苔太郎の知られざる趣味⁈
和菓子屋 清流館
女将「苔太郎はん、
あんさん、一日中ぼーっとして
何か始めたらどうどす⁈」
苔太郎「はあ…」
女将「まぁ仕事は熱心や思いますえ
せやけど他に何かおますやろ
小鞠の若は飴細工で有名でっしゃろ
こないだもコンクールで優勝
あんさんも始めたらどうどす、飴細工
芸術的どすえ?」
苔太郎「へぇ…」
女将「…あんさん、遠慮しとるのと違うか?」
苔太郎「…」
女将「養子やからて怯むことあらしまへん」
苔太郎「それは違います
飴細工は素晴らしい
だけど一日では完成しない
災害や事故で自分がいつ死ぬかもわからない…
それやったら…」
苔太郎「それやったら僕は和菓子を作りたい
そりゃあ和菓子は消費するものかもしれません
でも僕は一日一日、懸命に生きる人に寄り添える、
そんな和菓子を作りたい、ただそれだけなんです」
女将「へえ…感動的どすな
そない思って毎日作りはったんやね」
苔太郎「ええ…まあ」
女将「ほな、あれはなんどす⁈
あんさんの部屋にいーっぱい飾っとる
ガンダムのフィギュア、一日で完成しますのんか!」
苔太郎「僕そろそろ杏子で食べてきます」
女将「こら、待ち!
小鞠には負けとおまへんのや!
飴細工!コンクール!頼んます!
苔ちゃん!」
苔太郎「ほな、行ってきます」