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ツィギーが危ない‼︎ー深海のジジイ男泣きー


グローリア「ツィギー♬

入るよ?」


ツィギーは瓶を握りしめたまま

床にひれ伏すように倒れていた

真っ赤な錠剤が床に散らばっている

常用していた鉄剤だった


ツィギーーーーー‼︎


奇声とも言えるグローリアの悲鳴が響いた


グローリア「救急車、どうしよう誰か

そうだ深海のじいさん‼︎」


グローリアは救急車を呼び深海のジジイに電話した


♬〜


グローリア「はやく出て‼︎はやく‼︎」


深海のジジイ「おは、どしたの?こんな朝はやく」


グローリア「助けてじいさん‼︎

ツィギーが‼︎…死んでる!」


深海のジジイ「とにかく胸を思いっきり叩け‼︎

人工呼吸もせえ‼︎すぐ行く‼︎」


なんと救急車が来る間もなく

深海のジジイが到着した


グローリア「じいさん‼︎」


グローリアは泣きながら必死にツィギーの胸を叩いている最中だった


深海のジジイ「立てるか?さあ行こう」


深海のジジイはやせ細ったツィギーをひょいと肩に担いで

階段を駆け下りた

スカートのフリルがひらりと風を切った

オープンカーに乗せられたツィギーはチアノーゼを起こしていた


深海のジジイ「グローリア、命は惜しくないか?

わしゃ老いぼれ、あんたは先がある、タクシーで来てもええぞ」


グローリア「一緒に行きます‼︎」


深海のジジイ「行くぞ‼︎

肋骨が折れてもええから思いっきり叩き続けるんじゃ‼︎

グローリア‼︎」


キィーーーーーーー


タイヤがアスファルトに擦れる音がした


ファーーーーーーーーー


クランクション鳴らしっぱなしで

深海のジジイの車は猛スピードで発車した

ピンクのロッキンホースシューズがアクセルを限界まで踏み込んだ


深海のジジイ「2分、いや1分で着く‼︎」


事故を起こしてもおかしくないスピードだった


奇跡は起きた


モーゼの十戒のようにじいさんの車を

全ての車が避け


あれよあれよと言う間に病院が見えるまでに来た時


ツィギーの瞳孔が開き激しい痙攣を起こした


深海のジジイ「いかん‼︎」



担ぎ込まれたツィギーに医師は絶望の色を隠さなかった


ICUの中で儀式のように行われる電気ショック


深海のジジイが大勢の看護師を払いのけて

ICUに飛び込んだ


深海のジジイ「どけ‼︎あほんだら‼︎」


看護師「外でお待ちください‼︎

勝手に入られては困ります‼︎」


深海のジジイは引き出しから注射器を、

棚から劇薬 THE O.Bを取り出した


医師「何してるんです⁉︎

あなた正気ですか⁈何するつもりだ‼︎法に触れるぞ!

通報だ‼︎じいさん、ムショで人生終える気か⁈」


深海のジジイ「ああ、人生充分楽しんだわい

その通りじゃ

通報でもなんでもせえ‼︎

ひよっこが‼︎

邪魔じゃ皆どけ‼︎」


手際よくツィギーの木の枝のような腕に注射した


深海のジジイ「ツィギー、つばめちゃん、

息をしておくれ」


劇薬を注射してもツィギーはピクリともしなかった


深海のジジイ「ええい、くそったれ‼︎

もう一発じゃ‼︎」


2回目の注射をした


ピーーーーーー


心拍数はゼロのままだ



へなへなと床にへたり込んだ深海のジジイは急に歌い出した


「ごんべさんの赤ちゃんが風邪ひいた…

そこであわてて湿布した…」



深海のジジイが一粒の涙をこぼした





その時だった


ピッ…ピッ…



なんと心拍数が回復したのだ!


医師「ここからは私が‼︎」





ー2週間後ー




ツィギー「グローリアのマカロン食べたい」


グローリア「お昼ご飯ちゃんと食べてからね」








拘置所


深海のジジイはかなりのびのびしていた


腕の花札の燕がクスリと笑っていた







深海のジジイ「わしゃ留置所でもっかいカツ丼食いたい♡」
















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