やんちゃ過ぎねぇ?!
「ん?」
心なしか頭に違和感を感じる。うん、間違ってない。繰り返し何かが頭に刺されている。
「ってちょい待て誰だ!」
思わずつっこみを入れつつ頭に刺さったものを引き抜く。それに伴い俺の頭を刺していたらしい女の子も目の前にぶら下がる。
うーん、防御力と体力がありすぎると痛みも鈍いようだ。これからは気を付けよう。
色々と考えていると再度3つに先がわかれた槍のようなものを刺そうとしている女の子に気付きとりあえず槍を取り上げてみる。
「ちょっ、御主人!何で私の得物奪うんですか!このサボり領主!返せ悪魔!って私が悪魔でした」
何だこいつ、面白い。
ギャンギャン目の前で吠えている子をよく見ると、長い尻尾の先は尖り、背中からは真っ黒な羽が見える。ゴスロリだっけか?とりあえずレースなどがあしらわれた服を着ていて、髪はショートカット。中々顔も可愛らしい。
でも、こいつどっかで見たんだよな…。
「ちょっと御主人聞いてます?!父王様と母王様旅行行っちゃったんですよ?!しかも私に御主人回収の命令1つ残して!っておーい、御主人ー?」
「ぬあーっ!」
「うおーっ?!突然何ですか御主人!気でも狂いましたか?!ラッキー、置いて帰ろ」
「おいこら最後のちゃんと聞こえてるぞ!」
ブンブンと目の前で手を振っているのを見てようやく思い出した。
「お前あれだ!俺がやりこんでたゲームのキャラに似てるんだ!ガルカンデの魔王の使い魔に似てるのか、いやー、スッキリした」
うんうん、納得。そういやあのキャラもめっちゃ喋ってたなー。文字で。
「ふお?あのー、御主人ー?」
「何ー?」
やべー、地味にお気に入りキャラだったのに近い存在に会えるとは。転生に今回ばかりは感謝かな。魔王だったのは未だにムカつくけど。
「あの、私その通りなんですけど。」
「ふーん…ってあれ?今何て言った?」
「いや、だからその通りですって!あれー?おかしいな、大王様や女王様の仰っていた事と違う?」
うーんと首を傾げ始めた目の前の悪魔をまじまじと見つめる。
大王様とか女王様って多分現在の俺の両親ってことか。
「え、んじゃあれか?お前の名前ってもしかして…」
「ん?あぁ、申し遅れました御主人!此度仕える事となりました、私「ルナだろ?」って何で知ってるんですか御主人!」
「えーっ?!うっそ、ルナなの?!え、これ俺つきすぎじゃね?!うっそキタコレぇーっ!」
「だから何で御主人知ってるんですか?!ってちょっと突然踊り出さないで下さいよ!」
ヤバい、超ついてる。え、マジで?!何か見たことある城だなーと薄々思ってたけど此処ガルカンデか!
ゲームやってた時はあんまり意識してなかったけどゲーム名に魔王の城の名前付けたんか。何だか制作者の方が気になるな。
「御主人!」
「あうっ」
軽い電撃がルナから放たれて見事に食らう。
確か魔王って防御力の内、物理防御に大半注いでるせいで魔法に対する耐性紙に近かったんだっけ。
「と・に・か・くっ!魔王不在の城とかヤバいです!勇者来たのに魔王居ないとかどんな状況ですか!速攻で帰りますよ御主人!」
「はーい。で、そうそうルナさんやルナさんや」
「何です?」
「俺今大荷物で困ってんのよ」
「まぁ、見りゃ分かるってやつですね。御主人ファイトッ!」
「いや、ファイト出来ないから!これ持ったら前が見えないんだよ」
「あー…御主人、背低いですねー。いくらなんでも魔王がこの身長は無いですね」
「今そんな講評聞いてない!で、時にルナや」
「なんです?」
「この荷物ごと俺を城まで転「絶対嫌です!」」
何でだ。まだ言い切っても居ないのにこの仕打ち。魔王って使い魔を使役してるんじゃないのか?
疑問は残るものの、とりあえず説得をしないことには始まらない。よしと気合を入れなおして口を開く。
「ルナ、お前は俺の使い魔なんだよな?」
「そうですけど魔法は使いませんよ」
「えと、この荷物重いなー」
「頑張ってくださいね!御主人!」
「俺の使い魔は従順な子がいいなー」
「あ、じゃあ私フリーですね!では失礼します!」
「ごめん!今のは俺が悪かった!」
「そう…ですか」
「何でちょっと残念そうなんだ!」
あれ?やっぱりおかしい。何か立場が俺の方が弱くないか?何が悲しくて俺は断られ続けているんだ。納得がいかない。
そんなことを考えている俺の心境を知ってか否か、ルナは電撃の準備を始めている。
「ルナ、」
「しつこいですよ御主人!私の魔力じゃ御主人を運ぶので精一杯なんですよ!その上荷物まで運べってどんな鬼畜野郎ですか!って御主人は魔王だからそっちの方が良いのか…うーん」
「うーん、困ったな…」
とにかく、目標が増えたな。
《目標》
“new”ルナを説得しよう
荷物を運ぼう
魔王の城を目指そう
使い魔ルナちゃん登場です。
やんちゃにして元気な子ですが、魔王は手綱をしっかり握れるんでしょうか…。
中々家に帰れない魔王ですが、次できっと帰宅の目処が立つ!…はず。
更新は不定期ですが、次話はもう少し早く更新出来るかと思います。
待って下さっている方、ありがとうございます。