表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚士、頑張ります。  作者: 泉あられ
7/9

第七話 ー 『コランクル』

物語も終盤です。

 目が覚めると、明るい日差しが私を照らしていた。


「おはよう、シェミィ。」

「あ…おはようございます。」


 聞く所によると、私は布団も敷かず、まるで倒れたかのように寝ていたという。


「体調は平気か? もう少し休憩しても構わないが…。」

「いえ、平気です。頑張ります!」

「わかった。ただ、あまり無茶はするな。頑張り過ぎはよくない。夕べは流石に驚いたぞ。」


 布団も敷かず毛布もかけず…。

 ラクネスさんが布団に寝かせ、毛布をかけてくれたようだ。ありがとうラクネスさん。




 宿で朝食を取っている最中、ラクネスさんが、

「後は二鳥にちょうだけか…。」

「時間が過ぎるのって早いですね。ここまであっという間でした。…リザベルスを見かけないのが不思議です。」

「…まだわからないが、四鳥しちょうを追うという説が間違っているのかもしれないな。とりあえずやるだけやってみよう。」

「はい!」



 宿を出てーー


「オッハヨーゥ! 皆元気かーイ! 僕はこの通りだよ☆ ハハッハー!」


 少し経って、リーグさんも出てきた。


「…リーグ、寝坊したな?」

「そんなぁ、責めないでェエ」


 そんなやり取りが続き、


「今日はどこに行くんですか?」


 私が尋ねると、今日は以前私が言ったコランクルという森に行ってみるとの事。

 かなり遠くにある為、まずは金策と買い物をする事になった。



 以来を受け、飛び立つ。 依頼ももう慣れてきた。

 そのせいか、短時間でお金を貯める事ができた。


「次は買い物だな。」


 ラクネスさんの言葉に頷く。


「僕もそろそろ新しい杖買いたいナ☆」

「奇遇だな、私も剣を新しくしたいと思っていた所だ。シェミィ、君は平気か?」

「はい、この杖で充分です。」

「わかった。もうすぐ着く。私とリーグはギルドへ向かう。 シェミィ、買い物を頼めるか?」

「はい!」


 こうして私達は、街に降りて別行動をとる事になった。


「食べ物に、あとは回復剤ポーション…ええと」


 私が戸惑っていると、


「シェミィちゃん、旅してるんだって?」

「え、は、はい。」


 戸惑っていたからか、まさしく戸惑った返事になってしまった。


「以前は毎日のように顔を見せてくれたのに…。つらい事はないかい?」

「つらい事…。」


 ふ、とレイさんを見殺しにした事が頭を過ぎる。

 旅の前の話だけど……

 ーー自分を責める事は、少しは減ったかな。


「最初はあったんですけど、今は旅には大体慣れました。」

「そうかい、頑張って進むんだよ。」


 進むーー


 …今の私は、少しでも先に進めたのだろうか。


 お金を払い、


「では私はこれで。」

「はいよ、いってらっしゃい。」


 ーーお姉ちゃんにルアリー、街の人々。

 勿体ない位、私はいろんな人に背中を押されている。


 …頑張ろう。 仲間は沢山いるのだから。





「お待たせしました!」


 息切れする程超特急で私がかけこんだのは、ラクネスさんやリーグさんのいるギルドだった。


「ヘーイ! その荷物はナンダイ? 僕の袋にいれなヨ☆」

「すまない、力仕事をさせて。」

「いえ、平気です。 リーグさん、お願いします。」


 荷物をリーグさんに渡して、魔法袋に入れてもらう。


「お二人共、武器は買えましたか?」


 一息ついた私は、そう問いかけた。


「ああ、最近切れ味が悪かったからな。」

「僕は何となぁく変えてみたヨ☆」

「…リーグ、旅費を無駄に使うな。」

「そんなぁ、気分転換だよう~」

「…わからないでもないが。」


 私は思った。

 凄い、ラクネスさんが押されている!、と。

 リーグさん恐るべし。


「よし、コランクルへ向かうぞ。」

「はい!」

「アイアイサー!」


 コランクルはここから随分離れた所にある森だ。

 もし四鳥しちょうがいるといえば、色的にグリーンバードだろうか。

 呑気に考えていると、森らしきものが小さく見えてきた。


「あそこか。確かに遠いな。」

「ヤッフー!☆ 加速しちゃう?」

「少しだけスピードを上げよう。」

「わかりました! ミスちゃん、いける?」

「きゅきゅ。」


 私達は少しだけ加速しながら、森の方へと飛んでいった。


「そういえば、このミスルヒーラという獣は、人の言葉を理解できるのだったな。」


 ラクネスさんが頭の方を撫でると、


「きゅきゅきゅ!」


 ミスちゃんは嬉しそうな声で応えた。


「召喚獣は大体従えられるんですけど、この子だけは特別で。誰かが乗っていないと動けないんですが、買い物もできるんです。」

「買い物まで…。 本当に賢いな。」


 ラクネスさんが感心している。

私は苦笑して、


「とは言っても、買い物は大体ジェスチャーも多いですけど、」


 私は続ける。


「私の、大切な親友の一人です。」


「召喚獣の親友か、いいじゃないか。」

「はい、小さい時からの親友です。」



 いろいろ話している内に、コランクルへと到着した。

 リーグさんは、


「あ、やっと来た~!☆ ココだヨォウ☆」


先に森に到着し、手を振っていた。


「リーグさん、早かったですね!」

「イェーイ! 僕位強いとこれだけの速度がでちゃうのサ☆」

「ですが『森』だと、四鳥は目立ちますよね。」

「ああ。 見える所には何もいないがな…。リーグ。」

「ハーイ☆ えっとねー…中央辺りにゾロゾロいるヨーゥ!☆」

「中央か。行ってみるぞ!」




 近くに魔物を発見した。

 中央付近に近付いている証拠だ。


「はあっ!」


 この魔物は、ラクネスさんが一撃で葬る。


「シャッハー! もうすぐダヨウ☆ 皆走って☆」


 リーグさんの言うように、徐々に中央へと駆けていく。


 その先にはーー


 …緑色の、沢山の小さな鳥がいた。


「なんでしょう、ぞろぞろと…」


 キイイーーッ!


「二人共、警戒しろ!」


 ラクネスさんが叫んだ。

 声と同時に小さな鳥が集まってーー


 グリーンバードへと、変貌した。


「そういう事か…。これでは普段は見つからない訳だ。シェミィ、リーグ、気を付けろ!」


 ラクネスさんは一歩だけ後退し、再び地面を蹴った。

 しかし、グリーンバードが巻き起こす猛烈な風に吹き飛ばされてしまう。


「ッ、ぐっ…」

「ラクネスさん!」


 私は素早くミスちゃんを召喚し、転げ落ちていくラクネスさんを上手くキャッチする。


「平気ですか!? 怪我は!?」

「ありがとう、シェミィ。怪我はそれ程ではない。リーグは?」

「浮遊魔法で応戦中です。」

「そうか。私達も急ごう。」


 私は頷き、頂上へと急ぐ。


「みんなぁ、待ってたよ☆」


 リーグさんの声が聞こえてくる。

すると、ふっと体が光る。


「回復魔法とは気が利くな。礼を言う。」

「イヤッハー!☆ 僕ってやっぱり天才☆」


 私はミスちゃんを召喚解除し、大型の龍を喚び出した。


「必要でしたら乗って下さい。」

「助かる、シェミィ。」


 そう言って、ラクネスさんは龍に乗る。

そしてまた素早くグリーンバードに乗り移った。


「グリーンバードちゃんは色敵に炎が弱点カナ? でも山火事になっちゃうから今日は雷魔法でいっくヨーゥ☆」


 ドドドドッ、と直線に放たれたリーグさんの魔法が、グリーンバードに真っ直ぐに直撃する。


「リーグ、私を巻き込むなよ!」

「ハイハーイ☆ わかってるヨ☆」


 ゴウゥッ


 それにしても、物凄い風だ。

私はラクネスさんとは違い、中々近付けない。

少し離れた所で召喚する。


「狐さん、出ておいで!」


 私は以前召喚した、大型の狐を呼び出した。

これでも、何とか風を凌げるだろう。飛ばされる心配は無さそうだ。


 リーグさんは、相変わらずかなり高い所から攻撃していた。

 ラクネスさんも、かなりグリーンバードに攻撃している。


 狐さんは突進していたりと、私も少しだけ戦闘している。


「シェミィ、出番だ!」


 私ははっとした。


「ーー聞け、緑輝く光る獣よ。 我が命に応えよ。」


 グリーンバードは静かになった。


「我が名はシェミィ・ユミアル。いざ、我がものとなり、従え!」



 グリーンバードは緑の光になって、私に吸収されていくのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ