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04 スライムさんと練習

「こんにちは」

 私はよろず屋に入った。


「いらっしゃいませ!」

 スライムさんはカウンターの上に現れた。


「きょうは、なにをおもとめですか?」

「薬草をひとつ」

「はい!」

 スライムさんは薬草を持ってきた。


「7ごーるどでございます」

「はい」

 私が10ゴールド硬貨を置くと、スライムさんは素早く1ゴールド硬貨を三枚置いた。


「ありがとうございました。またきてください」

 スライムさんは体を折ってあいさつをした。

 私は大きくうなずいた。

「うまくできたね」


「じゃあ、もういっかいおねがいします!」

 スライムさんは言った。

 私は薬草と1ゴールド硬貨三枚を返して、10ゴールド硬貨を返してもらった。


 今日は、スライムさんがきちんと仕事ができるように練習をしていた。薬草の値段はすっかり覚えてくれたし、受け答えもしっかりしてきた。


 私はお店に入り直す。

「こんにちは」

「いらっしゃいませ!」

 スライムさんはカウンターの上に現れた。


「きょうは、なにをおもとめですか?」

「薬草をひとつ」

「はい!」

 スライムさんは薬草を持ってきた。


 私はまたお金を払って、おつりをもらう。

 スライムさんは満足そうだ。

 もうすっかりよくできた。


「じゃあ、こんなものでいいかな」

「もういっかいやりましょう!」

 スライムさんは言った。

「また?」

「よくできたので!」

 スライムさんは、練習が楽しくなってきたようだ。


 私はまたお店に入り直した。

「こんにちは」


「いらっしゃいませ!」

 スライムさんはカウンターの上に現れた。


「きょうは、なにをおもとめですか?」

「羽根帽子をください」

「はい!」


 スライムさんは薬草を持ってきた。

「7ごーるどでございます」

「薬草じゃないよ」

「え?」

「羽根帽子をくださいって言ったでしょ」

 私が言うと、スライムさんは目をぱちくりさせてから、笑った。


「ごじょうだんを」

「羽根帽子をくださいって言ったよ」

「やくそうをかう、れんしゅうじゃないですか」

 スライムさんはなおも笑う。

「練習のための練習はだめなんだよ」

「そんなばかな!」

「ちゃんと、お客さんの話を聞いていないと、もう来てくれなくなっちゃうよ」

「とれいしーさんも、もうきてくれませんか?」

 スライムさんが、ちょっと悲しそうに言う。

「私はエイムです」

「えいむさんも、もうきてくれませんか?」

「私は来るよ」

「やった!」

 スライムさんはぴょこぴょこカウンターの上を走りまわった。


「じゃあ、もう一回やる?」

「はい!」


 私はまたお店に入り直した。

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