ナポレオン2号の羽織りと羽振り
ナポレオン2号とタキシードは
互いの額に銃口を突きつけていた
ナポレオン2号「恋人じゃないんだ
これ以上見つめ合ってどうする」
タキシードは額に脂汗をかいていた
ナポレオン2号「子供を虐める気はない
何が欲しい、素直になれ」
タキシード「おまえの財宝全部だ‼︎」
ミャオ〜ン
三毛猫が横切った
BANG‼︎
ナポレオン2号は一瞬、額から銃を離し
猫の頭に発砲し、
またすぐにタキシードの額に銃口を戻した
ナポレオン2号「人生は短い
俺の財宝全部?」
ナポレオン2号は二度瞬きした
タキシードは汗が目に沁みたが
恐怖で目を閉じることができなかった
自分より暴力的な男に初めて対面した興奮もあった
ナポレオン2号は静かに目を閉じ両手を広げた
「さあ、撃て」
ナポレオン2号は透けるような肌に
汗ひとつかかず
銀白色のまつ毛が輝き
なんとも美しい横顔だった
ナポレオン2号「♬アメージング グレース
ハウ スウィート ザ サウンド」
タキシードは見惚れているうちに
みぞおちを一発殴られその場に倒れ込んだ
タキシード「ゔゔ」
ヘビ皮のブーツで顔を踏みつけられた
ナポレオン2号
「手下になれ、気に入った」
タキシードの頬からブーツを離し、
ゆっくりしゃがみこむと
今度はこめかみに銃口を突きつけた
ナポレオン2号
「猫に価値はある、おまえに価値はあるか?」
タキシード「くっ…はぁはぁ」
ナポレオン2号「考えるな、応えろ!」
タキシード「金をよこしやがれ!」
ナポレオン2号「…上着が汚れた くれてやる」
タキシードに上着を被せてこう言い放った
ナポレオン2号「ポケットをみろ、ベルが鳴ったら出るように」
そう言うとナポレオン2号は何処かへ立ち去ってしまった
タキシードは滝のような汗をかいていた
ナポレオン2号の羽織りから携帯電話と
なんと10万ドナーが出てきた
〜♬
すると見計らったかのように携帯電話が鳴った
「金は好きに使え
ただし俺からの呼び出しに必ず出るように」
タキシード「あ、、、」
ナポレオン2号「はい、は?」
タキシード「はい」
ツー…
はぁ…
タキシードはまるで
恋する乙女のように深いため息をついた