Ⅴ
魔物との戦闘を切り抜けて、僕たちは目的地へとたどり着いた。
【復魂の社】
神社の名前は、そんな言葉にすり替わっていた。高くそびえる黒い鳥居が僕らを圧迫する。その背後には階段が、山を分けるように続いていた。
「予想より時間が掛かってしまった。早く上ろう」
鮫島さんが言葉を投げかけて、全員が階段を登り始める。
『快斗君』
鮫島さんが僕へと思考を飛ばしてきた。
『なんでしょう』
『秋ちゃんは大丈夫そうかい?』
『はい、今のところ取り乱してる様子はないです。でも無理をしている、とは感じます』
『うむ。きっと内心は穏やかじゃないだろう。連れてきたのは失敗だったかもしれない』
『秋は命令しても、素直に従う子じゃないです。多分、鮫島さんが何と言おうと、付いてきてたと思いますよ』
僕は鮫島さんの背中を見つめながらそう思念を送る。
『そうか、ままならないものだな』
鮫島さんの思考から悲しさが伝わってくる。彼のその言葉は、現実の全てが思い通りにいかにないと嘆いているように聞こえた。
彼は周囲への警戒を続けつつ、僕に思考を送ってくる。
『多分、この先。彼女にとって……いや僕たちにとってもだけど悲劇が訪れるかもしれない。それを見た彼女は、何をするか分からない。その時はよろしく頼む』
鮫島さんが危惧しているのは、秋のおばあちゃん達が死んでいるという可能性。秋がそれを目の当たりにした時、彼女を止めてくれと彼は言っている。
『もちろんです。僕はもとより、そのつもりでここにいます』
僕は即答した。
『そうか。頼もしいな』
肩越しにちらっと彼の微笑が見えた。
『僕にできる事なんて限られてますから。鮫島さんのように、僕にはみんなを助けられる実力も技量もありません。だから、僕にやれることだけでも精一杯やりたいと思ってます』
『なるほど。快斗くんらしいね』
それから一瞬の間を空けて、思考が伝ってくる。
『老婆心ながら言わせてもらうけど。救いたい、助けたい。そう思ったころには物事は、手遅れであることが多い。もし、誰かを救いたいと思うなら、常により多くの可能性を考慮しておかなければならない。そうでなければ、僅かな救いすら取りこぼす羽目になる』
鮫島さんは終始、悲しそうに告げる。
彼は僕に話すというより、自分に言い聞かせるために話しているようだった。
『余計な話しだったかな。今のは忘れてくれ』
それを最後に彼は思考を閉ざした。
『いえ……』
僕はどう返答したらいいか分からず、曖昧に答えるだけだった。
そんな釈然としないやりとりをしていると思いの外、早く階段を登り切った。
遠方に漆黒の社がそびえ立ち、そこから一直線に道が延びている。道の左右には深紅の石柱が等間隔で置かれていた。
「みんな慎重に進もう」
鮫島さんに続いて十二人がぞろぞろと歩を進める。石柱の陰に隠れていたのか、石像が左右に見えてきた。僕の記憶では天犬が座っていたはずだが、今は天狗が立っている。石像の隣には看板が置かれていた。
『魂を欲する者。この先へ。命を欲する者。立ち入るべからす』
鮫島さんが立ち止まる。手を突きだして、制止するようみんなに合図した。
「嫌な予感がする。この先は安易に踏み込まないほうがいい」
彼は用心深く呟く。
「そもそも、さっきから敵と遭遇しない。ここは怪しすぎる。一度、引き返そう」
「ここまで来て、何言ってるんですか!」
秋が唐突に叫んだ。
「おばあちゃんが、子供達が、私たちを待ってるんですよ! すぐそこで!」
「不確定な事が多すぎる。おじいさんが起きるのを待って、詳しい話を聞いてから出直したほうがいい」
「そんな事、ここにくる前から分かってた事ですよね? 戻る理由はあなたの直感じゃないですか!」
秋は興奮しながら鮫島さんにつっかかる。
「秋!」
僕は彼女の肩をつかむ。
「落ち着いて」
「落ち着いてるわよ!」
彼女は僕の腕を振り払う。
周囲はどうしたものかと、困惑していた。鮫島さんに視線で次の指示を仰いでいる。
そこで、悠が彼女に近づいてきた。
「落ち着いてねぇよ。どうしたんだ、お前らしくない」
「私はいつも通りよ。ただ、おばあちゃん達を一刻も早く救いたいだけ」
「お前だって、分かってるだろ? 鮫島さんの感は玄人のそれだ。生半可な事で、引き返す判断は下さない。鮫島さんの言ってることは間違っちゃいない!」
「そんなこと!」
「おねーーちゃーーん!」
そこで、秋の動きが止まった。彼女の視線が社の方に釘付けになる。
僕の脳内にサイレンが鳴り響く。子供の声が社から聞こえた。彼女が次に起こす行動は目に見えている。今すぐ、彼女を止めないと、取り返しのつかないことになる。
僕は彼女の腕を掴もうとした。
だが、遅かった。
彼女は社の方へ走り出した。周囲をすり抜け前へ飛び出る。
「彼女を連れ戻すんだ!」
鮫島さんの叫びに呼応して、みんな社の方へ走り出す。
秋は速度を変える事無く、そのまま社の正門へと向かっていく。僕は必死に彼女を追う。
その時、上下する視界のなかで、彼女以外の何かが見えた。
社の正面。遠目からでは外見はよく分からない。二メートル近い巨大な人影が朧気に見える。
一度の瞬きの隙に突如として出現したそいつは、微動だにせず立っていた。
悪寒が走る。僕の脳内に警笛が鳴り響き、脳を激しく揺さぶる。この状況の異常さを、僕の本能が必死に教える。
だが、秋は何も感じないのか、まるでその人影を意に介する事無く走り続けている。
「秋ちゃん! 待つんだ!」
鮫島さんが叫ぶ。それでも、秋は止まらない。
彼女はそのまま巨大な陰に迫る。
「うわぁぁぁぁぁ!」
彼女は叫びながらそいつへ、走る勢いそのままに槍を突き上げた。
しかし、今までそこにいたはずの巨体は、跡形もなく消えさった。それこそ瞬き程度の時間で、そいつはいなくなっていた。
彼女の一刺しは空を切る。彼女は動揺した様子で僕らの方を振り向いた。
その表情が驚愕に染まる。
「危ない!」
その時、左側面から空を切る乾いた音が耳を掠めた。
僕と並走していた人が倒れる。周囲は一斉に足を止めた。
僕は自然と隣を向く。
そこに、立っていた。
吐いた息が届くかと思うほどの近距離に、屈強な肉体を纏った漆黒の天狗が僕を見据えていた。
【幻天狗-ゲンテング-】
肌を刺す熱気。口内の乾き。どれも、紅鬼を前にしたときのそれに似ている。いや、それを遙かに越える熱量がそいつから放射されている。
そいつは銀に輝く長剣を持ち、僕の頭上へと振りかざす。
僕はその剣を呆然と眺める。あまりの衝撃に頭も身体も動かない。間近に迫る刀身をただ見つめているだけだ。
しかし、甲高い金属音によって、僕は我に返る。
『しっかりしろ!』
天狗の放った剣の切っ先を細剣で受け止めながら、鮫島さんが言い放った。
『す、すみません!』
僕は黒い化け物から離れ、腕を掲げた。周囲はいつの間にか、鮫島さんをサポートする体制に入っている。
『チェンジ!』
そのかけ声と共に鮫島さんが後退し、三人が天狗へと攻撃をしかける。僕もそれに便乗して、炎球を放った。
それぞれの攻撃が幻天狗へと集中し炸裂する……はずだった。
【絶幻-ゼツゲン-】
それが奴の頭上に表示されるやいなや、奴の身体は霧のように空気にとけ込み消え去った。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」
叫び声が聞こえる。視線を移せば、黒い陰から剣が延びていた。黒い粒子が収束し一つの塊となるころには、二人のプレイヤーは薙ぎ払われていた。
「なんだよこいつ!」
「おかしいだろ!」
周囲がどよめく。突如として現れた漆黒の魔物に、漠然と恐怖し始める。
「うぉぉぉぉぉ!」
一人が叫びながら突撃する。だが、奴はまたもその場から消え去った。と思えば石柱の上に腕を組ながら立っていた。
奴はこちらの攻撃に合わせて姿を消し、一秒も経たない間に、離れた位置へ出現する。このままでは、奴に触れることすらままならない。
脳内に重厚で威圧感のある声が、二重になって伝わってくる。
『魂を欲するもの達よ。お前たちにその資格があるか、問わせてもらう』
奴は僕たちを見下ろしながら、そう告げた。視界の中心に文字が表示される。
『クエスト【魂の解放】を受領しました』
そう表記されるも、今はそれに意識を削く暇はない。眼前の敵から注意を反らせば殺される。そんなプレッシャーによって、天狗から目を離すことができない。
しかしそんな危機感も、瞬時に移動する魔物を前にしては何の意味もない。そして幻天狗は、スキルの発動と同時に再度不可視になった。
周囲に緊張が走る。張りつめた空気が場を支配する。
「いやぁっ!」
沈黙を破ったのは野太い叫び。鮫島さんの覇気だった。
彼は気合いを乗せて鋭い突きを放っていた。
その先に立っていたのは、先ほどまで石柱の上にいた黒い巨人。奴は鮫島さんの斬撃を防ごうと剣を構えるが、それをすり抜け、剣は胸部を貫いた。
奴の頭上に展開するHPゲージが減る。驚異的な瞬発力で放たれた刺突は奴のHPを微々たるものだが削った。
幻天狗は思わぬ反撃に身じろぎ、バックステップで距離をとる。
『硬直するな! 動かなければ命は無いぞ!』
鮫島さんの怒号が全員の脳内に響く。それのおかげか、各々気づいたように武器を構える。
鮫島さんがどう幻天狗の現れる場所を予測したのか分からない。だが、ダメージを与えられた事でみんなの志気が僅かながらに持ち直していた。
『死角を作らないように、みんな背中を付き合わせるんだ! 奴に背後をとらせるな!』
僕は言われるまま、近くのプレイヤー数人と背を付け死角をなくす。
視界の端には、鮫島さんと幻天狗の対峙する姿が見える。次の瞬間には、奴は鮫島さんを睨んだまま何の予兆もなく姿を消した。
僕の脳内に下らない疑問が頭を過ぎる。何故、奴が消える瞬間、表示されるはずのスキル名が表示されなかったのか。今まで、奴が見えなくなる時は、スキル名が出ていたはずだった。
それから数秒。場が沈黙する。その場の全員が、四方を警戒する。だが、幻天狗が現れる様子は無い。
脳内に鮫島さんの声が響く。
『奴は俺たちの手に負えない! みんな、撤退するぞ! 倒れている者を抱えて連れて行くんだ』
その一喝で、全員が慎重に階段の方へ動きだす。僕は秋のことが気にかかり、立ち止まって社の方を見た。
すると、秋の隣に悠が立っていた。秋は社の方を向き、誰かと話している。
『こっちは大丈夫だ! 秋は捕まえた。俺たちも退散する』
悠は秋を無理矢理引っ張り、こっちに連れてこようとしていた。しかし、秋は社の方へ必死に叫んでいるようで、逃げる素振りがない。
僕はたまらず、彼女の方へ駆け寄ろうとした。が、背筋に異様な寒気を感じ、咄嗟に振り返る。
視界の中に違和感は特にない。みんな徐々に来た道を戻っている。だが、拭いきれない恐怖が僕を支配する。眉間に銃を突きつけられているような、そんな危機感があった。
ふと、上空を見た。そこには、黒い陰が一つある。全身の血の気が引いていく。
『みんなダメだ! 散って!』
咄嗟に思考を飛ばしていた。しかし、全員に高速で叩きつけられた思考は、彼らの足を止めるに至らない。
彼らの頭上高く飛翔していた幻天狗は、スキルを発動する。
【天墜撃ーテンツイゲキ-】
スキル名が浮かぶと同時に天狗は頭から、急速落下した。
その瞬間、地震かと疑うほどの振動と異常な風圧が襲った。吹き飛ばされ身体が反転する。そのまま、転がり石柱にぶつかる。
一時を過ぎると風は次第に収まった。瞼を開ければ、誰もが例外なくその場に倒れ伏していた。
その中心に幻天狗が立っている。奴は、その手に持つ剣を大きく振りかぶり、倒れている人間に向けて突き立てていた。
奴は何度も剣を突く。刺されている当人は刺される度に悲鳴を上げていた。
僕はその光景に唖然としていた。眼前の映像にまるで実感がわかない。映画のワンシーンかと思えるほど、あまりにも現実味がない。
そんな一方的な殺戮を前に、人陰が一つ立ち上がった。鮫島さんだった。僕たちのリーダーは覚束ない足取りで、天狗に歩み寄る。そして、そんな弱々しい立ち振る舞いからは、想像も付かないほどの速度で、光線かと見紛うほどの刺突が放たれた。
だが、無情にもその一撃は空を切る。幻天狗はすでに彼の背後に回っていた。
肉を切り裂く音と共に、彼の胸から巨大な針のようなものが生える。極めつけに『クリティカル』の表示が彼の頭上に表示された。彼のHPは瞬く間に減る。
「がぁぁぁぁぁぁぁ!」
整った容姿が苦悶に歪む。彼の叫びが神社に響きわたった。
僕はそこで理解した。このままでは死ぬ。みんなこの化け物に一人残らず殺される。
一昨日、克服したはずの恐怖が蘇り、身体の自由を奪う。身体が……心が、屈服しようとしている。目の前に迫る死を直視する事すら放棄しようとしている。
幻天狗は苦しみ喘ぐ鮫島さんの姿をあえて見せつけるように、彼を天高く掲げる。彼は抜け出そうともがくが、胸を貫く剣がそれを許さない。その様子はあまりに痛々しかった。
偶然、僕と鮫島さんの目が合った。その瞬間、僕の脳裏を彼との思い出が過ぎ去った。出会ってたった一日。だが、それだけではっきり分かるほど、彼は親しみのある穏やかな人だった。
彼が死んでいいのか?
僕の停止していた脳が動き始める。今までより苛烈に活動する。
僕は決めたはずだ。逃げないと。いかなる事があろうと立ち向かうと。
彼を救う。でなければ、あの窪地で震えていた時となんら変わっていない。僕はこんな理不尽に屈服したりしない。
僕は立ち上がる。思考は混濁し、全身は震えていた。それでも、彼が死ぬことを拒絶する思いが僕を動かしていた。
「やめろ!」
僕は叫び、天狗に向かって炎を飛ばす。それは、奴の頭部に直撃した。奴のHPは微量ながら減少する。だが、鮫島さんを放す様子は無い。
僕は幻天狗へと歩む。何としてでも、止めさせないといけない。
『逃げろ』
彼の思考が僕に伝わる。意識しなければ気づかないほど、弱々しい思念。
逃げる訳がない。もう絶対に逃げる訳にはいかない! 僕はもう逃げないと誓った!
脳内にアドレナリンが過剰分泌される。それらが恐怖や緊張を脳の隅に追いやっていく。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
僕は走り出した。
再度、スキルを発動。炎が奴の胴体に直撃する。だが、奴は微動だにしていない。僕に見向きもしない。
それから、声にならない叫びを上げながら、僕は幻天狗へとタックルした。その段になってやっと、天狗は霧散した。
鮫島さんが落下する。そのまま、地面に崩れ落ちる。
僕は突撃した勢いのまま、地面を擦るように倒れた。顔に砂がこびりつく。
背後に気配を感じ振り向けば、太陽を遮るように、巨大な陰が立っていた。僕の息の根を止めようと剣を振り上げている。容赦なくその銀に輝く先端を、僕へと突き刺そうとしてした。
僕は横転する。剣は僕を刺し損なって、地面へと突き刺さった。
僕はすぐさま立ち上がる。幻天狗はそのギラ目で僕を見据える。
天狗の足下を見れば、鮫島さんが身動き一つせずに横たわっている。HPはかろうじて残ってはいるが、起きあがることはできないだろう。
すると僕が鮫島さんに気を取られたのを見逃さず、幻天狗が僕に切りかかってきた。しかし、途中でバランスを崩し、剣の軌道が大きく逸れる。僕は身をひねり、間一髪で避けた。
「快斗!」
秋が焦りの混じった叫びをあげる。天狗のわき腹には秋の操る槍が深々と突き刺さっていた。
奴の額に血管が浮き上がり、振り向き様に剣を振るう。空気を削く轟音が周囲に響く。しかし、秋は軽やかにその斬撃を避けた。
すると今度は悠が突然石柱の陰から現れる。秋に注意を向けている隙を付き、幻天狗の背後から迫って奴を切り裂いた。
「ガァアアァ」
眼球を深紅に染め、呻き声をあげる。
天狗は間髪入れず悠を睨みつけると、剣を振り下ろす。悠はそれをバックステップで回避。剣身はそのまま、地面へと叩きつけられ砂が舞い上がる。
『快斗、逃げるぞ!』
乱暴に思考が飛んできた。
『逃げる? 何を言ってるんだ』
『このままじゃ、全滅だ。奴は正面からやりあって勝てる相手じゃ』
その瞬間、天狗の繰り出した剣戟が迫る。悠は僕を突き飛ばす。僕と悠の間を裂くように剣が通過する。
『俺たちで奴を引きつけながら、逃げる。そうすれば、みんなが逃げる時間を稼げる』
周囲で倒れている人間の大半は、まだ意識を取り戻していないようだった。彼らはそもそも、逃げることができる状態ですらない。しかし、彼らをこのまま置いてくと悠は言っている。
『もう、話す暇は無い。分かってくれ』
僕は巨大な天狗を見つめながら逡巡する。
僕は悠の言葉に納得することができない。彼の考えが正論だとは頭で分かる。だが、どうしても鮫島さん達を置いていくことに抵抗がある。僕は彼らを救いたい。自分がここで朽ち果てようと、彼らが助かる選択肢をとりたい。
本当に逃げることが最善なのか……
秋が幻天狗の死角から攻撃を繰り出す。しかし、その攻撃を予知していたかのように奴は秋の放った槍に視線を移すと、遂にスキルを発動し、僕らの視界から消滅した。
『山の中へ走れ!』
悠は焦燥を隠しきれない様子で必死に叫び、そのまま走り出した。秋もそれに続く。
そして僕は……
『快斗!』
走りだした。悠の怒声に押されて。
僕は彼らに数秒だけ遅れて走る。空気を裂く音が髪を撫でる。背後に化け物の気配を感じつつも振り向かずに、悠たちを追う。
森の帳が作る暗闇の中へ、僕たちは逃げていった。後ろ髪を引かれつつ、今の選択が最善だと信じながら。