承安3年(1173年)
承安3年(1173年)私は17歳になりました。
義仲様と武田信義様の娘である安寿姫との間に息子である高寿丸が生まれました。
平清盛は1162年から改修工事を行っていた、摂津国・福原の外港である大輪田泊(現在の神戸港)の拡張工事である、日本初の人工島「経ケ島」を完成させました。
これにより旧来九州の大宰府が独占していた宋との貿易を摂津という京の都に近い場所でも行うことが可能になったのです。
また宋船は若狭国や越前国にも沢山来航してきていました。
本来朝廷は博多へ戻るように指示をしていたのですが、結局はウヤムヤになり若狭や越後も日宋貿易や高麗貿易の隠れた拠点となっておりました。
若狭屋が大陸のいろいろなものを信濃へ持ち込めたのもこのためです。
瀬戸内海を通るよりも若狭あたりへ着く方が宋船にとって、瀬戸内の海賊への通行料を払う事もなく航海の時間も短縮でき便利でしたし。
日本の若狭の輸入業者にとっても若狭から琵琶湖までは陸路を琵琶湖から京の都へは水路を使えば良いため輸送も楽だったのです。
またこの年は後の浄土真宗の宗祖である親鸞上人の生まれた年でもあります。