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夢の涙  作者: 鉋心繋
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第四話(学園戦争)

…あれから私は考えてみた。

どうしていじめられなければいけない?

私はどうしてやられっぱなしなのか?

どうしてやり返さないのか?

今日のあの時間…初めて反抗をはじめた。

気持ちよかったな…

私はなにが怖いんだろう…?




何も怖がる事などありやしないのに…。




『やっと来たwww』

「はぁい。お待たせ。今日はなに使うわけ?なに使ってアタシをいじめるの?ナイフ?なんでも使いなさいよ。十倍にしてやり返すから。」

『『何こいつ…超むかつく。美華…いいんじゃない?使いなよ。ナイフ使ってもいいって心言ったじゃん。』』


『超怒った。あんたマジで言ってんの?…ハヤクキエロ。』

「あんたこそ」


この日私は爆発。

こらえられない怒りと共に美華にぶつけた。

沢山ぶつけた。

五時に呼び出されてから二時間が経過していた。


「美華…あなたはいつも私にこうしてたんだよ?反省した?」

『は?バカじゃないの?なにが反省よ!裏切っといて。』

「へぇ…だったら最後はこれだね♪」


そう…。

私が取り出したのは…ナイフ。

あの地獄を今は繰り返している。

私本人が。

もう…スッキリすると思った。


『ココちゃん…ごめんね…やめて…すみませんでした…すみません…やめて…それだけはやめて…?』

『心!!やめなさいよ!』

「は?麻衣…あんた美華の味方なわけ?麻衣の痛みと私の痛み…美華に味わせてるんだよ?これは…悪い事なの?」

『わるいことにきまってんじゃん!あんたは美華と同じ事をしたんだよ?美華と同類なんだよ?』

「それでもいい!私の痛み…味わせテやる・・・。」

『麻衣ちゃん…助けて…』

「は?美華…バカにしないで。ふざけんなよ。」


私は怒りに狂ってナイフで刺そうと思った。

けれど…できなかった。

刺したかった。

けれど…隣には麻衣がいたんだ。

謝らなかった。

なぜか…悪い事とは思わなかったから。

八時…最高下校時間がきた。


「明日も来るか?私。美華私をいじめるんでしょ?私を蹴るんでしょ?私明日も来て上げる♪」


美華は返事をしなかった。

たぶん…できなかったのかもしれない。

三時間ずっと殴り続けていたのだから…。

今思えば凄く怖い事だ。

私はそれでも立ち止まらなかった。

…ずっといじめられてきたんだもん。

これ位…序章にすぎないのよ。

そして私は家に帰った。


『心!あんた、美華ちゃんになにしたの?さっき電話がきたの。美華ちゃん怪我したらしいわよ。全治二週間らしいわよ!どうして?』

「あれくらい…だって私が小学校の時裏切られてからずっといじめられてたのよ?美華は私を裏切ったのよ?しかも…ナイフまで持ち込まれた!だから今までの痛みすべてし返したのよ!美華は私を裏切った…」

『心…あんたは間違ってる。』

「なにが間違えてるって言うのよ?私はやり返しただけよ!美華が悪いのよ」

『心は美華ちゃんとおなじことをしたのよ?』


この言葉…麻衣にも言われた…。

私が間違えてるの?


「私が間違えているって言うの?」

『あなただけが悪いわけではない!!けれど…あなたは悪いことをした。人を傷つけた。貴方も美華ちゃんと一緒よ。』

「…っ……」


ーピンポーン


「はぁい」

『美華の母です。』


きた。

美華のお母さん…

全部話してやる…

美華が悪いってこと…思い知らせてやる。


「あなた…小学校のころ仲がよかったっていうこころちゃん?貴方の話は聞いてるわ。美華からね。今の話も聞いているわ。」

『だったらしってるんですね。どういう嘘をつかれましたか?』

「なっ…」

『たぶん貴女はこれから言う事を信じないと思います。けれど聞いてください。

 私は美華と仲がよかったです。けれどあるひ裏切られました。美華に。私の悪口を言ってました。本当はつらい。一緒にいたくない…と。それから私ははずされました。そのまま卒業式もでました。写真を一緒にとってくれる友達は美華しかいませんでした。今までは、けれど私はもう友達も誰も何もありません。卒業式は証書だけもらいかえってきました。そして中学校生活。もうこのイジメはなくなると思いました。けれど次のイジメというのははずすとかではなくて体を傷つけるようなものだったのです。…ショックでした。何度もどうして裏切られたのだろう…そう思いました。そして一週間経ったある日ナイフを持ってきました。もう私はあきらめることにしました。殺して…と頼みました。もちろん私は気持ち悪いといわれてしまいましたけど。私はもう今までの純情な気持ちはなくなっていました。

私は今までの痛みをすべて美華に返しました。

それが今日です。

すべてを返すのに大体三時間がかかりました。

けれど私は自分がわるい事をしたのだとは思っていません。

私はもうこのイジメがなくなるのなら何をされてもいいと思います。やられたら十倍にして返しますけど。



…私の気持ち………信じないでしょう?

それでもいい。

私は真実を伝えたのだから。』


「心ちゃん…もういいわ。さようなら」



この決断がよかったのかなど誰にもわからない。

けれど私は後悔しないと決めた。

立ち止まらないと決めたんだから。

私は歩き続ける。

どんなことがあっても美華とまた巡り合うことがあっても私はいじめられたらいじめ返す。

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