第38話 ランク戦 終結
初手安定の謝罪とほざきつつ
ようやく暇ができ始めたのでペースを戻していきたいです‥
ではランク戦編のラストをどうぞ!
「ーーーーー!!!!」
豹助目掛けて叶夢が走り出した。叶夢は左の手のひらに魔力を貯めながら槍の形に形成する。
「あれを打たれたら‥」
「打たれたら一溜りもないですよねぇ?」
「うぇ!?」
ふと漏らした独り言に返答が返ってきた事に豹助が驚きの声を漏らす。
「いやほんとに誰だにゃ!?」
「この顔では初めまして豹助副隊長。小生、第22小隊隊長を務めております天城 瞬と申します」
豹助の前に割り込むように氷の部屋の外に現れた天城は氷越しに豹助に頭を下げる。
「あぁー‥おまえマスク外すとそんな顔してたのかにゃ」
「なるほど。小生は豹助副隊長には『マスクつけた奴』程度ぐらいにしか認知されてないということですか」
「うん」
「即答とは‥いかにもあなたらしい」
天城は腰に携えた灘を取り出し、叶夢に向きを変える。
「さて‥支部長からの出撃命令がでたもので乱入させていただきますよ」
「何言ってんだにゃ! あれは腐っても第六位魔族なんだにゃ! いくらお前でも」
「失礼な。流石の小生も理解はしていますよ。無策で来るほど小生も馬鹿じゃありません」
天城は向かってくる叶夢を目の前に左手を突き出すと指を軽く鳴らした。
「銀の鎖」
天城が呟くと同時に、地面から銀色の鎖が生え叶夢に巻き付く。
「!?」
突如として現れた鎖に叶夢は避けることが出来ず、豹助達にその爪を届かすことなく身体を縛られ地面に固定された。
「すっげーにゃ」
「いいえ‥長くは持ちませんよ。もっと弱らせるには‥紅葉隊長!」
「全く‥急いできたと思えばほとんど詰めじゃないか」
叶夢の向こう側から葉月 紅葉も合流し、腰の鞘から刀を抜刀しながら叶夢に近づいていた。
「紅葉隊長! 助けに来てくれたんですか!?」
「支部長の命令とあっては私も拒否は出来ないからな。それに一度は協力した仲だ。助けないのも癪に障る!」
紅葉は叶夢が反応する前に雷衣を発動し距離をつめ、刀身を叶夢の身体にに触れさせる。
「雷撃」
刀から放たれた電気は叶夢の身体を痙攣させ、身体中を焼き焦がす。電撃が止まると、叶夢も眠ったように動かなくなった、
「‥ちょっとやりすぎでしたかね? 小生らの攻撃でほんとに死んでしまったのでは‥」
「いいや十分だにゃ。あいつも、もうそろそろ魔力切れする頃だろうからにゃ」
「制御室まで連れてく必要‥ありましたかね?」
「そうだったにゃ。白鳩達に伝えに行かないとにゃ‥ったくどこの廃屋だよ‥」
「二人が廃屋の外に出てるそうなので、小生らはそれを見つければいいだけのこと。それで問題の叶夢隊長ですが‥」
「お、そうだった。念のために睡眠剤でも注射し‥!?」
豹助が叶夢の方向に向き直るとあることに気づく。動かずにいた叶夢の姿が消えていた。
「全員! 警戒態勢だにゃ!」
「どうしたの豹ちゃん?」
「叶夢がいない‥まだ元気みたいなんだにゃ‥」
「まさか! あそこまで体力を削ったのに‥
じゃあ叶夢は何処へ‥」
「‥みなさん! 伏せてください! 鏡の盾!」
天城はそう叫ぶと、自らの魔法で生み出した水銀を盾のように広げて凝固させた。しかしたった数発の衝撃でその盾は粉々に砕かれた。
(何という力‥しかし今のは何ですか? あれは明らかに手足で出せる衝撃ではない‥まるで長く太い鞭のようなもので叩かれた感覚で‥)
「天城! 大丈夫かにゃ!」
「‥そんなはずはない‥という事は‥みなさん離れて下さい! 今の彼には!」
天城が叫ぶと同時に、叶夢が天城に向けて突進していた。そして近づくに連れて叶夢の全身像が見えてきた。五人は自分の目を疑った。
「人間には存在しない部位があります!」
「ーーーーー!!!!」
飛び跳ねた際に見えた叶夢の尾てい骨部分。そこに長さ約1mの黒い尻尾が生えていた。
「この土壇場でかにゃ!」
「フェーズ2‥ぐっ!」
「お前達! 私に掴まれ!」
咄嗟に叫んだ紅葉に四人は紅葉の身体を掴む。全員の感覚を確認すると直ぐに魔力回路に意識を向ける。
「雷衣!」
「ーーーー!!」
ほぼ同時。叶夢の振り上げた尻尾が五人を砕こうとする瞬間に紅葉は10m程離れた廃屋の屋根に飛び移る。
「なんだあれは‥というかまだあんな力が‥」
「このタイミングでフェーズ2って‥どんだけ運悪いんだにゃ俺ら」
辛うじて二足歩行をしていたフェーズ1と違い、フェーズ2の超魔族となった叶夢は前項姿勢で両腕を前に垂らし、さらに野性へと近づいたことを示していた。
「あれ‥ほんとどうやって止めるんだにゃ?」
「待ってください‥あの尻尾‥なんか不自然じゃないですか?」
千夜が言った通り叶夢の魔力で形成した尻尾には表面にノイズのようなものが走っており、また自らが叩きつけた衝撃で尻尾の形が大きく歪んでいた。
「完全ではないようね‥」
「あぁ、だけど紫以奈。今の俺らにあれと付き合う体力は無いにゃ」
「てことはやっぱり?」
「あとはアリアドネ封魔石にぶつけるだけだにゃ」
「みなさん! 無事ですか!?」
「この声‥敷波隊長!」
豹助達の前に蝋花と白鳩が現れる。白鳩は豹助達よりも先にフェーズ2になった叶夢が目に入った。
「おやおや‥予想以上に悪い状態じゃないか」
「白鳩! 制御室はどうなったんだにゃ!?」
「ちゃんと開いてるよ。けど凶暴性が増してるとなると‥誘導はだいぶ難しくなったかな」
白鳩は今いるメンバーに視点を変える。疲弊し切った彼らにもはや叶夢の誘導は無理だろうと白鳩は思う。
「矢岬ちゃん。ナイフを一本だけ貸してくれない?」
「いいですけど、まさか白鳩さん一人で?」
「皆はもう限界っしょ? なら後は俺しかいないから」
「ですが‥」
「流石に君たちみたいに数十分もかせぐわけじゃないよ」
白鳩は軽く笑いながら頬をかく。しかしその表情もすぐに消え失せ、真剣な顔になった。
「ちゃんと返してくださいよ?」
「それ言われるとフラグかな〜」
紫以奈は左の太股のホルダーからナイフを一本取り出すと、それを白鳩に渡した。
「サンキュー。 さて敷波ちゃん、みんなを制御室に案内して。時間は俺が稼ぐ」
「ですが‥」
「それと、ここにいる全員で敷波ちゃんを制御室まで護衛して」
「ますます意味がわからないにゃ」
白鳩は叶夢の動きを警戒しながら口を動かす。
「敷波ちゃん。音魔法で囮声が使えたよね?」
「囮声かにゃ? どんな魔法だにゃ?」
「豹ちゃん‥名前で察してよ。囮声は魔族を引きつける音を放つ魔法よ」
「あーそういうことかにゃ」
「それは使えますけど‥如何せんあれは魔力の消費が激しくて、どうしても打つのに時間がかかってしまいますよ?
ましてや制御室から外に響かせるとなると‥」
「三分あればその音量は出せるだけの魔力はチャージできるよ。まぁ敷波ちゃんだと心配だから、四分必要かもだけど」
「確かにそれだけの時間があれば‥私やってみます」
「勝手に頼んでおいてあれだけど、嫌いじゃないよ。そのチャレンジ精神。
はい! それじゃ早く散った散った! さっさと終わらせるよ!」
「「了解!」」
白鳩の指示と共に、敷波が制御室に足を急がせ、それに遅れて全員が敷波の後を追うが、豹助だけが足を止める。
「まさか豹助くんも残るなんて言うんじゃないよね?」
「一人だと心もとなさそうだからにゃ」
「無理しないでよ。本当は一番君がボロボロだろ?」
「何のことだにゃ?」
白鳩は豹助の状況を見る。足は辛うじて立つのがやっとで、魔力回路すらもヒートアウトして身体強化を使って動かさなければまともに動けない状態になっていた。
「無理して動かれても邪魔なだけだから、早く行って」
「冷たいにゃ‥」
「俺は君らが無事に生きているならそれだけでいい。恨み言なら後で沢山聞いてあげるよ」
「だーわかったわかったにゃ! 早く行けばいいんだろ! ちゃんと誘導してこいよ!」
豹助は吐き捨てるように叫ぶと、全員のあとを追う。白鳩はそれを見送ると微笑みを浮かべた。
「はいはい‥」
「ーーーーーー!!!」
「さあてと‥これが最後だよ叶夢くん」
咆哮する叶夢を前に、白鳩はナイフを逆手に持ち替え走り出した。
ーーーーー
「今から魔力をチャージします!」
「「了解!」」
制御室に辿り着いた6人は壁に寄りかかり、休みながらも息を潜める。
「発生の瞬間は小生が伝えます故、みなさんはそれまで短い間ではありますが体を休めてください」
「これで終わるといいのですが‥」
「千夜、お前は少し仲間を信じることを覚えろ‥」
千夜の零した弱音に紅葉が反応する。
「紅葉隊長‥すいません」
「あいつが帰ってきた時に掛ける言葉でも考えながら待っていろ」
「紅葉隊長にしてはお優しい言葉をかけるのですね? 小生にはそんな言葉一回も発してくれなかったのに」
「お前に言ってなんの得になる?」
「小生が喜ぶ」
「尚更言う必要無いな」
「「プッ‥」」
紅葉が冷たいトーンで言い捨てると、その漫才じみたやり取りに紫以奈と千夜が我慢していた笑いを吹いてしまった。
「さて、そろそろかにゃ‥」
銃をリロードし終わった紫以奈とあとから追いついた豹助が、タイマーを確認する。運命の刻ともいえる時間はもう一分も残っていなかった。
ーーーーー
「ー! ー!」
「ったく‥元気が過ぎるよ叶夢くん!」
たった一人残った白鳩は叶夢の凶刃をナイフ一本でさばき、ひたすらに受け身に徹していた。
「時間を稼ぐってことならまだイージーなんだけど‥にしてもこれで手負いか」
もはや時間など数えていない。そんな頭があればすぐに叶夢の動きを読むことに使う。手負いとはいえその獣が動かしているのは自分以上の地獄を歩いた身体なのだから。
「ー! ーーーー!」
本能で動いている分、ある程度の攻撃は予測がつく。自分が避けられないと思った攻撃だけをさばく。白鳩が最低限の思考で行えるのはそれが精一杯だった。
(ロビンフッドを使えばもう少し楽にさばけるんだけどね‥多分今の身体で神具使ったら魔力切れを起こして逆にリスクが高まる。しかも今回は相手を殺すのが目的じゃなく、あくまで殺さず時間をかせぐ‥なら今回に限っては使わない方がいい!)
「多分そろそろだ‥あの音が鳴れば俺達の価値だ!」
「ーーー!」
時間が進むにつれ叶夢の動きにも僅かではあるが勢いがなくなってきていた。本能が加減なく身体を動かしている弊害として、肉体的疲労が叶夢の動きを鈍くしていた。
「どうしたの叶夢くん? さっきの方が勢いがあったよ!」
「ーーー! ーーーー!」
「おっと‥」
疲労によって攻撃が当たらず、その現実に叶夢はイラつきの唸り声を上げる。
「ある意味最初からこれぐらいなら楽だったんだろうね!」
白鳩は煽るように叶夢に向かって叫んだ。
(もう少し‥こっちに来い!)
時間が迫っていることを確信した白鳩は、自らの身体を後ろに徐々に下げて行った。
「確実に魔法を当てるために、あいつを制御室にまで近づける!」
囮声を確実に叶夢の耳に入れる。そのために白鳩は叶夢の攻撃を避けながら制御室に近づいて行った。
「さぁ時間だ」
囮声が鳴る10秒前になる。すっかり叶夢の動きに慣れた白鳩は攻撃をさばきながらも囮声に備える。
対する叶夢はただ白鳩への殺意を向けながら左腕を伸ばすが、白鳩は強めに屋根を蹴り叶夢から距離を取る。
(囮声の声量を考えると俺もこの距離にいたらダメだな‥)
「ーーー!ーーーー!」
数秒前になり白鳩は反射的に耳を塞ぐ。そして敷波の囮声が鳴り響いたと同時に白鳩の身体を鋭い痛みが貫いた。
「え」
「ーーー!」
囮声は確かに響いている。落としたマイクのように甲高いノイズが塞いだ耳越しに聞こえている。
「なん‥で‥」
理解のできない痛みに襲われた白鳩は後ろに大きく吹っ飛ぶ。しかしそれ以上叶夢が追ってくることは無かった。囮声が耳に入った叶夢は頭を抑えながらその音の方向に走っていったからだ。思考の余裕が出来た白鳩は現在の状況を整理する。
「今のって‥そうか叶夢くんの尻尾か。あれ予想以上に貫通力があるなぁ‥」
白鳩は背を向け走る叶夢の魔力で作られた尻尾に赤い液体が付着していたのを見て確信した。
「にしても避けられた攻撃だったのに‥なんで僕はあのタイミングで耳を塞いだんだろう?‥」
その疑問に答えを出せないまま、白鳩は気を失った。
ーーーーー
「はぁ‥はぁ‥」
「敷波隊長お疲れ様です。あとは小生らに任されよ」
魔力を使い果たし、バランスを崩した敷波に天城が肩を借す。
「どこから来る‥」
「紫以奈さん。少し動かないで頂けますか?」
「え?‥わ、わかりました‥」
天城の張りつめた冷たい一声に、紫以奈は戸惑いながらも従う。天城は紫以奈の行動を少し見たあと静かに目をつぶった。
「‥近づいて来ています。小生らが使った通路ではなく‥やはり天井ですか」
そう呟いた天城が目を開き、遥か上に目を向けると、天井が轟音に揺らいでいた。全員がその正体を知るのに数秒もいらなかった。
「お前一人でやれるのか?」
「心配ないですよ紅葉隊長。仕込みは済ませておりますから」
「ーーーーー!!!」
天井が崩れ、超魔族となった叶夢が落ちてくる。その凶刃は壊れかけでありながらも最初に目を合わせた天城の命を狙っていた。
「捕まえましたよ。叶夢隊長」
「ーー! !?」
突如として現れた鎖に叶夢は身体を取られ、その身体を部屋の中心にあるアリアドネ封魔石に縛り付けられた。
「これが小生の奥の手‥張り巡らせた水銀を小生のタイミングで鎖に変えて敵を捕縛する術‥銀の檻」
「ーーーーー!!!」
アリアドネ封魔石に固定された叶夢から、みるみる闇魔法によって作られた魔力の鎧がみるみる消えていっていた。しかし触れた魔法を打ち消す性質は天城の鎖も例外では無かった。魔力で編んだ鎖が甲高い音と共に砕けるのを確認すると、天城は再び鎖を生成し叶夢に向けて放つ。
「こういうのは小生の柄では無いのですが‥腹を括るとしますか‥」
天城の顔に笑みが現れ始める。
「さぁ! 僕とのチキンレース! 楽しもうじゃないか叶夢クン!」
叶夢を少しでも動かせば、恐らく自分は殺されるだろう。そんな死が間近にあると感じた天城はさらに悦に浸る。半ば狂っていると言い直した方が正しいだろう。
「早くくたばって下さいよ! ねえ!」
何分経ったのかもわからない。何回砕けたのかも知らない。気がつけば床には鎖の破片だった水銀が散らばっていた。
「残った部位は‥これで終わりです!」
天城は最後に鎖を手のひらから作り出すとそれを叶夢の首に向けて飛ばした。飛ばされた鎖が叶夢とアリアドネ封魔石を囲むように輪を作ると、天城が鎖を思いっきり後ろに引く。それによって叶夢の頭と封魔石が無理矢理接着され、顔を覆っていた魔力が着々と剥がれて行った。
「ーーーーー!!!‥‥ああ‥」
叶夢から最後の魔力の鎧が外れた瞬間、叶夢の意識は失われ、その動きを停止した。
「はぁはぁ‥」
天城がそれを見届けると、鎖を自分の元に戻した。それによって封魔石に縛りつけられた叶夢も静かに落ちていった。
「叶夢!」
千夜が急いで叶夢の元に走るが、疲労し切った体では叶夢の身体が着地する方が早かった。
「おっと」
それでも、近くにいた豹助が身体を受け止めた。
「豹助さん‥ありがとうございます‥」
「みんな疲れてるからにゃ‥早く報告して帰ろうにゃ‥」
豹助は叶夢を背負い、ふらつきながら制御室から出ていき、紫以奈と千夜もそれに着いていった。
「お前は行かないのか?」
「はぁはぁ‥小生‥無理し過ぎたみたいです‥」
「随分と苦しそうだが‥おまえ!?」
「あぁ‥バレましたか‥」
紅葉は天城の異常に気づく。天城から流れていた血の色が黄色く濁っていたのだ。
「なんだこの血‥まさか魔法の副作用か!」
「半分‥正解です‥」
紅葉は周りの水銀にも目を凝らす。ほとんどの水銀は解除され液体に戻っていたが、天城が最後に生成した鎖だけが未だに形を保っていた。
「とりあえず‥肩を借してもらえますか‥歩きながら話します‥」
「あ、あぁ‥わかった」
天城はポケットから赤い錠剤を取り出すとそれを、飲み込んでからゆっくり立ち上がった。紅葉は天城に肩を傾け、天城の腕を自分の肩の後ろに回して歩き始めた。
「最後の鎖‥あれを確実になものにする為に‥小生は奥の手を使ったのです‥」
「奥の手だと?」
「魔力が抑制されるならと‥銀の中に僅かに鉄を混ぜました‥」
「鉄? どうやって?」
「血液からです‥人間の血液の中には栄養素として僅かに含まれているんですよ?」
「お前のその血は鉄分が無くなったから‥」
「これはもはや‥血液ではなく‥血漿というものです‥それによって血液の酸素を運べなくなり‥はぁはぁ‥酸欠になってしまい‥ましたがね」
天城は呼吸を乱しながら、言葉を絞り出す。
「なんでそこまでしたんだ‥お前とあいつにはそんな深い縁はないはずだろ? ほぼ知り合い程度になんでそこまで命をかけれるんだ?」
紅葉は狂信にも似た天城の覚悟に疑問を投げかける。
「そんなことですか‥彼は小生の事を仲間と呼んでくれた。こんな見てくれの奇人を。
ただ単にそれが嬉しかっただけなんです」
「‥わからんな。男って言うのは‥単純なのか複雑なのか」
「そうですか‥」
(マスクで隠してたからわからなかったが‥こいつもこんな顔ができるんだな‥)
紅葉達が会話している間に前にいた豹助は通信機に静かに告げた。
「こちら豹助。刀堂 叶夢 超魔族態の無力化を完了致しましたにゃ」
3日にも及ぶランク戦は、静かに終わりを告げた。




