一章 春
四月、希望する私立高校の推薦入試を経て入学式が行われる。
葉月ミカ、16歳、150センチ。少し小柄な彼女はよく高校生や中学生に見られず、小学生に見られがちだが、そんな彼女も高校生になったのだ。高校生になってやりたいことぐらい持っていた。仲のいい友達ができて、勉強もできて、方向が一緒の友達と帰りに寄り道をしたり・・・。そんなことを心の片隅に置いておき、先輩生徒の誘導されるがままに入学式会場へ足を運んだ。そこにはほとんど生徒は来ておらず。彼女はしまったとばかりに表情を歪めた。時計を見ると、集合予定時刻より40分程度前に来てしまったのである。これから40分程度暇を弄ばなければならないのかと重苦しそうに考えていると、案内をしていた先輩生徒が彼女の様子を伺って、「緊張しなくても大丈夫だよ」と声をかけてくれた。彼女は戸惑いながらも「はい。」と少し微笑んで答えた。
そして席を誘導され、誰もいないクラスの席に座った。座る座席の上には2枚の紙が置いてあった。一枚目の紙には入学式のプログラムについて、もう一つの方には教師紹介と学校紹介の紙だった。それを暇つぶし程度に目を通していた。
目を通して15分程度したとき、冷え込んできた。四月とは言ってもまだ序盤の方なのであったかいとはまだ言えない。少し短めのソックスにしてきたのでスカートをはいている足元が冷えてきた。そんなことを気にしていたら、彼女の座っている席の周りにこれからのクラスメートになる入学生たちが入ってきた。
やがて長い長い入学式は終わったが、入学式の後日に行われる泊まりかけ行事の説明がされた。その内容はクラスや学年の友達作りに貢献するものだった。毎年行われるらしい。場所は県内の旅館で二泊三日。彼女は配布されたしおりを見ながら話を聞いていた。泊まりなので三日過ごす部屋割りのメンバーの名前を見た。割り振りは名簿順になっていて、仲良くなれるかすごく心配だった。しかも隣同士が男子なので男子とどう接していいかわからない彼女は喋る相手もいなかった。なので表示されている名前の人の顔を見ようとしても前か後ろにしかいないのでいきなり覗くようにして顔を見るのも失礼だと思い、結局顔を確認することはできなかった。
しばらくして、彼女は父親の車に乗り帰宅した。後ろの席から彼女の様子を見ていた父親が「ミカは男子に囲まれてていつもより小さく見えたよ。」と皮肉じみた言葉を言われた。ミカの家系の身長ははっきり言って小さめなのだ。なので父親も小さく、母親も小さく、ミカも小さい。なので、小学生の頃や中学生の頃はクラスで一番前に並んでいたくらいだ。そんな父親の皮肉をあっさりスルーしながらミカは自宅に戻っていった。
こんにちは、CHMです。二回目ですねはい。今回のお話はやっと内容に入ってきた感じです。みなさんはこのお話気に入っていただけると嬉しいです。
最近のCHMは眠くて眠くて11時前くらいには寝入ってしまいます。体調があまり優れなくてちょっと調子悪かったりします。あと、周りの人間にインフルエンザが流行っています。みなさんも帰ってからの手洗いうがいを忘れずに!
では今回は短いですが(毎回短いよ・・・)ここでお別れです。
次回もお楽しみに!