ゴミ屋敷のエリザベスばあちゃん
PM15:00
レッドブル軍団の基地
レッドブル大佐
「俺は片耳は惜しくはない
ただちょっとタキシードに一泡吹かせてやりたい」
ジャン☆G☆ピエロ
「奴は一匹狼でオシャレすぎますからね
俺も似合うならあんな野郎の格好してみたいです」
シャーク少佐「そうか?気取りすぎてないか?」
ジャン「すいやせん、兄貴のほうがオシャレでさあ」
レッドブル大佐「俺がダサいのはわかってる
ラブラブするな」
ジャン「で、どうするんで?」
レッドブル大佐「ひまわり畑の近くに住んでる
エリザベス婆さんを知ってるな?
どうやら伝説のハットピンを持ってるらしいんだ」
ジャン「ブル大佐、飛行帽やめるんですか?」
レッドブル「おれだってタキシードみたいな
シルクハットとかカッコいい帽子を被ってみたい
片耳アピールしたい!ぎゃん!
構われたい!おれについて考えろお前たちだけは!」
シャーク ジャン「。。。」
ーエリザベス城到着ー
玄関から庭先までわけのわからないもので溢れていた
シャーク「女捨ててるのに色々捨てられないのか」
ジャン「捨ててるからこそ捨てられないんじゃ?」
シャーク「たまに的を得たことを言うなジャンは」
ジャン「でへへ」
レッドブル大佐「ラブラブするな
よし、ばあさんに接触を試みよう」
コンコン、コンコン!
ジャン「エリザベスさん、居ますかー⁈」
ミャオン
ガラス戸に一匹の猫
ジャン「開けてみっか」
ガラガラ
不用心なことに鍵は開いていた
ミャーン 猫が表に出た
シャーク「人も捨ててるな」
レッドブル大佐「お邪魔します
エリザベスさん居ますかー?」
エリザベス「誰?タキシードちゃん?」
なんと大胆にも入浴中だった
ジャン「エリザベスばあさん、足悪いんじゃなかったです?
ひとりで湯船なんか浸かって大丈夫なんすかね?」
シャーク「片付けてる…なんでだ?ごみ屋敷じゃないのか?」
レッドブル大佐「垂れ乳は見たくないが、人助けだ」
エリザベス「カモーン、エブリバディ♡」
シャーク「浴室もずいぶん綺麗だな
どういうことだ?」
エリザベス「挨拶の1つくらいしたらどうだい」
こ、こんにちは
レッドブル大佐「いきなり本題だが
あなたの所有している伝説のハットピンがほしい」
エリザベス「ありすぎてわかんないね、
たぶんそれならタキシードにくれてやったよ」
エリザベス「似合うものっつーのがあるのさ」
ザバーッ
エリザベスは気丈にも悪い片足を両手で引き上げ湯船から
出てきた
エリザベス「噂は聞いてる、
レッドブルってんだろ?
あたしあんた嫌いじゃない」
エリザベスは裸のまま探し物を始めた
ジャン「せめてガウンなと」
と言ってジャンは腰に巻いていたストールをばあさんに被せた
エリザベス「これだよ!これこれ!」
それは第二次世界対戦の、
特攻隊のしかもリーダーの飛行帽だった
エリザベス「あたしの旦那のやつさ
ほれ、被ってごらん」
レッドブル大佐は稲妻に打たれたような顔をして
飛行帽を被った
ジャン「かっこいい!」
エリザベス「だいぶん整理がついてね、
カミソリ兄弟もたまに手伝いに来てくれるし
タキシードは常連さ」
飛行帽はずっしりと重く
汗のにおいと
血生臭さが混じって、しかし
タンスの奥でしまわれていた白檀の香りがした
レッドブル大佐「なんだか胸がいっぱいで
今日は帰りますが
また来てもいいですか?」
エリザベス「ウェルカムウェルカム♡」
シャーク「人は見かけによらず、か」
ジャン「安心しやした!やっぱりボスは飛行帽ですよ!」
レッドブル大佐「ありがとうございます!」
ミャオ〜ン
たくさんの猫たちが
またおいでと言っていた
咲いたばかりのひまわりが微笑んでいた