かんのよ

ドモホルンリンクル臭うて」


苔太郎「おかあさんに怒られますよ?

ホルマリンですか⁈それもまた違いますけど

まあ、薬品の匂いがしますね」


平米「わし、もう家の神棚で祈っとくさかい

苔が側についとったってくれ」


苔太郎「そんな殺生な、行きましょうよ」


平米「わし…わし…」


平米は神棚の前で体を丸めて小刻みに震えていた


苔太郎は覆いかぶさるように平米を抱きしめた


苔太郎「簡単な手術て病院の先生も言うてはりました

きっと良くなります」


平米は泣いていた


ふたりは団子のようにくっついたまましばらく離れなかった


聖と動物園に行った時の話や苔太郎の幼稚園のお遊戯会の話など

くっついたまま話し込んでいた


平米「わしが入院したいわ」


苔太郎「何言うてるんですか」


聖「ただいま〜

松坂慶子が帰りましたよ〜」


聖「…あんたら団子みたいにくっついて何してますの?

迎えにもこんと」



平米「…‼︎聖‼︎…?そんなに時間経ってたんか?」


苔太郎「大丈夫ですか?タクシーで帰って来はったんですね」



聖「大丈夫、

スッとしましたわ

今日はお寿司とりまひょ

はぁ〜疲れた、やっぱり家が落ち着きますなぁ

…そろそろ離れたらどないどす、気色の悪い」


平米「聖、おまえもくっつこう」


聖「だんご三兄弟やあるまいに、

あほいいなさんな」


苔太郎「僕、お茶淹れてきます」


平米「わし、泣いとらんよ⁈」


聖「おおきに」


平米「だから泣いとらんって‼︎」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ