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紅い死神の征魔戦争  作者: 雨色 A音
18/83

第18話 磔

「よし全員集まったね」


「ねーねー白鳩。ランク戦て?」


「今から説明する」


白鳩は部屋の電気を消し、モニターにタブレットの画面を移した。


「ランク戦って言うのは、簡単に言えば11小隊から第31小隊で行うバトルロワイヤル」


「てことは11小隊潰せば俺らが11小隊ってこと?」


「そんな簡単なわけないでしょ‥‥そもそもランク戦は三ヶ月に一度ある小隊編成の強化期間に行われる行事みたいなものだ。ランク戦の戦績と任務の結果を見て、六月の小隊編成で昇格か降格が決まる」


「降格は有り得ないよな。俺ら一番下だし」


「ただ、僕らは例外だ。このランク戦でいい結果を残せば恐らく10小隊ぐらい飛び級ができる可能性がある」


「ゴホッ‥‥!?」


白鳩の発言に驚いた豹助は飲んでいた麦茶が気管に行ってしまいむせてしまった。


「はぁ、何でだにゃ!?」


「何かやらかしたからでしょ‥」


「紫以奈! 俺達が一体何をしたっていうんだにゃ!?」


「その言い方やめて‥‥何か犯罪者になった気分」


「まぁほかの小隊からはそういう目なんでしょうね」


「何でだにゃ」


豹助が頭を悩ませていると、その疑問を叶夢と白鳩が答えた。


「長野のイフリート討伐。それが原因だろ?」


「正解。本来、第五位以上の魔族との戦闘は第10小隊以上もしくは本部の本隊がいなければ、基本撤退するしかない。それ以下の小隊で応戦しても勝てる確率が低いからだ。無駄な犠牲を払わない為にそういう指示が下っている」


「あれは‥‥朔夜隊長の助けがあったから‥」


「ところがどっこい。当の隊長は否定して、僕らだけで倒したって伝わってる」


「足しか引っ張らねえなあの野郎」


叶夢が軽く舌打ちをする。


「ともかく、これは願ってもないチャンスだ。その肩書きぶら下げて全ての小隊を一掃しちゃえば‥」


「勝ったも同然ってことだにゃ!」


白鳩の発言誰もが喜び、価値を確信した。

たった一人、叶夢を除いて。


「いや、あまり喜べたものじゃないぞ。白鳩、それってどんな形式で戦うんだ?」


「人工の島を貸し切ってバトルロワイヤルだよ」


叶夢は苦虫を噛み潰した顔を浮かべると、さらに考え込んでしまった。


「叶夢くん‥‥これは」


「千夜も気付いたか」


「「「?」」」


「お前ら‥‥てか白鳩もクエスチョン浮かべてどうすんだよ」


「どういうことだにゃ?」


叶夢は呆れのため息を出しながらも悩みの原因を吐き出した。


「一体一のタイマンならまだしも、バトルロワイヤルともなれば一度に相手する量も多くなる。そして何より俺らには、その戦績がある」


「悪く言えば、他の小隊から狙われやすくなっているんです。私達は仲間でありライバル。その昇格を指を咥えて見ている人間なんて早々いませんよ‥‥」


「あ、そういうことかにゃ」


「だから朔夜の発言が仇になってるんだよ。これ終わったら一発ぶん殴って来ようかな」


「でもそれってバトルロワイヤルというより‥‥」


「あぁ、最悪5対95ってことにもなり得る」


「そんな‥‥」


その圧倒的戦力差に三人は絶望した。

大規模な戦闘に慣れてない事もあり、叶夢と千夜は頭を悩ませた。


「でもまぁどうにかなるだろ。明日から訓練を積めば‥‥」


「シュミレーションでやろうにも、そんな戦力差なんて数分と持ちませんけど‥‥」


「だな。俺も50が限界だ… 」


「いや叶夢が言うと全く説得力がないにゃ」


今までの会話を見て泥沼化してるのを垣間見た千夜と紫以奈は席を立ち、どうにかテンションを持ち直そうとしたその時だった。


「情けない…それでもゼルリッチの魔子か?」


テーブルの向こう。入り口にいたのは第1小隊隊長の朔夜だった。


「朔夜隊長!」


「よーし頬を出せ。一発殴らせろ」


「そんなことしてる場合かにゃ!?」


拳を振り上げた叶夢を後ろから豹助が抑え込む。朔夜はその光景を呆れた目で見ていた。


「そもそも5対95って言う考え方がどうかしてる‥‥君達は例えをまともに受けすぎだ。叶夢、説明の補足」


「‥‥それもそうだな」


叶夢は少し深呼吸をすると、話し始めた。


「95は俺らが相手にする総数を言っただけだ。相手からしたら自分達は自分達以外実質5の集合体でしかない。統率が取れてない分、分断しやすい」


「お前らは最悪のパターンだけで物事を考え過ぎだ。実際、お前らの強さはその中でも群を抜いてる。立ち回り次第でどうにでもなる。だがその立ち回りをする為には、同じ隊員が隊員を理解しなくてはいけない。そしてそれを一番に理解しなくては行けないのは‥‥そこの無能な隊長だろうに。昔のお前なら、一ヶ月もあれば理解出来たんじゃないのか?」


「昔なら‥‥か。ずるい言葉だ。変わった自分を否定するような‥‥悪いが俺は昔ほど仲間が見れてない。一ヶ月で理解出来る量なんてたかが知れてる。」


「朔夜くん。昔の叶夢くんっていうのは」


朔夜は、両手に持ったお菓子などのお土産を置くとソファに座り白鳩の疑問を返した。


「そのままですよ。昔のこいつは視野が異常な程に広かった。そのおかげか、即席でチームを作られたとしてもそのチームの強みを最大限まで引き出すぐらいの能力を持っていた」


「それは普通のメンツだった場合だ。さっきお前も言ったろ? 尖りすぎてるんだよ。個性的過ぎてどの戦い方が」


「あ、あの~」


紫以奈が小さくかすれた声を出し、手を挙げた。


「私は訓練よりも任務の方がいいと思います。任務なら訓練よりも実戦に近い状態で戦えるし」


「でもこれ以上功績を上げたら」


「今更思ったんだけどにゃ。これ以上功績上げようが上げなかろうが変わんない気がするにゃ」


「失敗するリスクも出てくるが‥‥隊員達はそう言っている。んで、リーダーの判断は? 叶夢?」


「本当にいいのか?」


叶夢が不安そうな目で隊員を見つめた。

その目線にも笑いで返した皆は


「別に狙われるのは確定してるんだし‥‥なら任務は俺が決めるが‥」


「いや、俺が持ってくる。」


「朔夜‥‥なんでこの小隊に肩入れするんだ」


「肩入れしたつもりは無いが、規定では上の小隊と仲良くしてはいけないなんて書いていない。故にこれは俺の気まぐれだ。それに叶夢に任せたらこいつ基準で任務を持ってくる可能性もあるからな。そのせいで振り回された経験が何度もある」


「何だよそれ‥‥」


「ゼルリッチ時代において、だいたい戦犯やらかしたやつは?」


「俺とゼノンだな」


「だからだよ」


「全く‥そんなの昔の話だろ? 俺がいつ自分基準でこいつらに無茶を要求したんだよ。な、お前ら‥‥あれ?」


四人の中で誰一人も叶夢と目を合わせることは無かった。そしてそれは叶夢の発言の否定を表していた。


「え‥‥振り回してた?」


「初任務による突然過ぎる指示の連発。私達への魔族の押しつけ‥‥心当たりしかありません」


「やっぱりか‥‥任務はこいつに拾わせない方が良さそうだな‥‥早速任務を取りに行く。みんなも着いてきてくれ。」


朔夜は全員を連れて、中央舎の任務が張り出されている掲示板を見に行った。

ランク戦が近いということもあり、いつもよりも人数が多かった。


「やはり人が多いか‥‥」


「ランク戦が六月の半ばにあり、それが終われば最初の小隊編成に入る。この時期はみんな忙しいそうだ」


「ドタバタする時期ではあるよね」


「とりあえず31小隊に求められるのは、チームワーク。あと、叶夢の飼い慣らし方ぐらいだな」


「何で俺がペットみたいな扱いなの」


「一ヶ月過ごして見てわかるようにこいつは言わばリードを外した狂犬みたいなやつです。確かに振り回されて大変なのはわかりますが、逆に言えば飼い慣らせばこれ以上無いほど頼もしい味方になる」


「貶されてるのか褒められてるのかわかんないや」


「とりあえず受ける任務はこれにする」


朔夜が端末に任務の内容が書かれた画面を写し、叶夢達に見せた。


「廃墟に現れた魔族の討伐‥‥数は‥23体」


「これにゃら‥‥って、難易度が俺らの力と一致してにゃいんだけど」


「安心しろ豹助。司令室行って土下座でもすれば受けさせてもらえるさ」


「そんなんでOK貰えるのかにゃ!?」


「豹ちゃん信じちゃダメ!」


「これにしましょう。では司令室に‥‥」


「千夜ちゃんまで!」


そのやり取りを見ていた朔夜は呆れながら、ため息をついた。


「どうだ? 叶夢の方は。」


「頼光支部長」


「「「神座司令!」」」


「神座‥‥司令」


朔夜の肩を叩いたのは、休憩がてら散歩のためにここを訪れていた神座(かんざ) 頼光(よりみつ)だった。


「あのメール見てだいぶ慌ててるみたいだな。お前ら」


「どうもこうもありません‥‥そもそも何故こいつらを一つの小隊に纏めたんですか!?」


「いい機会だから教えとくか‥‥ちょっと支部長室まで来てくれ」


七人は場所を変えて司令室の客用のソファに座り、緊張で固まる者もいれば自宅のように寛いでいる者もおり、神座はそれらの姿を見て笑いをこらえきれずに漏らしていた。


「か、神座司令‥‥何故そんなに面白そうなんですか?」


「いやいや、人によって俺の部屋きた時の反応が違い過ぎて‥‥やっぱ緊張する? 紫以奈に千夜、それに豹助?」


「俺は別に‥‥大した事ないにゃ」


「嘘つけ。いつもより肩に力が入ってるぞ。深呼吸」


神座は緊張してる三人をからかいつつも、徐々にその緊張を(ほぐ)し、話を聞きやすい状態にまで戻した。


「さて‥‥お前らを纏めた理由だが」


「どうせあんたの事だ。丁度そこにあった。違うか?」


「まぁそれもあるが、本当の理由はもう一つある」


「あるのかよ」


「ぶっちゃけ。お前に合わせたんだよ、叶夢。強さをな」


「強さを俺に?‥‥よく見つけられたなそんな人材」


「みんな元々、白鳩以外は補欠だったからな」


「あれ、そしたらなんで俺が来る前に31小隊が存在していたんだ?」


「そりゃ、お前の目撃情報が飛び込んできたらさ。ある意味待ちに待った日だったよ」


「あんた俺を捕まえた前提でこの小隊作ったのかよ‥‥」


「結果上手くいった。それだけだろ?」


神座は軽く笑いながら答えた。もちろんその二人の会話に入れるはずもない三人は唖然としていた。


「あ、あの‥‥叶夢くん‥司令に対してタメ口ってダメなんじゃ」


「「あ」」


神座と叶夢が同じタイミングで固まる。


「なんであんたが忘れてんだよ! あーあぶね! 電気流されて殺されるとこだった!」


「しまった‥‥完全に忘れてた 」


「お前ら、見ての通りだ。この人は本当は堅苦しい挨拶が嫌いなんだよ‥‥な?」


「調子に乗んなクソガキ!‥‥千夜達もタメ口でいいんだよ?」


「支部長にタメ口なんて考えられないにゃ」


「だよな。俺だって考えられない」


「「「お前が言うな」」」


叶夢の発言に三人の言葉が重なる。それを見て神座はコーヒーを一口飲むと、再び視線を五人に向けた。


「あ、そうそう。さっき朔夜が選んでた任務だが、別にいいぞ」


「いいんですかにゃ!?」


「正直、こっちはお前らにも回す予定の案件だったし」


「回す予定?」


「俺が基本、お前らに回す案件はフリーの任務に放置された高難易度のものだからな。」


「へぇ‥‥つか、にも?」


「あ、あぁ。30小隊と11小隊が先約入れててな。もう1小隊放り込んでおこうと思ってな。んじゃお前らも加えておく」


「お願いします」


案件を伝えると、五人は支部長室を後にした。


「先約がいたとはね」


「ほかの小隊と合同かにゃ‥‥めんどくさい」


「夜に隊長会議だそうです。豹ちゃんと叶夢隊長は夜9時に中央舎3階の第一会議室に行くように。」


「はーいはい…」


そして約束の時間の夜9時前。

二人は廊下をのんびり歩いて第一会議室に向かっていた、


「ふぁああ‥‥眠い」


「しっかりするにゃ‥初めてのほかの小隊との合同だろ‥しかも相手はあの第11小隊って‥」


「何。そんなにやばいの?」


「もちろんだにゃ‥‥」


豹助は辛いトラウマを掘り出す感覚で目に光が刺さないまま話し始めた。


「第11小隊の隊長。金丸当麻(かねまる とうま)。あいつはなんと言うかプライドが無駄に高くてずるくて‥‥とにかく自分以外の人間を低く見る糞野郎だにゃ。挙句金の力で今まで生きて来てる奴だにゃ」


「テンプレ不良乙‥‥というかよくそこまで言えるな」


「俺ここに来る前に、第11小隊で補欠してたんだけど、そりゃ酷かったよ。奴隷と同じ扱い」


「へぇ‥‥面倒くさそう」


「面倒臭いのは覚悟しとくといいにゃ‥‥」


叶夢はノックを一回すると、第一会議室の扉を開けた。


「第31小隊隊長。刀堂 叶夢でーす」


「同じく副隊長、裏代 豹助だにゃ」


叶夢達を待っていたのは、金髪の髪を綺麗に整えたキザな男と、気弱そうな黒髪の女性。その付き添いに男の方には女。女の方には男がいた。


「遅い! 俺たちが先に来ていてそれより格下の貴様らが来ないとはどういう了見だ!」


「は、はぁ‥申し訳ありませんにゃ」


「謝ってる暇があるならさっさと着席しろ!」


叶夢は黙って着席して、豹助も隣に座った。


「では明日の作戦についてだが ‥‥お前ら30 31小隊が援護をしつつ、俺たちが先陣を切る。経験が浅いお前らには無理はさせられないからな‥‥特にそこのにゃーにゃーうるさいやつには」


「あっそ‥‥別にお前らが勝手に頑張ってくれるなら無理はしないけどにゃ」


「ふっ、お前が俺にそんな返事とは‥‥偉くなったなぁ」


「はいはい‥‥俺は奴隷ですよ」


そのやり取りを下を向いて聞いていた。叶夢と30小隊の隊長だったが、それに割り込むように叶夢が手を挙げた。


「はーい」


「何だ‥‥刀堂 隊長。」


叶夢は退屈そうな顔を保ったまま、疑問を投げかけた。


「それって手柄はどうなるんですか?」


「あぁ、討伐数によ」


「あれ? それって先陣切るあんたらにしかメリットが無いんじゃないですか? 俺らには残飯だけって‥‥いくら何でもおかしいんじゃないんですか?」


金丸は引きつった笑顔を向けたまま、少し咳払いをする


「それはさっきも言ったように、経験が浅いお前らの為にだ。功績が減ってしまうだろうが、お前たちは無事に任務から帰って来れる」


「へぇ、その『お前ら』の中に豹助入ってるんだろうな?」


「は!こいつは例外だ!」


「だったら奴隷のこいつを先に行かせればいいだろ」


「俺は賢明な主人でね。奴隷が安全に通れるように道を切り開いてやろうと言ってるんだ」


「それは俺らも奴隷って言ってるのか?」


「叶夢‥‥もういいにゃ」


豹助が消えそうな声で叶夢を静止したが、叶夢の面白半分の暴走は止まることがなかった。


「いちいち何なんだお前は! 最底辺の分際で最も10小隊に近い俺に口答えをするとは」


「すいません。なにせ新設の小隊ですから‥‥貴方がたの言動から元の実力が下に思えてしまって‥‥おっと失礼、また口が滑ってしまった」


「ぐぐぐ‥‥貴様‥‥」


「今のお詫びとして、明日の任務。我々31小隊は11小隊の従僕な犬としてサポートをしましょう。その点はお約束します。ただ、飼い犬に手を噛まれないようにね?」


「‥‥ふ、まぁいいだろう。今日に限ってはお前の無礼講を許そう。明日の活躍を期待してるよ。では俺はこれで。さらばだ刀堂 叶夢」


金丸はこめかみに血管を浮き出させたまま、第一会議室を後にした。


「はあ‥‥あんたは何か言わなくてよかったのか? 30小隊の隊長さん」


「‥‥え? 私ですか?」


「どうした? その自分の前で唯一の友達がほかの人と自分と全く関係無い話をして取り残されたような顔は?」


叶夢の二つ隣に座っていた黒髪の少女は、今にも死にそうな顔をしていた。


「そりゃ金丸相手にあそこまで言う人間はあんたが初めてだからさ。初めまして新参さん」


「あぁ‥‥刀堂 叶夢だ。よろしく」


新川(しんかわ) 涼子(りょうこ)だよ。30小隊で副隊長してる。んでこっちの今にも死にかけてる子が敷波(しきなみ) 蝋香(ろうか)。うちの隊長さん」


「相変わらず貧弱だにゃ‥‥敷波」


「だ‥‥だって‥‥目の前で口論が起きたら‥‥大体はああなりますよ」


新川は敷波を介護しつつ、話を進めた。


「しかしよくまぁ、あんたもあいつに噛み付いたね」


「アンタらも、よくあんな奴と一緒に任務する気になったな」


「まぁ、あたしらは戦うというよりは医療班とかそういう扱いだからね」


「そういう班もあるんだな」


叶夢は少し考えつつ、話を聞いていた。


「あの金丸の小隊。実力はあるのにあんな性格だからみんなから嫌われまくりでさ。長々自分から一緒に任務しようって小隊が現れない訳よ」


「じゃあ、なんでお前らはその嫌われ小隊と任務を?」


「金丸からの誘い‥‥いや命令かな。ほらうちの隊長、かなり気の弱い子だから。断りきれなかったんだと思う」


「なるほどね」


「ま、そういう訳よ。アンタらも同じ口?」


新川が少し強めに叶夢の肩を叩いた。


「いや俺らは知らなかった‥‥何しろ新設した小隊なものでね」


「任務数が少ないってこと?」


「なかなか回ってこない訳ですよ」


叶夢は背もたれに寄りかかって愚痴を漏らした。


「でも、イフリート討伐したのはホントなんだろ?」


「うわすげ、もう知れ渡ってる」


「日本支部中の噂になってるよ。ランク戦で一番に倒すべき敵だって」


「嫌な覚えられ方だにゃ‥‥」


「っと‥‥そろそろ時間か。私らはここら辺で、また明日よろしくね」


「おう、また明日」


そう言うと四人は会議室を後にした。


「あ、そうだった」


「ん?」


「紫以奈によろしくって伝えておいて豹助」


「あぁ、分かったにゃ」


豹助は返事をかえすと、小走りで叶夢に追いついた。


「紫以奈。前の小隊あそこだったのか」


「そそ。俺はよくあそこに(かくま)ってもらってたから顔も広いわけ」


「納得だ」


かくして彼らは明日に向けて休息に入った。


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