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気狂い牧師のしゃぼん玉


ゴーンゴーン

教会の鐘が鳴り響いた




フーッ フーッ


牧師は祭壇に座りしゃぼん玉を飛ばしていた


エレファントマン「今日はヨセフのお話の続きをしたいと思います」


毎週日曜、エレファントマンが牧師の代わりに

聖書の読み聞かせをしていた

もうほとんどエレファントマンが牧師のようなものだった




あなたがたは、私に悪を計りましたが、神はそれを、良いことのための計らいとなさいました。それはきょうのようにして、多くの人々を生かしておくためでした(創世記50章19~20節)



エレファントマン「夢の内容は、

家族が畑で麦束をたばねていると、ヨセフのたばがまっすぐに立ち、家族らの束がおじぎをしたり、太陽と月と11の星が自分を伏し拝んでいるというものでした。」



畑「牧師はどうして気が触れちゃったのかな?」


蘭「結婚前提だった恋人が自殺したらしいよ」


畑「それもまたどうしてかな?」


蘭「さあ、どうしてかな?」


畑「牧師もまだ若いよね?

エレファントのおじさんと同い年だっけ?36歳?」


蘭「そうそう、同い年」







牧師「尊くん(エレファントマンの本名)

疲れました」


エレファントマン「今日はここまでにしましょう

賛美歌312番 いつくしみ深き」


いつくしみ深き 友なるイエスは、

罪とが憂いを 取り去りたもう。

こころの嘆きを 包まず述べて、

などかはおろさぬ、負える重荷を。

いつくしみ深き 友なるイエスは、

われらの弱きを 知りて憐れむ。

悩みかなしみに 沈めるときも、

祈りにこたえて 慰めたまわん。

いつくしみ深き 友なるイエスは、

かわらぬ愛もて 導きたもう。

世の友われらを 棄て去るときも、

祈りにこたえて いたわりたまわん。




畑「牧師さん、喋らなかったときのアキラに似てるかも」


蘭「ああ、そうかもしれない」




麦わらの帽子に麦わらの顔

麦わらの胴体に麦わらの手足




畑「私たち、こうなっちゃってから教会に来てもいいのかな?」


蘭「わからない」


フーッ フーッ


しゃぼん玉の中に虹色

牧師は焦点の合わない目でしゃぼん玉をみつめていた


エレファントマン

「お話したいことがある方は懺悔室へ

牧師がお話を聞きます」


懺悔室に鉄仮面の女性が向かった


畑「あ、鉄仮面の美人さんたまに来るよね

いつも懺悔してる、しかもかなり話し込んで」


蘭「うんうん、そうだよね」


畑「私たちも懺悔する?」


蘭「しない、愛してるから」





エレファントマン

「君たちもたまには夕食を食べていくかい?」



ふたり 「いいえ また日曜日に さようなら」


エレファントマン「じゃあ日曜日に、さようなら」




牧師のたくさんのしゃぼん玉もさようならと言っていた





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