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紅い死神の征魔戦争  作者: 雨色 A音
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44/83

第44話 長き一日、そして決意

今回字数数えた8000字超えてやがった‥

それではいつもより長めですがお楽しみください!

「任務は一週間後‥俺の刀ができるのも一週間後‥暇だな」


「傷は大丈夫なのかにゃ?」


「俺の回復力舐めんな。あの程度の刺傷はお前に運ばれてる時点で治ってたんでな」


「じゃあ俺がこうやってお前をハンバーガーショップにおんぶして運んできたのは?」


「別におぶる必要は無かった」


「はっはっはー‥ふっ!」


「うわあああ! ストローが目に!!」


ベロニカとの模擬戦を終え、夕方の日に照らされながら叶夢と豹助の二人は外のテラスの席で夕食のハンバーガーを食べていた。


「ったく‥にしてもさっきの模擬戦随分と苦戦してたにゃ」


「あぁ?‥‥あの程度苦戦に入らねえよ。よく言うだろ? 肉を切らせて骨を断つ。って」


「お前の場合は 重傷喰らって命を断つ。だろうがにゃ」


「上手いな」


「黙っとけにゃ。ふ!」


「あぁぁぁ!!」


豹助は袋のついたストローに口をつけ、叶夢の目に向けて打ち出した。袋は疲れきっていた叶夢では避けきれず、そのまま眼球に直激した。


「お前どんだけ疲れてんだにゃ? これが避けれてないとか」


「ベロニカとメアリーは神経使うんだよ‥戦い方を変えなきゃほぼ勝てない」


「見てれば分かったにゃ‥にしても意外だったにゃ」


「何がだ?」


「お前、ランク戦で超魔族になって以来、全然戦ってなかったよにゃ?」


「そうだな」


「ほら、漫画とかでよくあるだろにゃ? 自分の力に恐怖を覚えるとか‥」


「なるほどな‥無いぞ」


「は?」


叶夢はキッパリと言い捨てる。


「いや、無いっていえば嘘になるな。その件に関してはほんとに迷惑かけた」


「危うくグーパンしかけたにゃ‥」


「待て、時間魔法使いのグーパンは痛覚操作入るから洒落にならん」


豹助は震える拳を収め、ドリンクで喉を潤す。


「全く‥そういや、叶夢がいない間にみんなで考えたことがあったんだにゃ」


「家事当番の分担か? 俺いるとすぐケチはいるもんな」


「お前少し黙れ」


「いってえ! 怪我したところに追い打ちかましてんじゃねえよ!」


豹助は向かい側の叶夢の足に向けて、鋭い蹴りを放つ。叶夢は痛みのあまり、悶絶しテーブルに突っ伏す。


「ったく‥話を戻すにゃ」


「う、うす‥」


豹助は一呼吸置いて話し始める。


「まずこの間のランク戦の暴走。あれは多分31小隊だけじゃ止められなかったにゃ。蝋花やマスク野郎の助けがなきゃ無理だった」


「聞いてる‥」


「戦ってみてわかったんだにゃ。あれはお前を殺す勢いで倒さなきゃ倒せないやつだって」


「‥‥‥」


「あんな悲劇を引き起こさないために、俺達ができることってなんなのかって」


「わかったのか?」


「そんなの決まってるにゃ。ただ強くなるしかない。そして強くなるためには相手を知るしかない。その為にお前と同じゼルリッチの魔子に会う」


「なるほど、同族から調べるってことか」


「お前が異端中の異端なのは朔夜から言われてる。だけど、俺たちは魔族の血が混ざった人間について知らな過ぎるんだにゃ‥」


「知らなくて当然なんだよ‥‥‥そんなイレギュラーは裏にはいたんだろうが、こうやって表向きに出たのがつい最近のことだからな」


叶夢はコーヒーに映った自分の顔を見ながら言う。


「そもそも、暴走のリスクがあるのはお前だけなんだよにゃ?」


「そんなことは無い。朔夜とベロニカだって暴走のリスクはある。ただベロニカには元から魔法の制限が無くて、朔夜は投薬で魔族の本能を抑えてる」


「それ考えたらベロニカってほぼチートだにゃ‥」


「ただ二人はその分俺より回復が遅い。人体欠損なんてしたら、あいつらは生えるのに一ヶ月はかかる」


「じゃあ叶夢はどれくらいかかるんだにゃ?」


「部位は半日。内臓は一日」


「早っ!? というか何で内臓までわかるんだにゃ!?」


「そりゃ無くしたことがあるからな。利き手がもげる事も多かったから、そのおかげで両利きになった」


「もしかしてお前の魔族化しやすいのって‥」


「いやそれは元からって‥」


豹助は深い溜め息を吐き出し、呆れ果てた目で叶夢を蔑むように見る。


「‥‥‥叶夢、一つだけ確認するにゃ」


「お、おう」


「お前、その再生って自分の力でやってるのかにゃ?」


「いや、俺が意識しなくても勝手に再生が始まってて、意識するとさらに早まってた」


「はぁ‥俺の仮説なんだけどいいかにゃ?」


「?」


「その腕自体、再生するのに魔族の細胞を使って再生してるよにゃ? それのせいで魔族の細胞が多めになって復活して、結果的にお前の身体は魔族に近づいた状態で復活する‥違うかにゃ?」


「‥‥‥」


叶夢の空いた口が塞がらなかった。


「‥おまえの自業自得じゃねえか!!」


豹助は声をあらあげながら、手に持ったドリンクの中身を叶夢の顔面に向けて投げつけた。


「うわぁ!‥‥‥なんて事だ‥というかなんで俺わかってなかったんだ‥」


「馬鹿だにゃ! ほんとお前馬鹿だにゃ!」


「ましてやそれを馬鹿筆頭の豹助に言われて気づくなんて‥」


「やかましいにゃ!」


豹助は怒りのままに自分のハンバーガーの中に入っていたピクルスを取り、叶夢に向けて投げる。叶夢はそれを口でキャッチし、そのまま食べた。


「今更だが‥豹助って以外に頭良い?」


「お前が馬鹿すぎるだけだにゃ!‥‥朔夜がこいつを嫌う理由が何となくわかった気がするにゃ‥」


「??」


「ったく‥ともかく! これからはもう少し自分の身体に気を使うにゃ!」


「お、おう‥‥豹助、最後に一つだけ言っていいか?」


「あ?‥なんだにゃ?」


叶夢は照れくさそうに頬を掻きながら口を開く。


「お前のさっきの一言、文章だけだと俺の妻みたいな発言にな」


叶夢はその言葉を最後まで言うことは無く、叶夢の意識は自らの身体に走った鋭い激痛によって身体を離れた。


「気持ち悪過ぎてさっき食ったやつをリバースするところだったにゃ」


豹助は叶夢のフードを掴み、席から引きずり下ろすとそのまま勘定を済ませて店を後にした。


ーーーーー


「いやはや驚いたなぁ、まさかああいう戦い方ができるとは‥」


『無理し過ぎだろ。ナイフを噛んで止めるのは真性の馬鹿と言わざるを得ないか‥』


「頼光は昔はあれ以上の無茶たくさんしてたんだけど」


『ナンノコトダロウナー』


「その度に真白ちゃんに怒られてたよね‥」


リアムは戦闘データを神座に送るついでに、神座と思い出話に花を咲かせていた。


『にしても珍しいな。お前が刀の設計を一から作り直すなんて』


「そりゃそうだよ。叶夢くんの魔力量や戦い方を見ると普通のやつをベースじゃ、多分二日で折れる」


『そう考えると俺がやった訓練用の対魔刀はよく耐えたな…』


「あのデータも見たけど、ようやく今理解出来た。なんで耐久度だけを爆上げさせていたのかね」


『じゃねえとあの乱暴な使用方法に耐えられねえだろ?』


「おかげで制作が難航しそうだ‥」


リアムはモニターに刀の設計図を映し出す。


「今回は試作も兼ねてるから、尚更」


『わざわざ魔煌石(まこうせき)を刀身に使う時点で、お前がどんだけ本気なのか察せるよ』


リアムはテーブルに置かれた魔煌石を手に取る。魔煌石は淡く紅い光を放っていた。


「こいつはアリアドネ封魔石よりも魔力を溜めることが出来るからね。アリアドネ封魔石が文字通り魔法を封じる性質を持ってるのに対して、魔煌石はその逆。石に入った魔力をさらに増幅させる」


『しかしそれが欠点でもある。増幅のスピードが早すぎて、すぐに限界を迎えて砕けちまう。主に魔力を込めて爆弾代わりに使われることのほうが多い‥そんなもので刀身を作るとか、よく考えるよお前』


「丁度趣味の範囲でやろうと思ったところに、今回の戦闘データを見て、叶夢くんの刀を打つとしたらこれしかないって思ってね」


『実験台ってことか‥それにしても、なんでお前まで叶夢にそこまで肩入れするんだよ』


「そんなの理由は1つだよ。僕は彼の人生の顛末を見たい。魔族と人間。二つの生物の間で修羅の道を歩む彼がどんな経験をしてどんな終わりを迎えるのか。ある程度の人間の物語を予想出来る僕でも、彼の結末だけは予想出来ない」


『お前がそこまで言うか‥』


「面白いものを見せてもらえるんだ。これぐらいは安いもんだよ。それに何より‥」


リアムは暗くなった窓の外を見る。


「今回のデトロイトの魔族討伐任務には、サクリファイスが絡んでるんだからね」


リアムの目が少し鋭くなった。


ーーーーー


「おかえりー! 豹ちゃん‥‥どうして隊長そんなに汚れてるの?」


「気色悪い言葉を放ったから背負いたくなくて引き摺ってきた」


客用に用意されたホテルで、豹助と服が茶色く汚れた叶夢を出迎えたのはシャワーを浴び終え、寝巻きに着替えた紫以奈だった。


「うわぁ‥容赦ない。なんて言ったの?」


「言いたくないから想像に任せるにゃ‥」


「想像‥‥どっちが受け?」


「紫以奈、俺は一言もBL関係の発言とは言ってないんだけどにゃ」


「その反応は当たり? もしかして同性なら許されると思った?」


紫以奈の目のハイライトが消え、豹助に向けて敵意が向けられる。


「その死んだ目やめるにゃ‥こいつと恋人とか死んでも嫌だにゃ」


豹助は叶夢を降ろし、リビングに置かれたソファにうつ伏せで寝転んだ。


「うーん‥あれ、ただいま?」


「おかえりなさい。叶夢隊長」


「!‥‥‥ただいま帰りました」


「どうして突然敬語になるんですか?」


「あの、紫以奈さん? なんか怒ってます?」


「そんなことないですよ。私はいつも通りです」


「絶対うそですよね!? 俺の知ってる紫以奈はそんな殺意纏ってないぞ!?」


「実はさっきから機嫌が悪くて‥」


「そんな体調が悪い感覚で言わないでもらえるか!?」


「てへっ」


紫以奈は自分の頭を軽く叩き、舌を出してウィンクをした。


「そういや、他の2人は?」


「千夜はもう部屋で休んでます。白鳩さんは今回の任務の事前資料の確認してます」


「あいつがまとめててくれるなら助かるな‥」


「デトロイトはサクリファイスが最初に現れた場所でもありますから、準備はするに越したことはありません」


「サクリファイス?」


「もしかして知らないんですか?」


「聞いた事ない」


「ちょっと待っててください」


紫以奈は小走りでリビングに向かうと、白鳩に許可をとり一枚の資料を持ってきた。


「これに判明しているサクリファイスの情報が書いてあります」


「わざわざありがと‥えーとなになに‥何だこりゃ」


叶夢はその情報量の少なさに驚いた。判明しているのは第九位の強さを持ち、頭脳が人間並みに発達していること。そして足跡を残さないまま、あらゆる場所に魔族の巣を発生させているという点だけだった。


「こいつが出現した年数と比べても明らかに情報が少なすぎる。征魔連合軍の先輩方は何やってんだよ‥」


「それだけこの魔族は痕跡を残さないことに関して、普通の人間以上に知能が発達してるんです」


「数年の成長速度じゃねえなこりゃ‥」


「でも実際気になりますよね‥この急成長って一体どうやって‥」


「まぁ『捕食』で食った人間の脳を反映させたんだろうが、ここまでの頭の良さにするには理論上数百人は食わなきなきゃ行けないはずだ‥ここまでやってこれしか足跡が残ってねえって事が異常過ぎる」


叶夢は資料を紫以奈に返して、腕を組み考え込んだ。しかしそれと直ぐに入口の呼び鈴が鳴り出した。


「あ、はーい! 今出まーす」


紫以奈が覗き孔から客の姿を確認する。


「あれ? 朔夜隊長にベロニカ隊長?」


「はぁ? 上げなくていいわ」


「すいません、もう開けてます‥」


「おじゃましまー」


「よし出てけ」


紫以奈がドアを開けると、疲れきった朔夜と体のあちらこちらに包帯を巻いたベロニカが入ってきた。


「こっちが挨拶する前に帰れコールとか‥興奮するじゃない」


「朔夜、変態の介護お疲れ様ですー」


「だまれ‥」


「それで、何の用だ?」


「あぁ、そうだったわね‥これ」


ベロニカは白いUSBメモリを叶夢に投げ渡す。


「おっと‥なんだこれ」


「デトロイトの地形データよ。場所の指定はこれに従ってもらうわ」


「仕事が早くて助かるぜ」


「あとそこには先遣隊の被害状況から割り出したおおよその魔族の巣の位置もあるから、作戦とか立てる時にでも使って」


「サンキューな。で、それだけじゃないだろ?」


「それだけじゃないって‥どういうことですか?」


紫以奈は不思議そうな目で三人を見渡す。


「ベロニカ、わざわざ朔夜を松葉杖代わりにして俺に伝えに来たことってなんだ? それも朔夜の息の切れ方から、よっぽどの急用ときたもんだ」


「はぁはぁ‥ついさっき日本にいるアレックスからヤバめの情報が舞い込んできた」


「朔夜の語彙力が下がってるのもやばいな」


「そんなことはどうでもいい。さっさとUSBのデータを見ろ」


叶夢は二人を部屋にあげると、隊員をリビングに集めて、PCにUSBを繋ぎデータを開く。


「ほら千夜起きて‥」


「う〜ん‥ちがいますよ〜‥これはヘドロじゃなくてカレーです‥‥むにゃ」


「夢の中でバイオテロしてるにゃ‥んでなんだよ俺たちにも見てもらいたいものって」


「これか?」


「そうそう。早く開いて」


叶夢がファイルを開くと、二枚のレーダーの画像が現れた。また下には写真のアイコンがあり、片方にはクエスチョンマーク。もう片方には叶夢の顔写真が描かれていた。


「‥嘘だろ」


「朔夜くん、これは?」


「サクリファイスが最初に確認された場所のレーダーに残ってたものです。機械自体は破壊されていたんですが、どうにか中に残ってたデータをサルベージしたんです。

この上にある赤い反応がサクリファイスです。そしてこっちは」


「ランク戦で超魔族(デスロード)化した際の叶夢が楔島の中央管制室に観測されたときのレーダーデータです。違い、わかります?」


レーダー上にはどちらとも五百円硬貨サイズの赤丸が写っていた。白鳩はしばらく見続けてあることに気がついた。


「いや、俺にはわからない。これってどっちも同じじゃないの?」


「正解です。つまり」


「こいつは‥サクリファイスは超魔族で間違いありません」


「「「なっ!?」」」


「ほぇ?」


31小隊の隊員は全く同じ反応を返した。その驚いた声に、千夜が目を覚ます。


「ちょっと朔夜、あたしの説明取らないでよ」


「さっき取られたから仕返しだ」


「どういうことだにゃ!? こいつが超魔族?‥てことは元人間ってことかにゃ!」


「まさかゼルリッチの魔子の一人なんじゃ‥」


「さすが紫以奈っち。半分正解よ」


ベロニカは拍手を送り、口を開いた


「でもね、あたしらゼルリッチの魔子は運良くギリギリ人間で踏み留まることが出来たヤツら。超魔族化することはよっぽどのことでもしなければないって事」


「そのよっぽどの事が起きたんだったら、俺達よりも先に神座達が動いてるはずだからな。それに仮に魔子だったら正体不明の時点でまず矛盾してんだよ」


「叶夢の言う通りだ。現に残り二人‥アルフレッドとゼノンはまだ生きてる」


「それじゃ不正解じゃないかにゃ?」


「いいや、本題はこっからだ」


「にゃ?」


「あたしはちゃんと言ったわよ。豹助っち、『運良く』って」


「あ‥」


意味を理解した白鳩の顔が青くなった。


「もしかしてサクリファイスの正体って‥」


「白鳩さんの予想通りです。あれはおそらく失敗作。魔子のなり損ないです」


朔夜がそう告げた時、空気がさらに重みを増した。


「?‥‥あのー、具体的になんの話してたんですか?」


「‥‥今起きたんかい!」


「ひっ!‥‥叶夢! 私起きたて何ですからあんまり大きな声出さないでください! ビックリするじゃないですか!」


「紫以奈に連れてこられた時点で起きろよ!バカなのか? バカなのか!?」


「バカって‥なんで起きてすぐにそんなこと言われなきゃいけないんですか!?」


「はいはい、二人とも落ち着き‥‥落ち着けって‥うるさい!」


白鳩が仲裁という名の鉄拳制裁を二人に与え、二人を黙らせた。


「なんで私が‥」


「なんで俺が‥」


「喧嘩は同レベルの奴同士でしか起きない‥よく言ったもんだ‥」


「それじゃ千夜っちの為に改めて説明を」


「俺がか? 今現在タンコブ作られた俺がやるのか?」


「静電気で頭髪爆破させたから、もうタンコブは見えんぞ」


「はぁ?‥‥戦闘民族じゃねえか俺! まぁいい、決意表明してやる!」


((あ、そのままやるんだ))


(予想以上に電気を与えすぎた。これは気分良くなってるやつだな‥)


叶夢は頭とテンションを爆発させたまま、説明を始めた。


「今回のデトロイトの任務の目的は、魔族の巣を封印すると共にサクリファイスについての情報を集める! あと無事に生きて帰る!」


「「「おう!」」」


四人は勢いのいい返事を返した。


「あとベロニカ、朔夜! もし奴にあったら一人で討伐しようと思うなよ? 俺とこいつらを頼れ! そして全力で逃げる!」


「逃げるんですか!?」


「当たり前だろ千夜。勢いで勝てるほど第九位は甘くない」


「本音はどうだにゃ?」


「俺の手で葬りたい。それで二人共返事は?」


ベロニカと朔夜は笑いながら叶夢に言葉を返した。


「わかってるじゃない‥了解よ!」


「お前に言われなくても理解している」


「よし! そうと決まれば作戦会議だ!」


「やっぱ電気の量間違えたな。これ前日テンションだわ」


叶夢はそのテンションのまま、刀が届くまでの数日間。作戦会議や訓練に望んだ。

そして一週間後


ーーーーー


「おはようございます‥リアム支部長‥」


「あっははー‥任務の前に声潰れてる隊長がいるって聞いたけどマジ?」


「なぜあのテンションで一週間持つと思ったんだにゃ」


夜明け間もない時間。叶夢達は任務出発の前にアメリカ支部の広場に集まっていた。


「それじゃ僕が言うことはただ一つ。最高の手柄は生きて帰ってくること! それじゃあいってらっしゃい!」


「「「はい!」」」


「あと叶夢くん、これ」


「はい?」


リアムは肩にかけていた布の入れ物から、あるものを取り出した。


「これって!」


「そう、お待ちかねの武器さ」


「おおー!」


叶夢が手に取った刀は赤い持ち手と鞘に黒い布が巻かれおり、鞘から刀を抜くとその刀身は真紅に染まっていた。


「名前は君が決めていい」


「俺じゃネーミングセンスがないので、リアムさんにお願いします」


「そう‥なら考えてたものがある」


リアムは一呼吸置いて口を開く。


「その刀は特性上、触れる物全てに厄災を齎す。そこから僕はこの刀をこう呼ぶことにした。紅色の刀身を持つ厄災‥紅祟(べにだたり)ってね」


「紅祟‥気に入りました。ありがとうございます!」


「ほらさっさと行ってきな。僕も暇じゃないんだ」


「うす! それじゃ行ってきます!」


叶夢は刀を腰のホルスターに引っ掛けると、仲間たちの元へ走り去った。リアムはその姿を笑顔で見送り、叶夢達のデトロイト調査の任務は幕を開けた。

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