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324 エイムと。

「こんにちは」

「こんにちは。」

 私のあいさつに、スライムさんはぴくっ、とした。


「どうかした?」

「いえ、べつに……、こんにちは……」

 スライムさんは、おかしいですね、とつぶやいた。


「今日は、薬草をもらうね。」

「??」

 スライムさんは私を見た。


「どうかした?」

「いえ、なんでも……」

 スライムさんは、おかしいですね、とつぶやきながら、薬草を出してくれた。


 私はお金をカウンターに置いた。

「ありがとうございました!」

「こちらこそ。」

 私が言うと、スライムさんは、むむっ? と言った。


「えいむさん、なんか、きょう、へんじゃないですか?」

 スライムさんは言った。


「やっぱりそう思う?」

 私は言った。


「お母さんは気にならないって言ってたんだけど、私も、自分でなんだか変だなあって思うんだよね。」

「なんでしょうね?」

 スライムさんは体をひねった。


「自分のことだからか、あんまりよくわからないんだけど。スライムさんから見て、どう?」

 私は手を広げて、自分の姿を見せた。


「みためは、かわらないきがしますね……」

「そう。」

「ん?」

 スライムさんが、ぴくり、とした。


「どうかした?」

「……いえ、きのせいですね」

 スライムさんは、ぷるん、とふるえた。


「体調が悪いとか、そういうこともないし……。」

「?」

「じゃあ、気のせいかな。」

「……なんだか、つめたいきがしますね」

 スライムさんは言った。


「冷たい?」

「いまのは、つめたくないです」

「どういうことかな……。」

「! いまのはつめたいです!」

 スライムさんは、ぴょん、ととんだ。


「言い方が冷たいってこと?」

「そうです! それはだいじょうぶです!」

「いつもは冷たくないの?」

「はい! それも、いつもも、だいじょうぶです!」

「でも、今日は冷たい。」

「! それです!」

「? どれだろう……。」

「いまのもです!」


 私はすっかりよくわからなくなってしまった。


「冷たいのは、あんまりよくないよね?」

「はい! いまのはだいじょうぶです!」

「いまのはだいじょうぶ。」

「それはだめです」

「えっと……。」


 よくわからない話だけれど、スライムさんが私に嫌がらせでこんなことを言うわけはない。

 とすると、なにか、あるはず……。


 私は自分の言い方を思い返していった。


「わかったよスライムさん?」

「なんですか! いまのはへいきです!」

「疑問なら、だいじょうぶかもしれないね?」

「?」

 スライムさんは、私をじっと見た。


「たしかに、いまのはだいじょうぶでしたけど」

「でしょう?」

「いまのもです!」

「だから、ふつうに話すとあぶないけど。」

「それです!」

「疑問だと?」

「へいきです!」

 私はうなずいた。


「だから、私は、疑問を持つことにするね?」

「ちょっと、それはそれで、へんですけどね!」

「はっ!?」

 たしかに……!


 私たちは、どうしたら冷たくならないのか、しばらく相談した。

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